ｰ元発電施設:内部ｰ

雲山「魁人君」

魁人「任せてください。紅鬼状態(アカオニモード)!!」

虎城『キヒッ!!』

大気を摩擦し燃え上がる炎が赤龍の雷を中和する。

雲山「ナイスっ!」

炎が霧散し、雷が散るその陰から雲水は虎城へと一気に間合いを詰めた。

そして、相手の顔面に拳を叩き込む。

虎城『ぐきぃっ……!』

巨拳を受けて大きく弾き飛ぶ虎城だったが。

白フード「ふんっ!」

壁に激突する寸前、白フードが奴を受け止めた。

雲山「奴か!」

白フード「これは返してもらった。」

魁人「まさか、逃げられるとでも思ってるのか?」

白フード「あなた方は包囲したつもりだろうが、逃げ道はある。いくらでもな」

雲山「だとしても、我々が逃がすと思っているのなら……。甘すぎだろ」

片腕でコンプレッサーらしき機材を掴むと、それを持ち上げた。

白フード「大した馬鹿力だな。だが、よそ見は禁物だ」

雲山「なに?」

魁人「雲山さん!」

悠「うわぁぁぁっ!」

雲山「むっ!」

悠「ぐぇっ!!」

機械義手に吹き飛ばされてきた何かを避けた。その一瞬で白フードと虎城は消えていた。

魁人「しまった!」

雲山「魁人君、すぐに外に連絡を!」

魁人「はい!!」

悠「っていうか……お前ら、おれを助けろよ」

雲山「ああ、すいません。片手が塞がってたもんで」

悠「おれを避ける余裕はあったみたいですけど?!」

雲山「とりあえず、立ちましょうか」

悠「痛っっ……あの機械義手。めちゃめちゃ射程が長くてうぜぇ」

雲山「壊せそうですか?」

悠「どうかな……豊久の大振りでも壊れてなかったしな。アンタがどうにかできない?」

雲山「……では、二人で一本を押さえつけてみましょう」

悠「他の腕が来る。」

雲山「それは他の皆さんが相手取ってくれていますから、大丈夫でしょう」

魁人「雲山さん、外に報告できました。」

雲山「ご苦労様です。時に魁人君、鬼状態はまだ使えますか?」

魁人「ちょっときついですけど、大丈夫です」

雲山「では、悠君。我々三人で鬼状態を使って一本、腕を取ります。いいですね?」

悠「……わかったよ。一本でも減ったら状況も好転するだろうしな」

魁人「雲山さん。掛け声お願いします」

雲山「では……鬼状態!」

「「「発動!!」」」