ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【2】

ー大江戸学園:小道ー

豊久「どれが敵ぞ」

寅「……いない?おい、どこにいるんだ」

同心「そ、それがここで暴れている木偶を見かけたと報告があったのですが」

寅「確かに暴れたような跡があるが……おい、豊?」

豊久「こっちじゃ」

寅「は?」

豊久「こっちじゃ。こっちに移動した跡が残っちょる。こっちにいったんじゃ」

寅「……」

同心「どうしましょうか?」

豊久「ぬしらはここらで見張りをばしてろ。俺(おい)と寅でいく」

寅「俺に命令すんな!」

豊久「こっち……むっ。」

寅「なんだよ」

豊久「……寅、そこの石を蹴飛ばしてくれ」

寅「あ?」
ゲシッ!
カコン……バチン!

豊久「トラバサミじゃ」

寅「……なんでか、俺が馬鹿にされてる気がする。っーか、よく罠に気が付いたな」

豊久「危なか場所ばなんとなくわかる」

寅「お前のほうが獣っぽい」

豊久「しかし、罠が仕掛けられちゅーことはここで奇襲する気だったか、この先に何か見られたくないもんがあるってことじゃ。行ぐぞ」

寅「あぁ。」



ー大江戸学園:工場ー

豊久「なんじゃ、建物があるぞ」

寅「木偶の製造施設だ。いくぞ」

豊久「おう!」

寅「当然だがシャッターが閉まってるな」

豊久「丸太は……ないか」

寅「丸太?そんなもんでなにするんだよ」

豊久「突貫には丸太が一番効果的ぞ」

寅「…………」

豊久「仕方ない。蹴破るか」

寅「俺も常々自分はガサツだと思ってたがお前には負ける」

豊久「おうよ!薩摩武士に負けはないぞ!」

寅「そうじゃねーよ……。まぁいい。蹴破るなら、俺がやる」
ドゴオォォ!

豊久「おお、見事。お見事!」

寅「ふんっ。出迎えだぞ」

木偶人形【……】
木偶人形【……】
木偶人形【……】

豊久「ほー、アレが木偶人形か!」

白フード「……」
サッ

寅「あ!!」

豊久「なんじゃ?」

寅「豊。もしかしたら、ここは当たりかもしれねーぞ」

豊久「ふむ。当たりはずれはよくわからんが、敵の首を斬ればええんじゃろ?」

寅「そういうことだ」

豊久「なら、任せい!駆けるっっ!」
ダッ!

寅「……自分よりイノシシな奴をみるとこんなにも冷静になれるんだな」

豊久「オラァァァァ!!」

斬ッ!!

豊久の一振りで木偶人形三体の首が飛ぶ。

寅「本当に首を刎ねやがった……。おい、豊!そいつらは首を刎ねても動くぞ!」

豊久「ほう。」

木偶人形【……】
木偶人形【……】
木偶人形【……】

豊久「かかっ。面白か敵じゃ!!」
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