ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【2】

ー大江戸学園内ー

悠「それより、大通りにでるにはどっちにいけばいいんだろう?」

カートの少女「どっちかしらね」

悠「……君はどっからきた?」

カートの少女「むこう」

悠「そっちが大通りか?」

カートの少女「さぁ。大通りの感覚なんてひとそれぞれじゃない?」

悠「いや、まぁ、そりゃそうだけどな」

カートの少女「そりゃそうでしょ」

悠「……ひょっとしてからかってるか?」

カートの少女「ひょっとしなくてもからかってるけど」

そういって彼女はクスクスと笑った。

悠「お前、狐とか揺光の仲間じゃないよな?」

その笑みが妖しくて化かされてるんじゃないかって気になる。

カートの少女「だったらどうする?」

悠「……」

カートの少女「ばくーん!!」

悠「うわっ!?」

カートの少女「あはははは」

悠「な、なんだよ」

カートの少女「頭からぱくりと食べたの」

悠「……マミられたのか」

行動がエキセントリック過ぎてどう接したらいいのか分からない。

カートの少女「うふふ。この道は左右のどちらに進んでも大きな通りに出るわよ」

悠「本当にか?」

カートの少女「ただし。どちらかは危険が待ってる」

悠「あー危険だぁ?」

カートの少女「そう。どちらを選ぶかはあなたしだい」

悠「そこまでいうなら、どっちが危ないのか教えてくれないのか?」

カートの少女「い・や・よ・♪うふふ。」

クスクス笑いを残して、カートの少女は細い路地に消えていってしまった。
カートの車輪の音が聞こえなくなるとおれはぽつんと取り残されてしまった。

悠「……仕方ないか。」

おれは観念して右の道を選んで歩き始めた。






ー大江戸学園・とある境内ー

天狗党員D「ぐ、ぐはっ…」

低いうめき声をあげて崩れ落ちる天狗面の男。
見れば辺りには天狗面をつけた男たちが他にも数名倒れて呻いていた。

新「待ち伏せして襲うだなんて相変わらず卑怯だな、けど君たちが何人かかって来たってあたしには勝てないよ♪」

倒した天狗党を見下ろして刀を鞘に戻したのは徳田新であった。

天狗党員D「ぐっ……確かにお前は強い」

新「でしょでしょ?」

天狗党員D「だが……もうひとりの男はどうかな?」

新「えっ!?まさか悠っ!?」

新の表情が変わる。

天狗党員D「お前の仲間の悠とかいう男のもとにも我らの刺客が向かっている。今ごろはどうなっているかな?」

新「銀シャリ号!」

新は銀シャリ号に飛び乗ると一目散に駆け出した。

天狗党員D「くくくくっ…はははは!!」
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