ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【2】

ー久秀の工場:試験場二階ー

吉音「お金なら悠!」

悠「……」
むにっ……ぎゅーーー!
吉音「いひゃい?!いひゃいひょ!ひゃんてほっへふぁひっふぁるの?!」

悠「おれがお金持っているというその幻想をぶっ壊す」
ぎゅーー!
吉音「ひーん!」

摩耶「こういったらなんだけど、緊急事態っていうか学園の危機に当たるんだし、奉行所の方でどうにかできないの?」

想「難しいところですね。」

朱金「正直に言うと奉行所も今金がないんだよ」

摩耶「そうなんだ」

雷太郎「金に関しては」

風太郎「俺たちも無理」

悠「一番金ため込んでそうなのは越後屋ぐらいだろ」

久秀「ダメなのよねぇ。山吹ちゃんにはもう援助受けてるし」

悠「マジか」

久秀「伊都ちゃんはお金払えば何でもしてくれるけど、逆にお金は絶対貸してくれないし」

悠「……え、久秀って山吹さんと伊都さんとそんな仲良かったっけ?」

久秀「悪党仲間よ」

寅「確かに悪党だな」

久秀「ということで、特効兵器の期待はしないでちょうだい」

寅「つまり、結局は個々の力でなぎ倒せってことか」

久秀「久秀が最大限にできるサポートはしてあげたじゃない。」

想「確かに、弱点である部分が分かったのは大きいですね。」

朱金「なぁに、オレとハナサカのコンビなら何百体と倒してやらぁ!」

悠「ハナサカのフィールドをほかのメンツに使えばさらに戦力アップできるしな」

雷太郎「あんな」

風太郎「身体に」

「「悪そうなのを受けたくない」」

悠「命ガンガン削る鬼状態使うお前らが何言ってんだ…」

雲山「連投が危険なだけで、人間そうそう簡単にくたばりませんよ。父なんて健康診断でなにひとつ悪いところ有りませんでしたし」

悠「それはあのおっさんが特別なだけだと思う。っか、そういう意味だったら十神将全体」

雲山「飛び抜けて鳳さんは特別ですけどね。私が子供の頃に会った時と見た目が髪型以外変わってないという……」

悠「やめろよ。怖いじゃないか…」

灯「アンチエイジングってすごいんですね。」

悠「そういうレベルじゃないと思う」

久秀「さて、それじゃあ他に対木偶戦闘用に自動人形と戦いたい人は?」

朱金「おーじゃあ、ちょっとやらせろよ」

吉音「あたしもやるー!」

雲山「じやあ、私も失礼して」

久秀「じやあ、その三人下に降りて次のオートマタを出すから」

灯「……想さん」

想「はい?」

灯「次の作戦はいつ実行する予定ですか?」

想「そうですね。色々なことを含めて最速で四日後でしょうか。ただし、それはこちらが動けるようになる日取りであって、まず敵の居場所の特定が問題なのですが……」

灯「ですね。私の方でも全力を出すのでいつでも動けるようにおねがいします」

想「それはもちろん、任せてください」

灯「……申し訳ありません」

想「なにがですか?」

灯「元を辿ればすべては猿渡家の問題。それを大江戸学園まで持ち込むことになってしまって……」

想「そんな気にやまないでください。」

悠「そうそう。こういう場合はな、全部エヴァが原因にしとけばいいんだよ。あいつが妙なことしなかったら九頭竜天もこの学園に来なかっただろうし、そうなったら風魔ってやつもスカウトされなかったかもしれない。だから、別に灯がどうこうの問題じゃねーよ」

寅「お前にしては気の利いたことが言えてるな」

悠「おれにしてはは余計だよ」
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