ー夏休み編ー命を燃やせ、今がその時だ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
小鳥遊悠がまだ金剛と対峙して間もない頃、もうひとつの激戦が勃発していた。
「貴様らっ!」
よっぽどでない限り、人はたいてい他人の表情を読み取れる。ただ、今彼らの目のまえに立っている男の顔怒りという感情しか残っていない悪魔の形相だった。上下黒で夏なのに長袖で皮みたいなテカリがある衣装に身を包んだ小鳥遊柏。手軽い言葉を使うならラスボスだ。
悪魔は叫んだ。
「このっ……雑魚どもがぁっ!!大人しくしていれば殺しはしなかったが、俺の前に出てきた覚悟はできてんだろうなぁっ!!!!!」
夜とはいえ熱帯夜でしかも風のない密閉空間で室温は高い。それでも自分らから出てくる汗は、温度から出てくる汗ではないと悟った。
DevilsHand
name:小鳥遊柏
Style:小鳥遊柏式アーミーアーツ
vs
東西秋葉連合
name:紅&千夜&亮
Style:喧嘩&脚武芸&空手
「まずは、貴様から死ねッ!!」
死ねだの殺すだのの脅しは聞き慣れている。だけど、ここまで本気で「殺意」を込められた言葉を聞くと身震いしそうになった。殺す行為、つまりは殺人をいとも簡単に仕掛ける。そして「殺し」を許可されている男なのだ……っと、話されて、覚悟をしていてもやはり目の当たりにして対峙するとここまで恐ろしい相手なのか……だが、もう退くことは出来ない。紅、亮、千夜の三人は匣という女に助言を思い出す。
『きひひひっ、まずキミらとカシワの戦闘能力差はお世辞にも同等とは言い難い。ならば、どうするか?知恵を使え、策を使え、現状の利点を生かすんだよ。まずは全力で散れ。三人ともバラバラに敵を囲め。向こうはひとりだ。裸の王だ。たった一人の城主、さぁ、悪魔狩りだ。』
悪魔は鉄でできた手すりを一部を易々と引き千切り、振りかぶって投げてきた。紙や木材じゃない鉄の塊りだ。それをがむしゃらな力で飛ばしているとなると当たったら、良くて重症、最悪致命傷になる。
「うぉっっ!!」
狙われていたのは一番近づけていた千夜だった。けっして広くもない足場で身を翻して投擲を避けた。はるか後方でガィィンと鉄と鉄とがぶつかる音が当たり中に反響する。それと同時にゴゥン……ゴンゴンゴンッ……っとそこらかしこから機械音が鳴りだした。
「あ゛っ?」
柏もこれには顔をしかめた。っが、次の瞬間には戦闘態勢に戻る。オンオフの切り替えが早い。両手を伸ばして何かも関係なく引きちぎって弾をリロードした。真正面に立つ千夜に集中砲火を開始する。
「ちっ……!」
飛び散ってく鉄の塊りに千夜はそれ以上前に出らにれなくなった。他の二人には目もくれず千夜一点狙い。油断してるのか、怒りで前しか見えてないのかは不明。それでもそこが穴になっているのならと紅はそこそこ大きい網目のメタルプレートでできた不安定な場所から場所へと飛びうつり忍者のようら移動していき、数十メートル下にいる柏の前へと飛び降りようとしたその時――。
「見えてないと思うなよっ小僧!」
途轍もないスピードの塊りが紅の頬をを削りチャームポイントのオサゲを吹き飛ばした。
「うぉっ?!」
ワンテンポ遅れて上体を大きく後ろにそらし拙い足場から落ちそうになるのを寸前で停止する。気づかれてはいるだろうと千夜に攻撃しつつ、自分へのけん制も怠らない悪魔。距離が縮まらない。タイミングを見計らって降りないと空中で狙い打たれたりなんかしたらいっかんの終わりだ。網目から下の様子を確かめるが……柏の姿がない。
「アアアァアァァッ!!」
既に悪魔は獲物に食いかかっていた。雄叫びをあげながら数メートルはあった距離を駆け抜け千夜に殴りかかる。
「チッ!」
千夜は退かずに応戦を選んだ。腰を切り右足を鞭のように撓らせてぶつけた。機械音をよりもはるかに大きな衝突音が響く。
「この……感触。重りか?」
「ぐっ……。」
打ちだし、加速が乗りだして伸びきった拳。千夜のつま先は側面からぶつけ軌道をずらし、あわよくば拳を砕くつもりだった。足は腕の数倍の力を持つハズだったが、つま先を掴まれていた。どんな力を加え方をしたら勢いを乗せた拳を停止させて足を捕まえられるのだろう。
「いい蹴りだったぞ。俺が褒めているんだ誇っていぜ」
激高した悪魔から不意に冷静な言葉を吐かれて千夜は言いようのない恐怖を感じた。掴まれた足を引き抜こうとしたが、ビクともしない。それをあざ笑うように柏は腕を振り上げた。Y字バランスを無理矢理やらされたような無様な恰好で千夜は恥るより、脳裏に匣の言葉がよぎった。
『カシワの握力は最低単位で200キロオーバー。これは中身入りの缶を易々とひねりつぶせる力に相当する。ちなみに最低単位が200と言うのはそれ以上に測れる器具がないからだよ。きひひ、もしあの手に掴まったら終わりだよ。皮膚は障子紙よりたやすく破れ、肉はパンを千切るより楽に削げ、骨は砂糖菓子より簡単に砕け散る。掴まれないのは当然だけど、万が一捕まったら逃げることだね。やられる覚悟で合い打ち狙える相手じゃない。それより皮膚一枚で済むように引きちぎられながら逃げるんだ。まぁ、逃げキレたらだけどね。きひひひ』
