ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【2】

ー元発電施設:内部ー

風魔「くくくくっ、くはははは!」

大きく伸びた腕の二本が地面へと突き立ち、風魔の体を持ち上げる。更に別の二本の腕が天井をつかむ。

残った四本の腕を振り回してこちらに攻撃を仕掛けてくる。

寅「くっ、そ!」

寅は降りおりてくる鞭のような腕を飛んで避ける。

灯「くっ。想定外……というやつでね。」

想「確かにっ!こんな、戦いに!なると、はっ!」

同じように叩き付けてくる腕を必死にガードしつづける二人。

豊久「本体が遠すぎる。あれじゃ斬れん!鉄砲はないか!」

未だに一番前で刀を振るい続ける豊久も射程外の敵は斬ることができずにいた。

寅「お前!足をきれないのか!」

豊久「足もなんも空に釣り下がっとるだろうが」

寅「そうじゃなくて!天井を掴んでる腕と地面に突き刺さってる腕があるだろ。それの地面側のやつをだよ!」

豊久「なるほど!むっ!」

狙いを地面についている腕に向けたが。それを阻止しようと他の腕が襲い掛かる。

寅「こっちが開いた!」

風魔「くくっ。まるで地を這う虫だな」

伸びきっていた腕が一気に縮み上がり、本体に戻っていく。
天井をつかんだ腕だけでぶら下がり四人を見下ろした。

豊久「卑怯者が!降りて来い!その首、斬ってやる!」

風魔「そんなところにいて足元は大丈夫か?」

豊久を無視して風魔が笑う。

想「足元?」

っと、次の瞬間、ゴゴッと揺れを感じた。

灯「これは……皆さん、気を付けて床が開いています!」

明かりが言った通り、床が開いて地下から何かがせりあがってきた。

風魔「さらに混沌と化す……か。くくっ。」

地下から半球帯状の大きな装置がせりあがってきた。

そばにある崩れた機材から、見慣れた人間が出てくる。

雲山「くっ……やってくれる。」

灯「雲山君!」

雲山「ん?灯君。そうか、上まであがったか。」

朱金「おい、そっちにいったぞ!」

虎城『死ャアアァァッ!!』

再開もつかの間、両手の鉤爪を大きく開いてとびかかってくる半機械の化け物。

灯「わっ!」

灯は多節棍で正面から受け止める。

虎城『カァーーー!』

雲山「気を付けろ。龍剄が来る!」

赤龍の発雷……は、不発。
灯は虎城の足を払って振り向抜きざまに棍でたたき伏せた。

灯「さすがに地面に足がついてないと、得意の赤龍も発動しないでしょ」

殴られても、虎城は受け身を取り、すぐに棍の射程外へと飛びどいた。

寅「味方も増えたけど敵も増えてるな」

想「ひとまとめになったということで……」

朱金「そうだ!熱くなくなったんだしまとめてぶっ倒してやらぁ!!」
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