ｰ大江戸学園:工場内ｰ

白フード「……風魔。風魔!」

風魔「なんだ」

白フード「なにを遊んでいる。なぜ、木偶をバラバラに襲撃させている」

風魔「ただの余興よ。余興。くくっ」

白フード「……」

風魔「何か問題でもあるのか?」

白フード「今、外で二人の男を見た」

風魔「ほう」

白フード「片方は寅、片方は知らない男だったが……妙な気配がした」

風魔「構わんさ。誰が来ようと全ては余興。」

白フード「…………」

風魔「それより。天からの届け物は?」

白フード「ちゃんと持ってきた。ただ、何度も直し過ぎてほぼ壊れかけている。」

風魔「問題ない。」

白フード「……壊すなよ」

風魔「くくっ、壊されては困るか?それは貴様がか?それとも天が……か?」

白フード「貴様は……」

風魔「くくくっ、ただの戯言よ。くくくくくっ」



ｰ大江戸学園:工場内製造区-

豊久「なんぞ。凄い施設じゃ」

寅「このぐらいの施設はむしろ小規模だがな」

豊久「ほー。しかし、思っていたより手ごたえがないな。」

豊久の通った後には見事に真っ二つにされた木偶人形が転がっている。

寅「相手が動く前に断ってりゃあな」

豊久「先手必勝じゃ。」

寅「武士道としてそういうのはいいのか?」

豊久「武士道もなにもこんな玩具相手には不要じゃ。」

寅「そりゃそうか」

豊久「むっ、待て」

寅「あ?」

木偶人形【……】
木偶人形【……】
木偶人形【……】

豊久「どうやらあそこが重要な場所らしいな。」

寅「確かに警備が厳重だな。どうする?」

豊久「はあぁぁぁぁ!」

寅「……あいつ本物の馬鹿だな」

当然のように正面から突撃して配置されている木偶人形をなます切りにしていく。

豊久「邪魔ぁ!」

寅「……あの無茶苦茶なやり方は見習うべきなのか?」

豊久「おうい!寅、寅!!済んだぞ!」

抜身の大太刀を振り回してアピールする豊久。

寅「見たらわかる。」

豊久「おーい、誰ぞ居るか!木偶ばぶっ壊したぞ!誰ぞ居るなら出てこい!」

ゴンゴンッと守られていた扉をノックして、誰かいるのかを確認する。

寅「何してんだお前?!」

豊久「敵が居るなら出てこいというとるんじゃ」

寅「そんなんで出てくる」

ガゴッ!

豊久「おっ!」

寅「開いたよ……」

豊久「よか覚悟じゃ。さぁて、鬼が出るか蛇がでるか!」