ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました弐幕

ー大江戸学園:旧工場施設・弐ー

寅「オラァ!」

木偶人形【……】

襲い来る木偶人形を殴り飛ばす寅。

雷太郎「はぁ!」
風太郎「はぁ!」

降り注ぐ木偶人形をはじき返す風雷コンビ。

魁人「いやぁ……見事に罠にはまってしまいましたね。」

閉じた鉄格子を力づくでこじ開けようと奮闘する魁人。

かれら四人も旧工業施設に侵入は成功したが奥へ進んでいくとある部屋に閉じ込められた。そこからは……無数に投入される木偶人形。

寅「クソ……めんどくせぇ。倒しても倒してもキリがねぇし!」

雷太郎「黙って」
風太郎「壊せ!」

寅「分かってるよ!」

魁人「待ってください。結構……硬い」

僅かずつではあるが鉄格子の枠が広がっていく。

雷太郎「問題ない」

風太郎「このまま」

「「押し切る!」」

寅「こっちがこうだと向こうもめんどくさいことになってそうだな……。」

魁人「ですね。とっととここを脱出して向こうの援護に行きましょう。」



ー大江戸学園:旧工場施設ー

雲山「ふんっ……らあぁぁぁぁっ!」

ハンマー投げをするように木偶人形の足を掴んで振りまわす。木偶人形が木偶人形にぶつかり砕ける。人間だったら既に何十人もの死者が出ているだろう。

久秀「調子は上々だけど、ほんとキリが無いわね。」

ダンジョー『ジョー…』

雲山「それでもいつかは終わりが来る。無限なんてものは、ない!」

久秀「いや、材料さえあれば無限に作れるから…」

雲山「はぁぁっ!」

確かに勢いこそは衰えるどころか増していっている。しかし、どうも動きが引っかかる。

久秀から見ている雲山はその場から左右に動きはするが前後への動きが極端に鈍いのだ。彼の能力なら縦横無尽に動き回ることも出来そうなものなのに……。

風魔「ククッ、後ろの女を護り続けながらいつまでもつかな」

久秀「ああ、そういうこと。律儀に久秀を護っているのね。」

雲山「護り、それでも勝つ。鬼は強欲なんだ」

真っ二つにへし折れた木偶人形を風魔目がけ投げ飛ばす。

風魔「ククッ」

風魔は軽く笑い腕を振る。鋭利な刃物で断ったように木偶人形が真っ二つになる。どうやらあの腕自体に何かしらの仕掛けがあるらしい。

久秀「……仕方ないわね。ダンジョー」

ダンジョー『ジョー!』

ボッと小さな爆発とともにダンジョーが跳ねた。ロケットのような突進で木偶人形をなぎ倒す。

雲山「むっ?!」

久秀「見ていたらいつまで経っても終わりそうにないし久秀も手伝ってあげるわ。」

雲山「しかし、火薬は……」

久秀「ダンジョー自体にいくつかストックがあるの。さぁ、自分の身は自分で守るからとっととあの不気味な忍者を取り押さえて」

雲山「……感謝する!」

力一杯に木偶人形を投げつけて雲山は前進する。

風魔「ほう……鬼が来る、か。ククッ」
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