ｰ元発電施設:内部ｰ

白フード「風魔!」

風魔「これはこれは……龍の使い殿」

白フード「なぜこんなことになっている。」

風魔「なぜ?我は戦場に混沌を振りまく風。ようやく楽しいことになってきたではないか。」

白フード「貴様という男は……!」

風魔「それよりも、よそ見をしていていいのか?」

悠「弾針剄!」

白フード「ちぃっ!」

おれの放った空気の弾丸は雲にさえぎられるようにボフッと音を立てて霧散する。

悠「熱気がなくなっても雲のは健在……か。」

寅「カッコつけてんなよ」

悠「カッコつけてる余裕もないからなりふり構わず攻撃してるんでしょ!」

豊久「悠どん。その攻撃で風魔を撃ち落してくれんか?」

悠「撃ち落としてくれって……っか、なんだあれ、どうなってる?!」

寅「知らん。」

豊久「生えてきた。忍術じゃ」

悠「いやいや、だってあれ義手っていうか機械式の腕だろ。」

寅「だとしてどうやって操ってる?」

悠「……そういえば、そうだな。え、あれどんな感じで動いてた?」

豊久「自身の腕のように動いとった。」

寅「たしかに豊の攻撃を普通に受け止めてたな」

悠「普通に受け止めてる時点で普通じゃないが……。」

豊久「なんにしても、ああして自在に動かれたらどうしようもできん。」

悠「あれプラス雲龍やろうとターミネーター……状況が悪いなぁ」

豊久「一人ずつ斬ればよか」

悠「いや、それはそうなんだけどな……。」

寅「だが、あっちはあっちで揉めてるぞ」

白フード「こうなったらさっさと退くぞ。もう用はない」

風魔「ここからだろう。生まれた混沌を謳歌しようぞ。くくくっ」

白フード「くっ、貴様というやつはあぁぁ!」

悠「水と油だな」

寅「お前と話してるとあんな感じだよな」

悠「なんだと!!」

灯「お三方!」

悠「うぉっ、おう。灯君どうした?」

灯「いえ、あっちのゾンビマシーンは雲山君と魁人君たちが相手取ってくれてるのでこちらの応援に来ました」

悠「そうか。どうやら、敵が揉めてるみたいなんだが……」

風魔「くくっ」

悠「さっきから何度かあれと目が合ってるんだよ……」

灯「ああしていても、油断はしませんからね。」

寅「さっき龍剄撃った時も風魔のほうは気がついていたみたいだしな……」

豊久「どんな警戒心が強かろうが、それごと断てば問題なか」

悠「もうこの戦闘狂は……」

灯「心強いじゃないですか。」

悠「人間できてるなぁ……」

寅「和んでねぇでどうするか考えろ。物陰に隠れっぱなしじゃ何もできねぇ」

悠「おれがかよ……」