ｰ元発電施設:内部ｰ

木偶人形改【……】

想「っ……動かなく……なりましたね?」

灯「どうやら、アースシェイカー隊がやってくれたようですね。」

寅「その名前、正式に言わなくていいだろ。っか、動かなくなったが一応壊しとくぞ。」

想「そうですね。」

灯「そうしておきましょう。」

三人は同時に動かなくなった木偶の足を砕き、動力源がある胴体を潰し、完全なとどめを刺さした。

寅「次は……あっちか。」

風魔「くくっ!」

豊久「かかっ!」

殺意剥きだして笑いあっている二人…。

寅「どっちが化け物……っていうか、どっちも化け物だな」

想「とりあえず援護に入りましょう。四人で囲めば……ちょっと待ってください」

想は耳に手を当ててインカムから聞こえてくる声に耳を澄ます。

灯「どうかしましたか?」

想「……どうやら、外で問題が発生したみたいです」

寅「あ?」

想「どうやら、かなりの数の木偶人形が現れたらしいです。ノーマルタイプですが」

灯「かなりの数とは?」

想「逆包囲されるほどだとか」

寅「逆包囲って……今もそとに配置している同心をか」

想「そのようです」

灯「どうしましょうか。何人か外に……」

寅「……いや、外は無視だ。あっちには爆弾魔(久秀)と左近がいる。どうにかするだろ」

想「確かに…………往水さんもいらっしゃいますし、我々は全力で風魔を捕えましょう」

灯「すいません。行きます」

そういって駆けたのは灯だった。

殴り飛ばされた風魔めがけて多節棍を振り下ろす。

豊久「せえぇぇっい!」

前方からは豊久の一刀。

風魔「ほぅっ!」

風魔は右腕と左腕で双方の一撃を受け止めた。

灯「風魔君、いや、風魔。逃がしません。」

風魔「猿に風は捉えられるかな?」

豊久「捉えんでも断てばよかっ!」

押しつぶすように刀に力を込める。

灯「確かに……それでいいですね!」

灯もそれに合わせるように棍に力を込めた。

風魔「なれば……これはどうだ?」

一瞬風魔の背中が膨れた、次の瞬間ベリッと音がしてそこから腕が伸びた。その数は……六本!

豊久「!!」

灯「!!」

風魔「はあっ!」

多種多角度から豊久と灯を殴り、穿ち、叩き伏せようとする。二人は風魔から離れつつ襲い来る多腕を弾き落とす。

寅「なんだ……あれは」

想「まるで……蜘蛛、ですね」

風魔「くくくっ。恐れ、惑い、混乱しろ」

蜘蛛のように生えた腕を四方に向けて威嚇する。