ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【2】

ー久秀の工場:試験場二階ー

寅「そけでこの木偶……」

久秀「自動人形(オートマタ)」

寅「……オートマタを見せたいがだけに連れてきたのか?」

久秀「そんなわけないでしょ。何のためにオートマタたちを作ってると思ってるの」

朱金「わかったぜ。この人形で敵の人形を倒すんだろ!」

久秀「同程度の戦闘能力しかないのに同じものをぶつけたって数で圧倒されるでしょ。馬鹿ねぇ」

朱金「なんだとー!!」

悠「落ち着けって」

吉音「それじゃあ何するの?」

久秀「この自動人形は木偶人形と寸分変わらないのよ?」

摩耶「ああ、なるほど」

灯「そういうことですか」

寅「どういうことだよ?」

雲山「今まではとりあえず破壊することだけをやっていましたが、このオートマタを調べればどこを壊せば確実に動きを停止させられるかを調べられる。」

久秀「そうよ。しかも、ちゃんと動くから練習台にはもってこいでしょ」

雷太郎「そんなこと」

風太郎「必要なのか?」

雲山「やはり、一撃で確実に倒せるというアドバンテージは大きいでしょう」

久秀「とりあえず、動かしてみるから何人か下に降りてみて」

悠「じゃあ、おれは見学で……」

寅「行くぞ」
ガシッ、ずるる…
悠「あーれー……」

灯「私も一度オートマタがどんなものなのか試させてもらいますね。」

久秀「どうぞ。それじゃあ、まずはその三人ね。」

朱金「オレ達は見学かよ」

想「遠山さんはまだ木偶人形と戦ったことはありませんし見学しておいてそんはないと思いますよ」

朱金「そんなもんかなぁ…」



ー久秀の工場:試験場一階ー

寅「ふんっ」
ドサッ!
悠「痛い!投げるなよ!」

寅「……」

悠「無視だし…」

灯「あはは」

久秀『あーあー聞こえる?』

悠「おう聞こえるぞ」

久秀「各人に一体ずつ出すわ。とりあえずまずは肩慣らしに闘いなさい」

自動人形【……】
自動人形【……】
自動人形【……】

悠「あーあ……店開ける予定だったのになぁ」

寅「グダグダいうな。」

灯「来ますよ」

自動人形【……】
ジャキンッ!ビュバッ!
悠「うおっと!」

寅「武器付きなのもそのままかよっ!」

ハイキックで自動人形の頭部を蹴り飛ばす。人間ならばノックアウトだっただろうが、自動人形は首が曲がったまま行動し続ける。

灯「よっ、ほっ…」

自動人形【……】

灯はあえて攻撃せず観察するように自動人形の周りで動き続ける。

寅「そういやぁ、よっ。あいつの、戦い方って、どうなんだっ!」

的確に木偶人形にカウンターを決めていく寅の問いに……。

悠「さぁ、知らんけどっ!お前の方が!鍛錬してもらってるから知ってるんじゃないのっ!」

顔、腹部と人間相手ならダメージが確実に通る部位を殴るが自動人形は止まらない。やはり、機械相手に闘うのはやりずらい……。
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