ー夏休み編ー命を燃やせ、今がその時だ
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『逃がさないよ』
三人にしか聞こえない声で気圧された白昼夢から現実へと引き戻された。千夜は囁く。
「あたりまえだ。策はあるんだろうな。」
『きひひ、もちろんプランAからFまでよりどりみどり。その全てで君ら死んでしまうけどね。』
「「「上等だ」」」
全員の声がそろう。
『きひひ、いいよ。君らの勝利は「約束」しよう。そのかわり安心して死んでいいよ。作戦はBだ。さぁ、動け!』
三人は一斉に飛びかかった。悪魔は慌てた様子なく淡々としゃべる。
「いいだろう。消し飛べ!!」
悪魔は自分を抱き締めるように右手で左肩を、左手で右肩を掴んだ。力任せに自分の服を引きちぎった。見た目より着やせするタイプらしく後背筋など異常なほど膨れてコブになっている。
『しゃがめっ!物陰に隠れれるなら隠れろッ!』
既に走り出していた三人だったが突然の指示に小蜘蛛を散らすようにバラけた。次の瞬間、広範囲で何かが弾けた。金属が金属にぶつかりパチンコ屋みたいな轟音がほんの一瞬だけ辺りを占拠した。とっさにベルトコンベアの下にもぐりこんだ亮はゾッとしていた。自分のそばに転がっているのはBB弾くらいの大きさの鉄球だ。何が起こったか……悪魔の服にはこの弾が無数に隠してあってその部位ごと引き千切り両手いっぱいの球を馬鹿力で握りこんで投げつけた。ただ、それだけのことでもあの悪魔の握力をもってすれば速射砲並の威力になる。天然の散弾銃といってもいい……。
「あれが……悪魔の本気…か。」
『まだまだ、本気じゃないよ。けど、気をつけたまへ、カシワ君の投擲はイシュミト君の矢と同等の威力がある。』
「弩躬って誰だよ!」
亮のツッコミを無視して匣はプランを伝える。全員その内容を一瞬で把握した。だが、先に動いたのは悪魔の方だった。背後で途轍もない吶喊音がして亮の背中に鋭い激痛が走る。
「ぐぁっ!!」
痛みの発信源がぐじゅりと体内で蠢く。嫌悪感と激痛から逃げ出すため、頭から前に転げ脱出した。痛みから逃げ、ふり返ってみると。自分が背にしていたベルトコンベア機材から何かが飛び出ている。手だ。亮はふと映画ターミネーター2を思い出した。アレに出てくる敵は手を刃物に変形して壁を貫いたりしてくる。だが、悪魔はそうじゃない無理矢理に機材を引き千切り通り道をこじ開けのだ。
恐ろしく冷えた声で悪魔はいった。
「刺さりが甘かったか。もう少しで骨を引き抜いてやれたのに。」
「ふざけろよ。」
亮は右左右へと左右に撹乱しつつ前進した。骨伝導で悪魔の対処法が伝わってくる。
『きひひっ、彼のニックネームは『悪魔(デビル)』だけど、正式には『悪魔の手(デビルハンド)』。もう体感していると思うが……彼の手を意味している。ひとつは単純な破壊力、次に触れるものを全て凶器に変貌させる凶悪力だよ。彼にしたら砂の一握りでも凶器になる。だから、距離を取るなッ!ヘタに間合いを空けたらハチの巣になる。絶対に間合いを詰めろ!』
早口に捲し立てているのがあの車椅子女だとは思えなかったが逆にそれだけ本気になる相手なのだと緊張が増し、心臓がリズムを狂わせる。でも、これは怖いからじゃない!自分の足が勝手に前に進むのを止められないからだっ!!
「ふぅぅぅっ!!」
火炎でも吹きだしそうな呼吸とともに悪魔は腕を振るった。空気そのものを切り裂かんばかりの振り手。これが直撃すれば肉が削げる比ではない喰らったが最後、部位ごと引き千切っていかれる。風圧とプレッシャーに押し潰れそうになるも亮は寸前のところで弾いた。
「お?……空手の回し受けか…。それとも偶然……か?」
悪魔は表情ひとつ変えずに両腕という鞭を振るいだした。紅と千夜の両人を片手づつ相手にして相殺どころか余裕すらみせていた。亮はソレをひとりで浴びた。
「うおぉぉっ!」
「ほぅ……。」
肉のひと欠片も奪われない。縦横無尽に迫りくる凶手を全て弾き続ける。偶然ではなく、しっかりと一打一打に対処しているのだ。唇をかみ歯が食いこんで血を流しつつ亮は言った。
「ぐぅっ!!命を賭けてお前を止めてやる!!」
「はっ!」
悪魔は嘲笑った。
「アホが……俺が手だけしか動かないとでも思ってんのか!」
「がッ……!?」
亮の腹部に悪魔の蹴りが衝突した。
「命程度かけたぐらいでなんでも思い通りにいくんだったらドブネズミもライオンを狩れるぜッ。内臓ぶちまけて死ねッ!!」
ブーツがメリメリと音を立てて沈んでいく。どうやら鉄板が仕込んであるのだろう硬くて重い。だが、これでいいと亮は心の中で叫ぶ。腹部を破壊されながら全身で足を押えこんだ。
「うおぉぉぉぉぉっ!!」
絶対に来るとわかってりゃ……止められる……!身体全部はムリでも……命かけりゃ足一本ぐれぇは思い通りにさせてもらう!!
