ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【2】
ー???ー
新「ねぇ、ミッキーなら出来るでしょ?」
光姫「お前はいつも都合のいいときだけわしを頼るな」
新「ごめん。でもこれが最後のお願いだから」
光姫「こないだ食事の代金が足りないときも同じことをいっておったが?」
新「あうう、意地悪いわないでよぉ」
光姫「ふふ。まぁいい。お前にいわれずとも何かしらの手は打たねばならんと思っておったしな。」
新「わぁ!ありがとう、ミッキー♪」
光姫「調子のいい奴じゃ」
新「あのね。金ちゃんが天狗党のことを調べたいんだけど邪魔されるんだっていってたんだ」
光姫「じゃろうな。そのやんごとないとかいう天狗党の首領は徳河家の者だからな。」
新「ああ、やっぱりそうなんだね」
光姫「天狗御前の正体は徳河武俊(とくがわたけとし)。創雲翁の三男の筋に当たる家系の出で、学園では甲級三年に在学中じゃ。特に武術に優れた男で入学当初こそエリートコースに乗っておったが……短慮の上に素行も悪くてな、幾度も暴行事件を起こして、今や出世の道は完全に閉ざされておる。おそらくその逆恨みから天狗党などと称して悪さをしておるのじゃろう」
新「ふうん」
光姫「そういえば、お前、武俊の顔を覚えていないのか?正月に何度か顔を合わせているはずじゃが」
新「ううん、全然覚えてない」
光姫「本当にお前はひとの顔を覚えんのぉ」
新「あははは…」
光姫「まぁ、徳河からやっかい者をつまみ出すいい機会じゃろ。堀を埋めるぐらいならしてやろう」
新「ありがとう、ミッキー」
光姫「そもそもお前が「こっち」に帰ってくれば、こんなまどろっこしいまねをしなくてもすむのじゃが」
新「う……それとこれとは別だよぉ」
光姫「…………」
ー大江戸学園内ー
悠「ふーむ……まいったなぁ。」
この角を曲がれば見えるはずの景色がそこになかった。
見慣れた大通りに出るはずが見覚えのない寂しい道に出てしまった。
三人組や笠の少女に袖にされたおれはちょっと自棄になって店を休みにして辺りを散歩することにしたのだ。薄暗くなってきたからそろそろ戻ろうと思ったのだが、どうやら道に迷ったらしい。
同じ道でも辺りが暗くなると印象がガラッとかわってしまう。こんなことな、まっすぐ帰ってればよかったかもしれない。
ぼやいていても後の祭り。とにかく人通りのあるところに出て、誰かに道を聞こう。
そう思ってるとカラカラと車輪の音が近づいてくるのを感じた。
「何をしているの?」
悠「あー?」
薄闇の中から現れたのはカートを引いた、随分とひらひらとした格好の女の子だった。
悠「何をしているかっか、道に迷ってる」
カートの少女「あら、それは面白いわ」
悠「いや、迷ってる本人はあんまり面白くないんだけど」
カートの少女「されはあなたの都合。あなたがどうであろうとわたくしが面白いと思うのは勝手。」
何だかおかしな雰囲気の子だ。
新「ねぇ、ミッキーなら出来るでしょ?」
光姫「お前はいつも都合のいいときだけわしを頼るな」
新「ごめん。でもこれが最後のお願いだから」
光姫「こないだ食事の代金が足りないときも同じことをいっておったが?」
新「あうう、意地悪いわないでよぉ」
光姫「ふふ。まぁいい。お前にいわれずとも何かしらの手は打たねばならんと思っておったしな。」
新「わぁ!ありがとう、ミッキー♪」
光姫「調子のいい奴じゃ」
新「あのね。金ちゃんが天狗党のことを調べたいんだけど邪魔されるんだっていってたんだ」
光姫「じゃろうな。そのやんごとないとかいう天狗党の首領は徳河家の者だからな。」
新「ああ、やっぱりそうなんだね」
光姫「天狗御前の正体は徳河武俊(とくがわたけとし)。創雲翁の三男の筋に当たる家系の出で、学園では甲級三年に在学中じゃ。特に武術に優れた男で入学当初こそエリートコースに乗っておったが……短慮の上に素行も悪くてな、幾度も暴行事件を起こして、今や出世の道は完全に閉ざされておる。おそらくその逆恨みから天狗党などと称して悪さをしておるのじゃろう」
新「ふうん」
光姫「そういえば、お前、武俊の顔を覚えていないのか?正月に何度か顔を合わせているはずじゃが」
新「ううん、全然覚えてない」
光姫「本当にお前はひとの顔を覚えんのぉ」
新「あははは…」
光姫「まぁ、徳河からやっかい者をつまみ出すいい機会じゃろ。堀を埋めるぐらいならしてやろう」
新「ありがとう、ミッキー」
光姫「そもそもお前が「こっち」に帰ってくれば、こんなまどろっこしいまねをしなくてもすむのじゃが」
新「う……それとこれとは別だよぉ」
光姫「…………」
ー大江戸学園内ー
悠「ふーむ……まいったなぁ。」
この角を曲がれば見えるはずの景色がそこになかった。
見慣れた大通りに出るはずが見覚えのない寂しい道に出てしまった。
三人組や笠の少女に袖にされたおれはちょっと自棄になって店を休みにして辺りを散歩することにしたのだ。薄暗くなってきたからそろそろ戻ろうと思ったのだが、どうやら道に迷ったらしい。
同じ道でも辺りが暗くなると印象がガラッとかわってしまう。こんなことな、まっすぐ帰ってればよかったかもしれない。
ぼやいていても後の祭り。とにかく人通りのあるところに出て、誰かに道を聞こう。
そう思ってるとカラカラと車輪の音が近づいてくるのを感じた。
「何をしているの?」
悠「あー?」
薄闇の中から現れたのはカートを引いた、随分とひらひらとした格好の女の子だった。
悠「何をしているかっか、道に迷ってる」
カートの少女「あら、それは面白いわ」
悠「いや、迷ってる本人はあんまり面白くないんだけど」
カートの少女「されはあなたの都合。あなたがどうであろうとわたくしが面白いと思うのは勝手。」
何だかおかしな雰囲気の子だ。