ー夏休み編ー命を燃やせ、今がその時だ
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落ちてくるものを亮は受け止めた。優しく、落とさぬようにしっかりとその両腕で受け止めた。その顔は悔しさを浮かべている。唇がキレるほど歯を立てている。
「チクショウ……チクショウッ…!!」
ワンテンポ空いて悪魔が着地した。その眼が狙っているのは亮の足だ。
「まずはさんざん俺を蹴りまくった。その足から奪う」
最小限のモーションで鎌のように鋭い蹴りを亮へと見舞った。バギリ゛ッと完全に砕けた骨折音と飛び散る血潮。亮は激痛みを恐怖を敗北を覚悟して眼を閉じていたが……来ない。
「……!?」
「ぐ……おっ……」
眼を開くと足首が百度以上にひん曲がっていた。悪魔の足首がだ……。
「もう、ひとり……居るの忘れてんじゃなねぇ、よ。」
ところどころ焦げた服、千切れたはずなのに無理矢理編み直した前髪のオサゲを揺らし大きく湾曲した紅色のバットを杖代わりにした男に悪魔は顔じゅうに血管が浮き上がらせて激怒の表情を向けた。
「キッサ…マッ…クレナイィィィィッ!!!」
「へへっ、これでやられた分は返したぜ」
悪魔は顔を伏せて、すぐに振りあげる。激怒の表情が一変し睨みの利く冷な顔でいった。折れた脚は膝から曲げて片足立ちだが微動だにせず立っている。
「……返した?……ナメんな。たかが片足。」
それを聞き終えて紅は笑ってバットを捨てる。まるで役目を終えるのを待っていたかのように砕け散って鉄クズと化し、紅も全身から血を吹きだした。支えを失って落ちていく。
「…………だよな……アンタにやられた俺だけど、たかだか脚一本奪った衝撃で……このザマか。悔しい……ぜ。」
「あっ……くれな……ぐっ!!ああああああっ!」
笑いながら地に伏せる紅。それを横目に亮は千夜を置いて悪魔へと走り出した。全身全霊全血全肉のすべてを込めた最後の突撃。
「屍の頂点に立つのが勝利!?違うだろッ!!仲間捨ててまでたかが「勝つため」にッ自分の大切なモンを捨ててまでッ!!なんのために闘うんだよッ!!最後に立ってた奴じゃなく、笑えてた奴が勝者だろっ!!!」
『おめでとう、オカザキリョウ。「ただの人間」が「英雄」となった。伝播実験(プロバケイション・エクスペリエント)プロジェクト「AAA(ノーネーム)」完成だ。』
頼む俺の身体、鍵「AAA」!!「扉」よ!!全て開けッ!!!俺の命をッッ……力にかえろッッッ!!
「紅、千夜、悠、みんなッ!!俺の――ッ」
命を燃やせ、いまがその時だ!!!
ダンッ……悪魔の前で英雄が止まった。いや、止まったんじゃない、終わったのだ。悪魔の腹部の中央に亮の拳が深々と刺さって大きなへこみが出来て、そこからメキメキとヒビが発生して割れていく。まるで十字架のように……。
悪魔は……呟いた。
「なんでだ」
英雄は……笑った。
「思いだした。アイツはこういう時笑うんだ。」
だってよォ亮
「一番……苦しい時こそアイツは笑うんだ。」
死ぬほど辛えって認めちまったら、そこが自分の限界になっちまうだろ。
「自分の限界を自分で決めんな!!」
「……ってよ…へ……幻聴まで…聞こえてらぁ……」
おれは千夜を紅の側に降ろしていった。
「カッコいいぜ英雄(ヒーロー)、悪魔なんか蹴散らせ!!」
おれも紅も千夜も拳を突きあげた。亮は拳を引き抜いて「礼」のポーズをとって叫んだ。
「羅漢流真打正拳突き!!!」
「このッ俺をッ…悪魔の名を持つこの俺をッ……オイッ…ガキッ!!なぁめぇるなぁあッ!!!!」
砕け裂けていく肉体を顧みず悪魔はまだ腕を振り上げる。しかし、英雄は悪魔に背を向けて穏やかにいった。
「俺は…弱いからさなめるなんてそんな余裕……ないよ。それでも、俺の弱さを克服させたのはアンタだ」
