ー夏休み編ー命を燃やせ、今がその時だ
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データファイルに侵入したといえど厳重な扉(プロテクト)で閉ざされたランカーの「魂」には接続(アクセス)することは出来ない。ただし相手が鍵を開けて迎え入れてくれるならば――接続鍵「AAA」。その接続設定をしてくれる仲間(とも)ならば、その友の「魂」の力(データ)であらゆる姿にその身を変えるだろう。
【宮塚恭司】の振るう「ムチの動き」は硬化した皮膚を砕き、【秋宵月真桜】の「力動流し」は悪魔の「力」を彼のものに送り返す。さらに「命を捨てる」そのワードは心臓の鼓動をコントロールし鼓動の回数が全力疾走を遥かに超えた先に発動する千里眼とでも言うべき「読み」と「身体能力の限界を突破」。【百目鬼雲水】の「鬼状態」は柏の攻撃を正面から受け止めれるほどのエネルギーを生む。
全ての闘い方は友の魂が、かつて闘ったその喧嘩の記憶を時を距離を超えて亮に教えてくれる。
「カウンタ……俺の……力を利用して――ごッああがぁッ」
亮を蹴り飛ばした足から電流のように力の濁流が悪魔の身体をむしばんだ。
人が困難に惑うのは……その対処方法を知らないからだ。つまりその方法を誰かが亮に教えてくれるならば惑いは技術で克服できる。技術の未熟は経験で克服できる。
そして経験の不足は――先人たちが亮に――!!
「だからッテメェなんかにッ……!なにも持たないッ……友(ダチ)の一人もいねぇッ!!テメェなんかに絶ッテー負けねェッ!!」
吹き飛んでいた亮は空を舞って着地し、悪魔に突撃する。その後にはバタタタッと雨が走ったあとみたいに赤い液体が彩っている。突風の如き勢いの亮に声が響いた。
『けれど、本来……技術も経験を持たないキミがその力を発揮するためには……燃やせるものはひとつしかない。それはキミの命だ。』
ガタガタでボロボロな足場を縮地で駆け抜け悪魔の胸に背面からぶつかる。その場でトンボを切って踵で顎を打ちあげ着地する。振り向きざまにステップを刻みワン、ツーと細かにジャブをぶつけ、最後に腰を落として正拳突きを鳩尾に叩きこんだ。無敵の皮膚硬化による鎧も砕かれガードや回避が真に遭うべくもなく悪魔は一方的に殴り飛ばされた。
吹っ飛んでいく柏から眼を離さずに亮は叫んだ。自分の力で腕の骨が砕け、鬼状態の発動で全身の血管が裂け、限界を無視したアクロバティックな動きで下半身の腱が引き千切れる。眼から、鼻から、口から流れる赤い体液を撒き散らす。
「俺の命でコイツを倒せるならッ!!!お釣り多すぎて困るレベルだろッ!!!」
火の手がより一層広まるなか悪魔を追う。この目で地に伏せて動かなくなるのを確認しないままでは決してヤツを倒せたと言い切れないのだ。しかし、英雄(ヒーロー)はガクんっと膝を着いた、全身が震える息ぐるしい限界なんてものはとっくに超えているのだ。
そのとき、火の中で悪魔が立つのが見えた。ヤツはふり返りジロリと睨みつける。亮は息を飲む。まだ足りないのか、やはり倒せないのかと……。
「……ッ!!」
「本当に……やってらんねぇ。なんど同じことをさせりゃあ気がすむんだ…」
拳を握りしめて悪魔は燃えている機材を払いのけて亮へと向かって歩き出した。英雄も立ち上がるガクガクと震えながらもペッと血を吐き捨てて闘う意思とぶつけたのだ。柏が次の一歩を踏みこんだと同時ドタッ……っと、うつ伏せに倒れた。何が起こったのか分からず亮は構えたまま固まってしまう。
「……!?」
あまりにもこの男は強すぎた。いつしか悪魔と呼ばれるほどに、自らの肉体すらも固めてしまうその強大な力。圧倒的最凶、殺し合い(実戦)において完全無敗。苦戦という経験すらこの男にはなかった。
しかし、それが今、血反吐を吐き。足に力が入らず自重すら支えられずに突っ伏して、必死に腕を振るわせて起き上ろうとしている。
「なっ……な…んだ……コレッ…」
その脆さを、その限界を初めてこの男が知ったのだ。
「き……効ぃっ……~~~~ッ!!!!」
叫び声にもならない空の声を発して亮は弾けた。高速、超速、神速、疾風怒濤、突風迅雷、蹴りを拳を肘を膝を踵をつま先を全身全霊を使って悪魔にぶつけた。当たればいい、がむしゃらで無茶苦茶に肉の一片も残さないつもりで無数の打撃叩きこんでいく。
襤褸切れになりつつも悪魔は呟く。
「……ッ。落ち着け……ッ。戦場では常に「冷静な者」(つめたいもの)が勝つ。」
瞬く間に柏の手が何かの塊りを貫く。竿のように腕をしならせ亮へ向かって投げつけた。真っ赤なドラム缶には【危険:火気厳禁】と大きなラベルが貼ってある。抉られた裂け跡からこぼれている液体、独特な匂いがいっきに広がった。ガソリンだ。
「炎で身を灼(や)かれて死ねッ」
すでに辺りは火の海、刹那的に引火し爆発を起こす。爆裂音とともに地獄の業火が亮を丸のみにした。
【宮塚恭司】の振るう「ムチの動き」は硬化した皮膚を砕き、【秋宵月真桜】の「力動流し」は悪魔の「力」を彼のものに送り返す。さらに「命を捨てる」そのワードは心臓の鼓動をコントロールし鼓動の回数が全力疾走を遥かに超えた先に発動する千里眼とでも言うべき「読み」と「身体能力の限界を突破」。【百目鬼雲水】の「鬼状態」は柏の攻撃を正面から受け止めれるほどのエネルギーを生む。
全ての闘い方は友の魂が、かつて闘ったその喧嘩の記憶を時を距離を超えて亮に教えてくれる。
「カウンタ……俺の……力を利用して――ごッああがぁッ」
亮を蹴り飛ばした足から電流のように力の濁流が悪魔の身体をむしばんだ。
人が困難に惑うのは……その対処方法を知らないからだ。つまりその方法を誰かが亮に教えてくれるならば惑いは技術で克服できる。技術の未熟は経験で克服できる。
そして経験の不足は――先人たちが亮に――!!
