ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【2】

ー大江戸学園:地下コアルームー

熱気漂う部屋の中央には球体状の大型のコア。四方にはそれを制御しているのであろう機材が点在している。

悠「どう見てもあれっぽいな」

雲山「壊してしまいましょう」

魁人「待ってください何かいます」

木偶人形改【……】

悠「案の定の木偶人形か……でも、服着てやがる。」

朱金「なんでもいい、まとめてぶっ壊しちまおう」

「それは少し困る」

悠「誰だ!」

白フード「誰だろうな」

悠「お前かよ……」

雲山「アレは?」

悠「天と禍の手下だ。龍剄を使う」

白フード「手下ではなく協力者と言ってもらいた……」

雲山「ふんっ!」

会話を遮るように蹴り壊した扉だったものを白フードめがけ投げ飛ばす雲山。重圧な鉄の板がフリスビーのごとく飛んでいくのは迫力を通り越して恐怖だ。

白フード「まったく……話の途中で攻撃か」

直撃したはずの白フードは冷静に鉄の板をゆっくりと倒した。ダメージは……ない。

雲山「ほう」

悠「駄目だな。」

魁人「風衝壁(バリア)か…」

悠「風じゃなくて雲らしいぞ。おれも一回やったが分厚に綿に遮られたように打撃を遮断する」

白フード「そうだ。しかし、ここだと私は雲……以外にこういうことができる」

奴は、力強さなどない、ただ優雅にゆっくりと空気を手で仰いだ。

直後、おれたちを襲う熱波。

悠「うっ!」

雲山「ぐっ……」

魁人「熱っ!!」

朱金「うわっ!なんだこれ!!」

白フード「滞空している熱を送っただけだ」

悠「サウナで煽られるとシャレにならない熱気が来るアレか」

魁人「わかりやすい…。」

白フード「なんとでもいうがいいさ。」

再び熱波が襲う!

悠「あっつい!」

雲山「何かの物陰に!熱波をくらい続けるのはまずい!」

白フード「はあぁぁぁっ!」

片手ではなく両手で放つ高威力の熱波。
温度も上がったのかジュウジュウとそこら中の水分を蒸発させていく。

悠「ちっ!風衝壁(バリアー)!!」

バリアで熱波を受ける。
だが、熱波とは熱と風、その火は風を得て燃え上がる、風は火を巻き込んで吹き上がる。

おれの出した風のバリアを吸収して、熱波が膨らんでいく。

魁人「ちょ、それ、ヤバいですよ!!」

朱金「どうなってる!」

雲山「悠君が熱波を抑えてますが、抑えに使っている風を巻き込んで破裂寸前の風船みたいに膨らんでいってる。」

白フード「チッ!」

白フードは突如、動きを止めてその場から飛び退いた。破裂したら自分も巻き込まれると読んだのだろう。おれも慌てて物陰へ飛んだ。

ぶつかり合っていた熱波と風壁がぼふっと霧散する。

悠「あー、怖ぇぇ。超こぇぇぇ」

雲山「しかし、彼に対抗できるのは悠さんだけですね。任せました。」

悠「ええぇぇっ!」

魁人「私たちは周りの木偶を倒しつつ、コア破壊を狙いますので」

朱金「悠!あれをブッ飛ばしてこい!」
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