「がはあぁぁぁぁっ!!」
十字の烙印が完全に開いて悪魔は振り上げた手を放つことなく血しぶきをまき散らしながら倒れた。
「チクショウ……チクショウッ…!!」
ワンテンポ空いて悪魔が着地した。その眼が狙っているのは亮の足だ。
「まずはさんざん俺を蹴りまくった。その足から奪う」
最小限のモーションで鎌のように鋭い蹴りを亮へと見舞った。バギリ゛ッと完全に砕けた骨折音と飛び散る血潮。亮は激痛みを恐怖を敗北を覚悟して眼を閉じていたが……来ない。
「……!?」
「ぐ……おっ……」
眼を開くと足首が百度以上にひん曲がっていた。悪魔の足首がだ……。
「もう、ひとり……居るの忘れてんじゃなねぇ、よ。」
ところどころ焦げた服、千切れたはずなのに無理矢理編み直した前髪のオサゲを揺らし大きく湾曲した紅色のバットを杖代わりにした男に悪魔は顔じゅうに血管が浮き上がらせて激怒の表情を向けた。
「キッサ…マッ…クレナイィィィィッ!!!」
「へへっ、これでやられた分は返したぜ」
悪魔は顔を伏せて、すぐに振りあげる。激怒の表情が一変し睨みの利く冷な顔でいった。折れた脚は膝から曲げて片足立ちだが微動だにせず立っている。
「……返した?……ナメんな。たかが片足。」
それを聞き終えて紅は笑ってバットを捨てる。まるで役目を終えるのを待っていたかのように砕け散って鉄クズと化し、紅も全身から血を吹きだした。支えを失って落ちていく。
「…………だよな……アンタにやられた俺だけど、たかだか脚一本奪った衝撃で……このザマか。悔しい……ぜ。」
「あっ……くれな……ぐっ!!ああああああっ!」
笑いながら地に伏せる紅。それを横目に亮は千夜を置いて悪魔へと走り出した。全身全霊全血全肉のすべてを込めた最後の突撃。
「屍の頂点に立つのが勝利!?違うだろッ!!仲間捨ててまでたかが「勝つため」にッ自分の大切なモンを捨ててまでッ!!なんのために闘うんだよッ!!最後に立ってた奴じゃなく、笑えてた奴が勝者だろっ!!!」
『おめでとう、オカザキリョウ。「ただの人間」が「英雄」となった。伝播実験(プロバケイション・エクスペリエント)プロジェクト「AAA(ノーネーム)」完成だ。』
頼む俺の身体、鍵「AAA」!!「扉」よ!!全て開けッ!!!俺の命をッッ……力にかえろッッッ!!
「紅、千夜、悠、みんなッ!!俺の――ッ」
命を燃やせ、いまがその時だ!!!
ダンッ……悪魔の前で英雄が止まった。いや、止まったんじゃない、終わったのだ。悪魔の腹部の中央に亮の拳が深々と刺さって大きなへこみが出来て、そこからメキメキとヒビが発生して割れていく。まるで十字架のように……。
悪魔は……呟いた。
「なんでだ」
英雄は……笑った。
「思いだした。アイツはこういう時笑うんだ。」
だってよォ亮
「一番……苦しい時こそアイツは笑うんだ。」
死ぬほど辛えって認めちまったら、そこが自分の限界になっちまうだろ。
「自分の限界を自分で決めんな!!」
「……ってよ…へ……幻聴まで…聞こえてらぁ……」
おれは千夜を紅の側に降ろしていった。
「カッコいいぜ英雄(ヒーロー)、悪魔なんか蹴散らせ!!」
おれも紅も千夜も拳を突きあげた。亮は拳を引き抜いて「礼」のポーズをとって叫んだ。
「羅漢流真打正拳突き!!!」
「このッ俺をッ…悪魔の名を持つこの俺をッ……オイッ…ガキッ!!なぁめぇるなぁあッ!!!!」
砕け裂けていく肉体を顧みず悪魔はまだ腕を振り上げる。しかし、英雄は悪魔に背を向けて穏やかにいった。
「俺は…弱いからさなめるなんてそんな余裕……ないよ。それでも、俺の弱さを克服させたのはアンタだ」
「がはあぁぁぁぁっ!!」
十字の烙印が完全に開いて悪魔は振り上げた手を放つことなく血しぶきをまき散らしながら倒れた。