ｰ新宿:茶屋小鳥遊堂ｰ

寅「……」

シオン「……」

悠「……空気が重い」

シオン「枕が動くんじゃない」

悠「枕じゃないよー」

寅「……」

悠「そういや、寅……お前今日鍛錬とかは?」

寅「休みだ。雲山はいつでも動けるように体力を温存しとけとよ」

悠「なるほど……。っで、なんでうちにいるの?」

寅「やることがねぇ。それとここにいれば一番早く連絡が入るだろ」

悠「そうだろうけど、昨日の今日ですぐには……」

想「悠くん、いらっしゃいますか!小規模ですが木偶人形の……」

シオン「ん?」

想「あっ……お、お邪魔しました!」

悠「お邪魔じゃないですから!ほら、シオンも起きて!」

シオン「チッ」

悠「そ、それで木偶がどうしたんです?」

想「はい、町で木偶人形の一団が暴れているという報告が入っているのです」

悠「なんだって!」

寅「その木偶達は暴れてるって具体的には?」

想「近くにあるものを壊したりしています。幸いといいますか、建物などを壊しているので人的被害は出ていません。」

悠「どういうこっちゃ…」

寅「風魔が遊んでるんだろ」

悠「ど迷惑だ。想さん、おれ達も動きますよ」

想「お願いします。木偶人形の一団は町はずれの神社近くです」

悠「よし、寅」

寅「ふんっ。時間つぶしにはなるかな」

シオン「どれ、私もついていってやる。」

悠「シオンも?」

シオン「ようやく枕が馴染んできたのに邪魔をされたからな」

悠「枕て……」

寅「ふん、行くぞ」




ｰ大江戸学園:町はずれの神社ｰ

木偶人形【……】
木偶人形【……】
木偶人形【……】

同心「くっ……」

悠「おーい」

同心「あ、小鳥遊殿」

悠「想さんから連絡は受けてる。アレか」

同心「そうなんです。あいつら固いうえに人間じゃないのでひるまなくて……」

寅「退いてろ」

シオン「くくっ、人間じゃないならどんな風に壊してもいいわけだ」

悠「あーあー、やる気満々だこって……アレの処理はあそこの二人で大丈夫だから他のところに手をまわしてくれ」

同心「わかりました。では、ご武運を!」

悠「はいはーい。さて、おれも……」

寅「死ねっ!」
バギッ!
木偶人形【……】

シオン「あはははっ!」
斬ッ!
木偶人形【……】

悠「……もう済んでるし」

寅「歯ごたえ……殴りごたえがねぇな」

シオン「機械というのは無粋だ。輪月殺法を使うまでもない」

悠「木偶人形に輪月殺法は効果ないんじゃないかな…」