ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【2】

ー大江戸学園:地下コアルームー

悠「弾針剄!」

白フード「壁雲!」

悠の放つ空気の砲弾は雲に飲み込まれるようにして霧散する。

悠「ああ、やりにくい!しかも……あっついい!」

上着を脱ぎ捨てて、零れ落ちてくる玉の汗をぬぐう。

白フード「なら、とっとと出ていくといい」

悠「うるせぇよ!テメーが表に出ろ!」

白フード「お断りだ。熱波!」

奴が手を振るうと文字通り熱の波がおれ、というか周辺を飲み込む。

悠「熱!!熱っつ!」

服を脱いだのは失敗だったかもしれない…。熱風が肌をなぞっていきヂリヂリと焼ける。

白フード「むっ!はぁぁ!」

どこからか何かの塊が飛んできたが白フードは軽くそれを叩き弾いた。

雲山「やはり、そのぐらいでは効かないか」

悠「アンタ、木偶は?」

雲山「今投げたのが木偶だ」

悠「え?」

よくよく見てみれば木偶の着ていた服の一部などが確かに見える。どういう壊し方したらあんな残骸になるんだ。

白フード「やはり、フーを使った木偶でも出来合いではまだまだか…」

悠「フー?」

白フード「お前には関係ないっ!」

有無を言わさず熱波を振りまいてくる。

悠「バリアー!」

おれも躍起になって熱波をガードする。

雲山「ナイスです。どっっ……せいっ!」

おれの背後で大きなものが持ち上がる音がして次の瞬間、巨大な機材が白フードめがけ飛んでいく。

白フード「くっ!」

当たれば確実に潰れるようなサイズの機材を慌てて避ける白フード。

雲山「当たらないか…」

悠「アンタ……めちゃくちゃだな」

雲山「熱風や、風で壁を作れるのも大概だと思いますが……。まぁ、それより、彼も熱波を操りつつ雲を使うことはできないようですね。」

悠「そういえば弾かずに引いたな」

雲山「悠くんが前進して抑え込み私が投擲で援護して追い込みましょう」

悠「……」

雲山「なにか?」

悠「いや、おれにあてないでくれよ」

雲山「善処します」

悠「約束しろよ!」

雲山「来ますよ」

白フード「熱波!」

悠「ええい、馬鹿の一つ覚えに!!」

というおれも馬鹿の一つ覚えに風衝壁で受け止める。

雲山「何か投げるものは……ええい!」

ガゴッと地面が地面が揺れる。そして、めきめきと何かを引っぺがす音。

悠「おいおい、マジかよ…」

雲山「ぐっ、おおおっ!」

床板を一枚力尽くで引っぺがすと、それを縦に放り投げる鬼。

白フードは当然避けるものの、その威力たるやまるで災害。壁にぶち当たると手裏剣のように突き立ってしまっている。

悠「……」

雲山「ダメだ。当たらない。」

悠「当たったら死ぬしな……」
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