「だからッテメェなんかにッ……!なにも持たないッ……友(ダチ)の一人もいねぇッ!!テメェなんかに絶ッテー負けねェッ!!」
吹き飛んでいた亮は空を舞って着地し、悪魔に突撃する。その後にはバタタタッと雨が走ったあとみたいに赤い液体が彩っている。突風の如き勢いの亮に声が響いた。
『けれど、本来……技術も経験を持たないキミがその力を発揮するためには……燃やせるものはひとつしかない。それはキミの命だ。』
ガタガタでボロボロな足場を縮地で駆け抜け悪魔の胸に背面からぶつかる。その場でトンボを切って踵で顎を打ちあげ着地する。振り向きざまにステップを刻みワン、ツーと細かにジャブをぶつけ、最後に腰を落として正拳突きを鳩尾に叩きこんだ。無敵の皮膚硬化による鎧も砕かれガードや回避が真に遭うべくもなく悪魔は一方的に殴り飛ばされた。
吹っ飛んでいく柏から眼を離さずに亮は叫んだ。自分の力で腕の骨が砕け、鬼状態の発動で全身の血管が裂け、限界を無視したアクロバティックな動きで下半身の腱が引き千切れる。眼から、鼻から、口から流れる赤い体液を撒き散らす。
「俺の命でコイツを倒せるならッ!!!お釣り多すぎて困るレベルだろッ!!!」
火の手がより一層広まるなか悪魔を追う。この目で地に伏せて動かなくなるのを確認しないままでは決してヤツを倒せたと言い切れないのだ。しかし、英雄(ヒーロー)はガクんっと膝を着いた、全身が震える息ぐるしい限界なんてものはとっくに超えているのだ。
そのとき、火の中で悪魔が立つのが見えた。ヤツはふり返りジロリと睨みつける。亮は息を飲む。まだ足りないのか、やはり倒せないのかと……。
「……ッ!!」
「本当に……やってらんねぇ。なんど同じことをさせりゃあ気がすむんだ…」
拳を握りしめて悪魔は燃えている機材を払いのけて亮へと向かって歩き出した。英雄も立ち上がるガクガクと震えながらもペッと血を吐き捨てて闘う意思とぶつけたのだ。柏が次の一歩を踏みこんだと同時ドタッ……っと、うつ伏せに倒れた。何が起こったのか分からず亮は構えたまま固まってしまう。
「……!?」
あまりにもこの男は強すぎた。いつしか悪魔と呼ばれるほどに、自らの肉体すらも固めてしまうその強大な力。圧倒的最凶、殺し合い(実戦)において完全無敗。苦戦という経験すらこの男にはなかった。
しかし、それが今、血反吐を吐き。足に力が入らず自重すら支えられずに突っ伏して、必死に腕を振るわせて起き上ろうとしている。
「なっ……な…んだ……コレッ…」
その脆さを、その限界を初めてこの男が知ったのだ。
「き……効ぃっ……~~~~ッ!!!!」
叫び声にもならない空の声を発して亮は弾けた。高速、超速、神速、疾風怒濤、突風迅雷、蹴りを拳を肘を膝を踵をつま先を全身全霊を使って悪魔にぶつけた。当たればいい、がむしゃらで無茶苦茶に肉の一片も残さないつもりで無数の打撃叩きこんでいく。
襤褸切れになりつつも悪魔は呟く。
「……ッ。落ち着け……ッ。戦場では常に「冷静な者」(つめたいもの)が勝つ。」
瞬く間に柏の手が何かの塊りを貫く。竿のように腕をしならせ亮へ向かって投げつけた。真っ赤なドラム缶には【危険:火気厳禁】と大きなラベルが貼ってある。抉られた裂け跡からこぼれている液体、独特な匂いがいっきに広がった。ガソリンだ。
「炎で身を灼(や)かれて死ねッ」
すでに辺りは火の海、刹那的に引火し爆発を起こす。爆裂音とともに地獄の業火が亮を丸のみにした。