ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕【2】

ー新宿:茶屋小鳥遊堂ー

悠「ふあぁぁ……あー、朝かぁぁ」

久秀「おはよう」

悠「おー、久秀。随分と早いな」

久秀「まぁね。他の連中は?」

悠「摩耶ならいるけどまだ寝てるよ」

久秀「あら、昨晩はお楽しみで?」

悠「邪推はやめろ。帰りの船がなかったから泊まっていっただけだ」

久秀「泊まっていっただけねぇ…」

悠「何もなかったよ!!」

久秀「別に何も言ってないじゃない」

悠「何か言いたそうな顔してるが」

久秀「生まれつきこの顔よ。」

悠「……」

久秀「ところで今日の予定は?」

悠「ここ数日吉音の手伝いしてたし、今日はちゃんと茶屋をやろうかと思ってる」

久秀「……へっ」

悠「今何で鼻で笑った!」

久秀「いやぁ、今更茶屋ってねぇ」

悠「今更も何もここは茶屋ですけど?!」

久秀「集会場か何かでしょ」

悠「なんでやねん」

摩耶「おはよう」

久秀「あら、おはよう。昨晩はお楽しみだった?」

悠「やめい」

摩耶「うん、まぁ、お楽しみだったかな。」

悠「摩耶さん?!」

摩耶「吉音ちゃんがジャーに残ったご飯を結局食べきって帰ったところなんて面白かったよ」

悠「あぁ……それか」

久秀「あの子はいったいどういう食生活してるのホント?」

悠「普通にフードファイターになれる食生活かな」

摩耶「ゆえちゃんもイケるよね。」

悠「おれも喰うより飲むだったら平気なんだけどな。水でも五ガロン位ならいっき飲みできる。」

久秀「大道芸人にでなったら?」

悠「水飲み男ってか?」

摩耶「蕩し男?」

悠「いってないなー」

久秀「……へっ」

悠「だから何で鼻で笑う!」

久秀「あぁ、気にしないで。小馬鹿にしてるだけだから」

悠「今のひと言で気にせざるえなくなった」

久秀「小さいことを気にしないのが悠の数少ないいいところでしょ」

悠「いいところは沢山あるでしょ!」

久秀「……」

悠「黙るなよ」

摩耶「えーと、お金に汚くない」

久秀「だけど商才がない」

摩耶「優しい」

久秀「女子限定かつ下心があるって意味で」

摩耶「あとは……うーん……」

悠「ちょっと待って何か目から汁が……」

久秀「膿み?」

悠「目から出てたまるか!」

摩耶「まさか、精……」

悠「だから目からは出ないよ!!」

久秀「あり得ない事もないわね……悠だし。」

悠「おれはバケモノかなんかか…」

摩耶「あはは」

久秀「ふふっ」

悠「いや、笑ってすまさないで……」
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