ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【2】

ー大江戸学園:海岸近く工場ー

悠「結構歩いたなぁ」

吉音「みんなも馬持ってたらいいのに」

銀シャリ号『ひひーん!』

寅「馬なんか普通の人間が持てると思うなよ。」

雷太郎「そもそも乗るのに」

風太郎「慣れがいるだろう」

吉音「そうなの?私はすぐに乗れたけど」

久秀「乗るのは上手でしょ。今は悠に乗ってるくらいだし」

悠「おいっ!」

摩耶「否定は?」

悠「いや、まぁ……どこに向かってるんだっけ?」

雲山「話のそらし方、下手だな」

灯「口先のペテン師って聞いてたのに」

悠「誰が口先のペテン師だ!」

摩耶「悠くんの口の上手さはこういうときには発揮されないんだよ。一番発揮されるのはひとを小ばかにするときだし」

雷太郎「性質が悪い」

風太郎「突き落とそう」

悠「なんでだよ!」

想「あはは…」

朱金「それでよう、いつまで歩かせるんだ」

久秀「ついたわ。ここよ」

悠「工場?」

久秀「久秀の工場よ。」

悠「ああ、花火の」

久秀「そうよ。外面はね」

悠「は?」

久秀「とりあえず中に入るわよ」



ー久秀の工場内ー

寅「なんだこりゃ?」

想「花火を作っている……わけじゃなさそうですね。」

朱金「っか、なんだこの熱気……」

久秀「ここにあるのは全部演算装置よ」

吉音「えんざんそーち?」

悠「すっげえ簡単に言えば計算機だ」

吉音「ええ、計算機ってこんなに機械がいるの?!」

悠「いや、簡単な計算にはこんなにいらないよ、そりゃ……」

摩耶「スパコン(スーパーコンピューター)でもおいてあるの?」

久秀「似たようなものね。ここは暑くて話にならないからこっちに来て。見せたいものはこっちにあるし」

悠「いったい何を見せてくれるんだ……」

久秀「アレよ」

赤い木偶人形【……】
白い木偶人形【……】
黒い木偶人形【……】

寅「木偶人形!」

久秀「回収したものをコツコツと組み上げて改良したもの。だから、木偶人形なんて呼ばないで欲しいわね。あえて言うなら……オートマータ(自動人形)」

想「三体だけですか?」

久秀「あの三体は久秀特製カスタムよ。木偶人形をそのままいじったものは別途で用意してあるわ」

悠「何体?」

久秀「今はざっと500体」

朱金「500体も?!」

久秀「うふふ。だって、簡単に作れちゃうんだもん。増産施設のベース(基本)は見てきたから。場所とお金さえあれば同じように無限増産も可能よ」

寅「おいおい、こいつ敵じゃないか?」

久秀「久秀は久秀だけの味方だから、敵って言っても間違いではないわね。クスクス」
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