ー夏休み編ー命を燃やせ、今がその時だ
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「可笑しいだろ…。この状態だと加減ができない。こうなるともう軽く触れているつもりでも壊れるんだ。何もかもな…。「喜び」とは求めぬ者。痛みも悲しみも知らぬ者には必要なき者。俺は……何も要らん。勝利の喜びも戦いの報酬もなにもいらん。ただおまえを――」
殺す
「――ッ!」
亮は石のように動けなかった。まるで頭の中まで石になってしまったかのように…
「亮ッ!!逃げろッ!悔しいが……!」
「!!」
「俺らじゃ……無理だっ……コイツ完全にもうッ人間じゃねぇ!!」
風が吹いても倒れそうな程、震えながら紅と千夜は立ちあがって悪魔に立ち向かう。多分、さっきの一瞬で貫かれたか引き千切られたかしらのだろう。紅はわき腹から、千夜は太ももからボタボタと液体をまき散らしている。控えめにいって二人とも重傷なのだ。
「――ッ」
声も出ず、動けもしない亮に叫びながら二人の猛者は悪魔に突撃した。
「悠だっ……アイツなら……悠なら!!」
「悠の馬鹿を呼んで来いっ……あのバカなら――」
その時、亮の後ろから……
「呼んだか?おまえら。こら、ボケ柏!!よくもおれのダチを痛めつけてくれたじゃねぇか。ただで済むと思うなタレ目ヤロウ――」
そんなふうに亮はいつだって悠に助けられてきた。だがここは悪魔の根城。「悠」は来ない。
動くのもいっぱいいっぱいのはずの二人が悪魔の顔をぶん殴り、腹を蹴り、肩を突き、足を穿つ。命を削り、たった1のダメージにもなるか分からない攻撃をぶつけ続ける。
「大人しくしていれば……いいものを、死ね。」
多連多重の縦横無尽攻撃がピタリと止んだ。千夜の身体が不自然に宙に浮いた。腹を突かれ吊り上げられている。紅は羽虫でも払うように叩かれて吹っ飛んでいった。鉄パイプが束になっている場所にぶつかってサスペンスドラマのいちシーンのようになだれに呑まれた。
「邪魔なゴミが」
そう吐き捨てて千夜も投げ捨てる。亮はそれを受け止めた。
「はっ…ばか、にげ……ろっ…て…ッ……」
言葉にならない言葉を吐いて亮の手の中で千夜は目を閉じた。
「せ……んや、くれな、いっ……なんでだよォォォォっ!!」
亮は泣きながら吠えた。千夜をそっと地面に置いて悪魔に飛びかかる。
「バカじゃねえのかッ俺っ!!あぁあぁああぁあ!!!」
なんなんだよなんなんだよッ俺!!
いつだってみんなが俺の目のまえで命を懸けて闘ってんのにッ
「許せねぇッ……ッ!!許せねぇだろ俺ッ!!」
燃えろよッ俺ッ!!!
「うるせぇよ」
ただ突進した亮の下顎を柏はカウンターで殴りつけた。
グシャバリンゴチュぱきぱき……大きな音から小さな様々な音を立て亮の色々なものが壊れた。脳が揺れるがくがくと上半身が震える。首がおかしな方に向いた先に鉄棒の雨を浴びた紅が見える。
「――ぐれ゛な゛い゛!!ゴメ゛ン゛ッ……!!」
血反吐と砕けた歯を振りまきながら亮は曲がった首を振り戻した。
「ぜん゛や゛ゴメ゛ン゛ッ!!」
腹の底から叫び、悪魔に向かって拳を打つ。
「もういい、飽きた」
受け止めもせず悪魔は亮の脇を抜ける。無視したわけではないしっかりと臍のから背中に掛けての皮膚と肉を引き裂いた。血肉を振り撒いて頭から前倒れていくが右手を地面にたたきつけて立ち上がった。遠心力に身を任せ裂けた腹を捩りながら、また悪魔へと突撃する。
悪魔に傷を着けることは出来ない。サブミッションも通じない……戦闘経験差も……ケタ違い……
「だから、それがッ、なんだってんだよッ!!」
「いい加減……死ねッ!!」
悪魔は腕を高らかに突きあげ振り下ろした。手刀頭上から落ちてくる。カウンターどころか完全に先手を取られた殺しの一撃。
「……命を捨てる。」
「あ゛?」
ザブリッと水気のある肉が裂ける音。亮は両膝を着いた。自分の左を見ると肩から腹の下までが割れていた。ボタボタと血が落ちると同時に肩から力も抜けた。右手で傷口を押えて震えだす。
悪魔は呟いた。
「ん!?なんだ……」
「おっ俺…お」
「「空手の受け」でわずかに……手刀の直撃逸らしたのか」