三人にしか聞こえない声で気圧された白昼夢から現実へと引き戻された。千夜は囁く。
「あたりまえだ。策はあるんだろうな。」
『きひひ、もちろんプランAからFまでよりどりみどり。その全てで君ら死んでしまうけどね。』
「「「上等だ」」」
全員の声がそろう。
『きひひ、いいよ。君らの勝利は「約束」しよう。そのかわり安心して死んでいいよ。作戦はBだ。さぁ、動け!』
三人は一斉に飛びかかった。悪魔は慌てた様子なく淡々としゃべる。
「いいだろう。消し飛べ!!」
悪魔は自分を抱き締めるように右手で左肩を、左手で右肩を掴んだ。力任せに自分の服を引きちぎった。見た目より着やせするタイプらしく後背筋など異常なほど膨れてコブになっている。
『しゃがめっ!物陰に隠れれるなら隠れろッ!』
既に走り出していた三人だったが突然の指示に小蜘蛛を散らすようにバラけた。次の瞬間、広範囲で何かが弾けた。金属が金属にぶつかりパチンコ屋みたいな轟音がほんの一瞬だけ辺りを占拠した。とっさにベルトコンベアの下にもぐりこんだ亮はゾッとしていた。自分のそばに転がっているのはBB弾くらいの大きさの鉄球だ。何が起こったか……悪魔の服にはこの弾が無数に隠してあってその部位ごと引き千切り両手いっぱいの球を馬鹿力で握りこんで投げつけた。ただ、それだけのことでもあの悪魔の握力をもってすれば速射砲並の威力になる。天然の散弾銃といってもいい……。
「あれが……悪魔の本気…か。」
『まだまだ、本気じゃないよ。けど、気をつけたまへ、カシワ君の投擲はイシュミト君の矢と同等の威力がある。』
「弩躬って誰だよ!」
亮のツッコミを無視して匣はプランを伝える。全員その内容を一瞬で把握した。だが、先に動いたのは悪魔の方だった。背後で途轍もない吶喊音がして亮の背中に鋭い激痛が走る。
「ぐぁっ!!」
痛みの発信源がぐじゅりと体内で蠢く。嫌悪感と激痛から逃げ出すため、頭から前に転げ脱出した。痛みから逃げ、ふり返ってみると。自分が背にしていたベルトコンベア機材から何かが飛び出ている。手だ。亮はふと映画ターミネーター2を思い出した。アレに出てくる敵は手を刃物に変形して壁を貫いたりしてくる。だが、悪魔はそうじゃない無理矢理に機材を引き千切り通り道をこじ開けのだ。
恐ろしく冷えた声で悪魔はいった。
「刺さりが甘かったか。もう少しで骨を引き抜いてやれたのに。」
「ふざけろよ。」
亮は右左右へと左右に撹乱しつつ前進した。骨伝導で悪魔の対処法が伝わってくる。
『きひひっ、彼のニックネームは『悪魔(デビル)』だけど、正式には『悪魔の手(デビルハンド)』。もう体感していると思うが……彼の手を意味している。ひとつは単純な破壊力、次に触れるものを全て凶器に変貌させる凶悪力だよ。彼にしたら砂の一握りでも凶器になる。だから、距離を取るなッ!ヘタに間合いを空けたらハチの巣になる。絶対に間合いを詰めろ!』
早口に捲し立てているのがあの車椅子女だとは思えなかったが逆にそれだけ本気になる相手なのだと緊張が増し、心臓がリズムを狂わせる。でも、これは怖いからじゃない!自分の足が勝手に前に進むのを止められないからだっ!!
「ふぅぅぅっ!!」
火炎でも吹きだしそうな呼吸とともに悪魔は腕を振るった。空気そのものを切り裂かんばかりの振り手。これが直撃すれば肉が削げる比ではない喰らったが最後、部位ごと引き千切っていかれる。風圧とプレッシャーに押し潰れそうになるも亮は寸前のところで弾いた。
「お?……空手の回し受けか…。それとも偶然……か?」
悪魔は表情ひとつ変えずに両腕という鞭を振るいだした。紅と千夜の両人を片手づつ相手にして相殺どころか余裕すらみせていた。亮はソレをひとりで浴びた。
「うおぉぉっ!」
「ほぅ……。」
肉のひと欠片も奪われない。縦横無尽に迫りくる凶手を全て弾き続ける。偶然ではなく、しっかりと一打一打に対処しているのだ。唇をかみ歯が食いこんで血を流しつつ亮は言った。
「ぐぅっ!!命を賭けてお前を止めてやる!!」
「はっ!」
悪魔は嘲笑った。
「アホが……俺が手だけしか動かないとでも思ってんのか!」
「がッ……!?」
亮の腹部に悪魔の蹴りが衝突した。
「命程度かけたぐらいでなんでも思い通りにいくんだったらドブネズミもライオンを狩れるぜッ。内臓ぶちまけて死ねッ!!」
ブーツがメリメリと音を立てて沈んでいく。どうやら鉄板が仕込んであるのだろう硬くて重い。だが、これでいいと亮は心の中で叫ぶ。腹部を破壊されながら全身で足を押えこんだ。
「うおぉぉぉぉぉっ!!」
絶対に来るとわかってりゃ……止められる……!身体全部はムリでも……命かけりゃ足一本ぐれぇは思い通りにさせてもらう!!