ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【2】
ー元発電施設:内部ー
寅「なんだ、もっとごちゃごちゃしてると思ってたら、ずいぶんと殺風景だな」
豊久「文字通りの廃墟じゃな。」
灯「……」
想「灯さん?」
灯「止まってください」
豊久「なんじゃ?」
灯は多節棍を棒状に伸ばすと足元スレスレをすくい上げるように振った。プッと何かが切れる音がしてゴォォンっと音を立ててドラム缶がいくつも落下した。
灯「トラップですね。」
豊久「なんと、気付かんかった」
灯「雑然と仕掛けたものではなく狩るために仕掛けたものですからね。豊久さんが気づかないのも無理はありません」
寅「っーか、殺る気満々な」
想「笑えませんね。」
灯「正直、雲山君がこっちのチーム無くってよかったです。多分、こっちのチームだったら直撃していました」
寅「直撃って…」
灯「雲山君はなぜかこういうのに当たるですよね…。運がいいのか悪いのか」
想「当たったらおしまいだと思うんですけど…」
灯「ああ、その辺りも大丈夫です。雲山君、すごく頑丈ですから。以前も直撃したらしいですけどぴんぴんしてたでしょ?」
想「そ、そうですか…」
豊久「むっ」
寅「今度は何だ」
豊久「風魔じゃ」
寅「……あ?」
刀の柄を握る豊久の視線の先にいる、巨漢に赤いドレッドヘアー、白い肌に青い隈取りという異様な風体の男。まぎれもなく風魔だった。
風魔「くくっ、やはり来たか」
灯「誘ったのはあなたですよね。投降する気になりましたか?」
風魔「否、我は混沌を望むもの。さぁ、遊戯を愉しもうぞ。」
風魔はパチンっと指を弾く。
すると四体の木偶が飛び下りてくる。
木偶人形改【……】
木偶人形改【……】
木偶人形改【……】
木偶人形改【……】
今までの無骨な木偶ではなく人間同様に衣服を身に着け靴まで履いている。そして、顔には「死」と書かれた覆面。
異様な出で立ちは風魔と似ているが、やはり一番人間と違うのは両手から猛獣の爪を模したような、フック状の攻撃部位を持つ武器、鉤爪が着いていることだろう。
想「なんだか、人間に寄せているせいか今までより不気味ですね。」
寅「気をつけろ。よくわかんねぇが奴らは拳法を使うぞ」
豊久「よか、おいが一番槍でいぐぞ」
灯「気をつけてください。向こうから仕掛けてきたということは何があるかわかりません」
豊久「じゃけん、おいが先にでるんじゃ。」
長刀を抜いて豊久は風の如くかけた。そして大振りの一刀断ちに仕掛ける。
攻撃としてはしごく単純、木偶は受けようと腕をあげて鉤爪で刃を弾こうとしたが、力負けしてそのまま押しつぶされかけた。
……しかし
木偶人形改【……】
斜め下に受け流し、地面を踏みしめると突然の発光と轟音。電気、ようするに稲妻が豊久に直撃した。
豊久「ぬぐっ?!」
木偶人形改【……】
感電によるショックと痺れ、硬直状態の豊久めがけて鋭利な爪が突き立てられる。
灯「危ない!」
間一髪、灯は多節棍を横薙ぎに振って豊久を叩き飛ばした。
豊久「くっ……た、助かった!すまん、灯殿。」
寅「おい……今のって」
灯「地電エネルギー。赤龍の氣……ですね。」
寅「なんだ、もっとごちゃごちゃしてると思ってたら、ずいぶんと殺風景だな」
豊久「文字通りの廃墟じゃな。」
灯「……」
想「灯さん?」
灯「止まってください」
豊久「なんじゃ?」
灯は多節棍を棒状に伸ばすと足元スレスレをすくい上げるように振った。プッと何かが切れる音がしてゴォォンっと音を立ててドラム缶がいくつも落下した。
灯「トラップですね。」
豊久「なんと、気付かんかった」
灯「雑然と仕掛けたものではなく狩るために仕掛けたものですからね。豊久さんが気づかないのも無理はありません」
寅「っーか、殺る気満々な」
想「笑えませんね。」
灯「正直、雲山君がこっちのチーム無くってよかったです。多分、こっちのチームだったら直撃していました」
寅「直撃って…」
灯「雲山君はなぜかこういうのに当たるですよね…。運がいいのか悪いのか」
想「当たったらおしまいだと思うんですけど…」
灯「ああ、その辺りも大丈夫です。雲山君、すごく頑丈ですから。以前も直撃したらしいですけどぴんぴんしてたでしょ?」
想「そ、そうですか…」
豊久「むっ」
寅「今度は何だ」
豊久「風魔じゃ」
寅「……あ?」
刀の柄を握る豊久の視線の先にいる、巨漢に赤いドレッドヘアー、白い肌に青い隈取りという異様な風体の男。まぎれもなく風魔だった。
風魔「くくっ、やはり来たか」
灯「誘ったのはあなたですよね。投降する気になりましたか?」
風魔「否、我は混沌を望むもの。さぁ、遊戯を愉しもうぞ。」
風魔はパチンっと指を弾く。
すると四体の木偶が飛び下りてくる。
木偶人形改【……】
木偶人形改【……】
木偶人形改【……】
木偶人形改【……】
今までの無骨な木偶ではなく人間同様に衣服を身に着け靴まで履いている。そして、顔には「死」と書かれた覆面。
異様な出で立ちは風魔と似ているが、やはり一番人間と違うのは両手から猛獣の爪を模したような、フック状の攻撃部位を持つ武器、鉤爪が着いていることだろう。
想「なんだか、人間に寄せているせいか今までより不気味ですね。」
寅「気をつけろ。よくわかんねぇが奴らは拳法を使うぞ」
豊久「よか、おいが一番槍でいぐぞ」
灯「気をつけてください。向こうから仕掛けてきたということは何があるかわかりません」
豊久「じゃけん、おいが先にでるんじゃ。」
長刀を抜いて豊久は風の如くかけた。そして大振りの一刀断ちに仕掛ける。
攻撃としてはしごく単純、木偶は受けようと腕をあげて鉤爪で刃を弾こうとしたが、力負けしてそのまま押しつぶされかけた。
……しかし
木偶人形改【……】
斜め下に受け流し、地面を踏みしめると突然の発光と轟音。電気、ようするに稲妻が豊久に直撃した。
豊久「ぬぐっ?!」
木偶人形改【……】
感電によるショックと痺れ、硬直状態の豊久めがけて鋭利な爪が突き立てられる。
灯「危ない!」
間一髪、灯は多節棍を横薙ぎに振って豊久を叩き飛ばした。
豊久「くっ……た、助かった!すまん、灯殿。」
寅「おい……今のって」
灯「地電エネルギー。赤龍の氣……ですね。」