ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【2】

ー大江戸学園:地下コアルームー

朱金「あっついんだよ!」

ハナサカ『アオーーン!』

ハナサカのフィールド効果と熱さの怒りを乗せた蹴りが木偶に直撃する。

木偶人形改【……】

ガード諸共一切を吹き飛ばし、木偶一体の機能が停止する。

朱金「よっしっ!」

ハナサカ『ワンっ!』

朱金「もう一体は……」

魁人「むんっ!」

朱金が振り返ると木偶の頭部が握りつぶされているところだった。

朱金「大丈夫そうだな」

魁人「はい。こちらは済みましたが、あちらは苦戦しているみたいですね。」

白フードの熱波を悠がガードして、その後ろから雲山が投擲攻撃。一進一退であり、どちらかというと接近戦を主におく雲山、本来の力が出せていないのも攻めきれない原因だろう。

朱金「援護するにも入りずらいな」

魁人「そうですね。あちらは任せて今のうちにコアをどうにかしてしまいましょう」

朱金「おう、そうだな!」

中央を陣取っている大型のコア。無数の配線が器財に繋がっている。

朱金「で……どうすりゃいいんだこれ?」

魁人「壊してしまうのが手っ取り早いですが……生体コアということは、このコアの中に人間が入っているってことですよね。」

朱金「そうなるな。アンタ、どうにかして出せないか?」

魁人「どうにかって……ちょっと待ってください。」

手近にあったパソコンのキーボードをたたいてみる。

朱金「……」

魁人「ふむ……」

朱金「わかるのか?」

魁人「ある程度だけですが、確かに人が入っていますね。せめて開閉だけでもできれば……これで、どうです。」

入力を済ますと、ビービーっとコアルーム全体に警報が鳴り響く。

白フード「むっ。」

悠「なんだ?」

雲山「どうやら魁人君たちが何かやったようですね。」

白フード「まったく、余計なことをしてくれる」

中央のコアが四方に開き中から多量の液体が排出され。

朱金「よっしゃ!開いたぜ!」

魁人「これで木偶の動きも停止することでしょう。中の人は…」

「カァーーー……ハァーーー……」

朱金「おいおい、なんっだありゃ……」

コアから出てきたのは骸骨……いや、辛うじてわずかに皮膚が残っているがほぼ骸骨のような顔になっている男だった。上半身は裸でその肉体に直接器具が埋め込められていて、両腕は中ほどから完全に機械だ。

悠「アレって……」

雲山「知っているのですか?」

悠「エヴァ騒動の時に居たゾンビ野郎。拳二が仕留めそこなったといってたけど、まさかまさかまた会うことになるとは……」

白フード「アレはなかなかいい素体なんだ。手放すわけがないだろう」

悠「人体実験なんてふざけた真似してる奴は怖い怖い……」

白フード「むしろ、死に体になっていたアレを生かしてやっているんだ。奴も本望だろう」

雲山「アレが生きているといえるとは到底思えませんがね。」

白フード「まぁ、そうだろうな。生きている人形だ。だからこそ、生体コアにはぴったりだった。ただ、ああやって無理やり出すと制御が効かなくなるがね。」

悠「朱金、魁人、気をつけろ!それは本物の龍剄を使うぞ!」
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