ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【2】

ー大江戸学園:地下コアルームー

虎城『キヒ……キヒヒ』

朱金「笑って……るのか?」

魁人「いや、呼吸の音……ではないでしょうか。」

虎城『キヒヒッ!』

虎城だったものは威嚇するように両腕の鉤爪を振り回した。木偶と同じ動きだが、迫力は何倍もこっちの方が上だ。

悠「おい、アレどうにかしろよ!」

白フード「大人しくさせておいたのを解放したのはお前らだろう。」

そういうと白フードは壁にある何かのスイッチらしきものを叩いた。

雲山「なにをした!」

白フード「フーチェンが出されてしまってはこんな熱い場所にいる必要もない。上に行くだけだ」

悠「うえ?おっ、おおっ?!」

ガコンッと地面が一度大きく揺れた。そして徐々にに動き始める。

雲山「この部屋自体が動いているのか……」

悠「なんっー大がかりな仕掛け部屋だ」

見上げれば天井が大きく口を開きだしている。

白フード「しかし、貴様……」

悠「おい、なんか恨まれてるぞ。雲山」

白フード「貴様、小鳥遊悠!」

雲山「どうやら私ではないようですよ」

悠「うぇー……」

白フード「貴様がかかわってから我々の予定は狂いっぱなしだ……。貴様だけは許さん!!」

悠「そんなのそっちが悪いことしてるのがいけないんだろ。しかも、わざわざおれの近くで。迷惑してるのはこっちなんだよ」

白フード「黙れ!はあぁぁぁっ!」

白フードはゆっくりと大きな円を描くように腕を振る。

雲山「何か来ますよ」

悠「ええい!バリアー!」

白フード「雲龍の飛翔!」

悠「……?」

今までの様に熱波や弾針剄のような衝撃も来ない。

雲山「…ンっ?」

悠「うっ……?!」

しかし、異変はあった。息ぐるしいのだ。

雲山「まさか……空気をッ……」

悠「やべっ…上だっ。のぼ……れ」

おれと雲山は慌ててそこらの機材によじ登る。

白フード「ほう。一瞬で理解したか」

悠「すーーーはーーーっ。空気を移動させるとかむちゃくちゃしやがる。」

雲山「だが、自分と同じ高さの空気まではさすがになくせない。だな。」

白フード「そうだな。半分は正解だ」

悠「半分?」

白フード「こうやって高濃度になった空気は私にとっては武器であり鎧。高濃縮の弾針剄をくらえ!」

間髪入れず放たれた弾針剄。それが直撃したのはおれ……ではなく、雲山だった。

雲山「ぐぉっ!!」

とっさにガードしたものの、白フードが言うように威力が高いらしく巨体な雲山が容易に吹っ飛んでいった。

悠「野郎っ!」

白フード「これで邪魔は消えた。さぁ、覚悟しろ!」
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