ｰ新宿:茶屋小鳥遊堂ｰ

悠「ふぁぁあぁぁ……」

由真「ずいぶんと暇そうね。」

悠「……ぁぁぁあああぁふぁっ。」

由真「……」

悠「ああ、由真」

由真「ひとが話しかけてるのにあくびをつづけるんじゃないわよ!」

悠「一度始まったあくびは止められない」

由真「いや、止めなさいよ」

悠「やりきるのが気持ちいいだろ。あくびって」

由真「だとしても!人と話すときはやめなさいよ!マナーでしょ」

悠「お前は?」

由真「は?」

悠「ユマー」

由真「……」
ブォッ!
バッ!
悠「危ない!何をする!」

由真「腹立ったから蹴ろうとしたのよ」

悠「やめてよ。か弱いんだから」

由真「やかましい!」

悠「えぇ、理不尽」

由真「こっちのセリフだわ!」

悠「それでなんか用事か?」

由真「はぁ……最近休みがちだったでしょ」

悠「色々あってな。」

由真「そんなんで店やっていけるの?」

悠「……悲しいことにな、開けてない方が売り上げが良かったりする」

由真「は?」

悠「休んでる間、よく食う男どもが飯を食っていってたんだが、ちゃんと金は払われてたから普段より売り上げが良かったという悲しいお話」

由真「それ、茶屋としてどうなのよ…」

悠「おれもそう思う…」

由真「まぁ、いいわ。今日は店開けるんでしょ?」

悠「四日ぐらいはまともに開けれそうだ」

由真「なんで期間限定なのよ…」

悠「面倒事が詰まってるんでね。」

由真「……手伝ってあげようか?」

悠「あん?」

由真「いや、なんか困ってるんだったら手伝ってあげなくもないけど」

悠「いや、大丈夫だ」

由真「即答?!で、でも、なんかあるでしょ!」

悠「しいていうなら……」

由真「しいて言うなら?」

悠「茶葉が切れてるから買ってきてほしい?」

由真「ぶっ飛ばすわよ」

悠「なんかあるだろって聞いたのはそっちなのに?!」

唯「由真姉～、なに大きい声出してるの」

悠「オッス、唯ちゃん」

唯「こんにちは、悠さん♪」

由真「こいつが大声出させてるのよ!」

悠「えぇー……おれが悪いの?」

唯「なにがあったの?」

悠「いや、なんかして欲しいことないかって聞いてきたから。茶葉買ってきて欲しいって言ったらぶんなぐるって言われた」

唯「由真姉…」

由真「わ、私は悪くないわよ!」

唯「もー、じゃあ、悠さん。茶葉ボクと買に行こう」

悠「うん。……うん?いっしょに買に行くの?」

唯「茶葉いるんでしょ?」

悠「いるんだけど……あれ?まぁ、いいか。じゃあ行く?」

唯「うん!」

由真「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!それだったら私も行くわよ!」

唯「えー…」

由真「なんでえーなのよ!」