―悠の家前―

「すっかり遅くなったな・・」

何だかんだですでに時間は10時前になっている。

「っ痛てて、摩耶の奴本気で打ち込みやがって・・」

俺は両肩を回しながら郵便箱を開け、こなたに頼んだ荷物を取り玄関に向かうと

「・・・誰だ？」

人影が見える。

「あ、やっと帰って来た！」

「千草？それに亮と・・・？」

玄関の前には千草に亮それと女の子が居る。

「どうした？こんな時間に雁首揃えてそれに誰だその子？お前等の子供か？」

「俺の妹だ」

亮が突っ込み抜きで答える
「へぇ・・・ええ！亮、妹いたのか！？」

「ああ、言ってなかったな妹の」

「岡崎月美(おかざきつきみ)です。初めましてたかなしさん」

自己紹介をしてくれるが少し舌足らずな喋り方だ。

「初めまして、小鳥遊は呼びにくいだろうから悠でいいよ、月美ちゃん」

「わかりました、ゆうお兄ちゃん」

「うぉ・・・(萌える)」

笑顔でお兄ちゃんって言われるとクラッと来てしまった。

「はい、そこ犯罪に走らないように」

千草が俺を見ながら言う。
「な、何を言うか、それよりとりあえず中に入れよ。用事があって来たんだろ？」

俺は玄関を開けて皆を中に入れる。


ー大広間ー

「ほいよ」

俺は各自の前に飲み物を置きソファーに座り

「っでどうしたんだ？」

用件を聞く。

「あのな・・・」

亮は何処か申し訳なさそうにに口を開く

「暫くの間泊めてくれないか悠？」

「・・・どう言う事だ？」

「あのね、亮の親御さん二人とも仕事で春休みの間家に居ないんだって、それで亮と月美ちゃん二人きりになるんだけど・・・」

千草がそこまで説明する

「なるほど、亮は兎も角もし月美ちゃんが一人になる場合が有ると困るから俺の家に泊まりたいって訳だな？」

「はい・・・」

月美ちゃんが小さく返事をする。

「悠の家をホテルみたいな扱いして悪いと思ってるがそこを頼みたいんだ・・・」

亮は頭を下げる。

「・・・たく、亮俺はガッカリしたぞ。」

俺は机に足を投げ出し顔を伏せる。

「悠！」

千草が立ち上がる。

「亮、俺はお前の親友だぞ、つまらん事で頭を下げるなよ。」

俺は顔を上げて笑顔で答える。

「悠・・・ありがとう。」

「ゆうお兄ちゃんありがとう！」

亮と月美ちゃんが笑顔になりお礼を言って来る。

「いいよ。それに亮の修行も楽に出来るしな」

「よろしく頼む。」

「良かったね亮、月美ちゃん。悠月美ちゃんに何かしたら殺るからね」
やや目がマジで千草が此方を見てくる。

「月美ちゃんあんなのが亮の彼女でいいのか？」

「ちぐさお姉ちゃんは優しい人ですから大丈夫ですよ」

「・・・可哀想に騙されて」

俺はオーバーな泣き真似をする

「どー言ういみよ！」

「冗談はさておき、部屋に案内するよ」

俺は千草をスルーして部屋に案内する。