柏は亮の頭を見下ろしていた。本当は其処を叩き割るつもりだったらしい。
「そんな器用なことするヒマあったら。俺なら一発でも多く敵に当てること考えるけどな」
「……」
亮は目から涙を流しピクリともしない。
殺す
「――ッ!」
亮は石のように動けなかった。まるで頭の中まで石になってしまったかのように…
「亮ッ!!逃げろッ!悔しいが……!」
「!!」
「俺らじゃ……無理だっ……コイツ完全にもうッ人間じゃねぇ!!」
風が吹いても倒れそうな程、震えながら紅と千夜は立ちあがって悪魔に立ち向かう。多分、さっきの一瞬で貫かれたか引き千切られたかしらのだろう。紅はわき腹から、千夜は太ももからボタボタと液体をまき散らしている。控えめにいって二人とも重傷なのだ。
「――ッ」
声も出ず、動けもしない亮に叫びながら二人の猛者は悪魔に突撃した。
「悠だっ……アイツなら……悠なら!!」
「悠の馬鹿を呼んで来いっ……あのバカなら――」
その時、亮の後ろから……
「呼んだか?おまえら。こら、ボケ柏!!よくもおれのダチを痛めつけてくれたじゃねぇか。ただで済むと思うなタレ目ヤロウ――」
そんなふうに亮はいつだって悠に助けられてきた。だがここは悪魔の根城。「悠」は来ない。
動くのもいっぱいいっぱいのはずの二人が悪魔の顔をぶん殴り、腹を蹴り、肩を突き、足を穿つ。命を削り、たった1のダメージにもなるか分からない攻撃をぶつけ続ける。
「大人しくしていれば……いいものを、死ね。」
多連多重の縦横無尽攻撃がピタリと止んだ。千夜の身体が不自然に宙に浮いた。腹を突かれ吊り上げられている。紅は羽虫でも払うように叩かれて吹っ飛んでいった。鉄パイプが束になっている場所にぶつかってサスペンスドラマのいちシーンのようになだれに呑まれた。
「邪魔なゴミが」
そう吐き捨てて千夜も投げ捨てる。亮はそれを受け止めた。
「はっ…ばか、にげ……ろっ…て…ッ……」
言葉にならない言葉を吐いて亮の手の中で千夜は目を閉じた。
「せ……んや、くれな、いっ……なんでだよォォォォっ!!」
亮は泣きながら吠えた。千夜をそっと地面に置いて悪魔に飛びかかる。
「バカじゃねえのかッ俺っ!!あぁあぁああぁあ!!!」
なんなんだよなんなんだよッ俺!!
いつだってみんなが俺の目のまえで命を懸けて闘ってんのにッ
「許せねぇッ……ッ!!許せねぇだろ俺ッ!!」
燃えろよッ俺ッ!!!
「うるせぇよ」
ただ突進した亮の下顎を柏はカウンターで殴りつけた。
グシャバリンゴチュぱきぱき……大きな音から小さな様々な音を立て亮の色々なものが壊れた。脳が揺れるがくがくと上半身が震える。首がおかしな方に向いた先に鉄棒の雨を浴びた紅が見える。
「――ぐれ゛な゛い゛!!ゴメ゛ン゛ッ……!!」
血反吐と砕けた歯を振りまきながら亮は曲がった首を振り戻した。
「ぜん゛や゛ゴメ゛ン゛ッ!!」
腹の底から叫び、悪魔に向かって拳を打つ。
「もういい、飽きた」
受け止めもせず悪魔は亮の脇を抜ける。無視したわけではないしっかりと臍のから背中に掛けての皮膚と肉を引き裂いた。血肉を振り撒いて頭から前倒れていくが右手を地面にたたきつけて立ち上がった。遠心力に身を任せ裂けた腹を捩りながら、また悪魔へと突撃する。
悪魔に傷を着けることは出来ない。サブミッションも通じない……戦闘経験差も……ケタ違い……
「だから、それがッ、なんだってんだよッ!!」
「いい加減……死ねッ!!」
悪魔は腕を高らかに突きあげ振り下ろした。手刀頭上から落ちてくる。カウンターどころか完全に先手を取られた殺しの一撃。
「……命を捨てる。」
「あ゛?」
ザブリッと水気のある肉が裂ける音。亮は両膝を着いた。自分の左を見ると肩から腹の下までが割れていた。ボタボタと血が落ちると同時に肩から力も抜けた。右手で傷口を押えて震えだす。
悪魔は呟いた。
「ん!?なんだ……」
「おっ俺…お」
「「空手の受け」でわずかに……手刀の直撃逸らしたのか」
柏は亮の頭を見下ろしていた。本当は其処を叩き割るつもりだったらしい。
「そんな器用なことするヒマあったら。俺なら一発でも多く敵に当てること考えるけどな」
「……」
亮は目から涙を流しピクリともしない。