「貴様らっ!」
よっぽどでない限り、人はたいてい他人の表情を読み取れる。ただ、今彼らの目のまえに立っている男の顔怒りという感情しか残っていない悪魔の形相だった。上下黒で夏なのに長袖で皮みたいなテカリがある衣装に身を包んだ小鳥遊柏。手軽い言葉を使うならラスボスだ。
悪魔は叫んだ。
「このっ……雑魚どもがぁっ!!大人しくしていれば殺しはしなかったが、俺の前に出てきた覚悟はできてんだろうなぁっ!!!!!」
夜とはいえ熱帯夜でしかも風のない密閉空間で室温は高い。それでも自分らから出てくる汗は、温度から出てくる汗ではないと悟った。
DevilsHand
name:小鳥遊柏
Style:小鳥遊柏式アーミーアーツ
vs
東西秋葉連合
name:紅&千夜&亮
Style:喧嘩&脚武芸&空手
「まずは、貴様から死ねッ!!」
死ねだの殺すだのの脅しは聞き慣れている。だけど、ここまで本気で「殺意」を込められた言葉を聞くと身震いしそうになった。殺す行為、つまりは殺人をいとも簡単に仕掛ける。そして「殺し」を許可されている男なのだ……っと、話されて、覚悟をしていてもやはり目の当たりにして対峙するとここまで恐ろしい相手なのか……だが、もう退くことは出来ない。紅、亮、千夜の三人は匣という女に助言を思い出す。
『きひひひっ、まずキミらとカシワの戦闘能力差はお世辞にも同等とは言い難い。ならば、どうするか?知恵を使え、策を使え、現状の利点を生かすんだよ。まずは全力で散れ。三人ともバラバラに敵を囲め。向こうはひとりだ。裸の王だ。たった一人の城主、さぁ、悪魔狩りだ。』
悪魔は鉄でできた手すりを一部を易々と引き千切り、振りかぶって投げてきた。紙や木材じゃない鉄の塊りだ。それをがむしゃらな力で飛ばしているとなると当たったら、良くて重症、最悪致命傷になる。
「うぉっっ!!」
狙われていたのは一番近づけていた千夜だった。けっして広くもない足場で身を翻して投擲を避けた。はるか後方でガィィンと鉄と鉄とがぶつかる音が当たり中に反響する。それと同時にゴゥン……ゴンゴンゴンッ……っとそこらかしこから機械音が鳴りだした。
「あ゛っ?」
柏もこれには顔をしかめた。っが、次の瞬間には戦闘態勢に戻る。オンオフの切り替えが早い。両手を伸ばして何かも関係なく引きちぎって弾をリロードした。真正面に立つ千夜に集中砲火を開始する。
「ちっ……!」
飛び散ってく鉄の塊りに千夜はそれ以上前に出らにれなくなった。他の二人には目もくれず千夜一点狙い。油断してるのか、怒りで前しか見えてないのかは不明。それでもそこが穴になっているのならと紅はそこそこ大きい網目のメタルプレートでできた不安定な場所から場所へと飛びうつり忍者のようら移動していき、数十メートル下にいる柏の前へと飛び降りようとしたその時――。
「見えてないと思うなよっ小僧!」
途轍もないスピードの塊りが紅の頬をを削りチャームポイントのオサゲを吹き飛ばした。
「うぉっ?!」
ワンテンポ遅れて上体を大きく後ろにそらし拙い足場から落ちそうになるのを寸前で停止する。気づかれてはいるだろうと千夜に攻撃しつつ、自分へのけん制も怠らない悪魔。距離が縮まらない。タイミングを見計らって降りないと空中で狙い打たれたりなんかしたらいっかんの終わりだ。網目から下の様子を確かめるが……柏の姿がない。
「アアアァアァァッ!!」
既に悪魔は獲物に食いかかっていた。雄叫びをあげながら数メートルはあった距離を駆け抜け千夜に殴りかかる。
「チッ!」
千夜は退かずに応戦を選んだ。腰を切り右足を鞭のように撓らせてぶつけた。機械音をよりもはるかに大きな衝突音が響く。
「この……感触。重りか?」
「ぐっ……。」
打ちだし、加速が乗りだして伸びきった拳。千夜のつま先は側面からぶつけ軌道をずらし、あわよくば拳を砕くつもりだった。足は腕の数倍の力を持つハズだったが、つま先を掴まれていた。どんな力を加え方をしたら勢いを乗せた拳を停止させて足を捕まえられるのだろう。
「いい蹴りだったぞ。俺が褒めているんだ誇っていぜ」
激高した悪魔から不意に冷静な言葉を吐かれて千夜は言いようのない恐怖を感じた。掴まれた足を引き抜こうとしたが、ビクともしない。それをあざ笑うように柏は腕を振り上げた。Y字バランスを無理矢理やらされたような無様な恰好で千夜は恥るより、脳裏に匣の言葉がよぎった。
『カシワの握力は最低単位で200キロオーバー。これは中身入りの缶を易々とひねりつぶせる力に相当する。ちなみに最低単位が200と言うのはそれ以上に測れる器具がないからだよ。きひひ、もしあの手に掴まったら終わりだよ。皮膚は障子紙よりたやすく破れ、肉はパンを千切るより楽に削げ、骨は砂糖菓子より簡単に砕け散る。掴まれないのは当然だけど、万が一捕まったら逃げることだね。やられる覚悟で合い打ち狙える相手じゃない。それより皮膚一枚で済むように引きちぎられながら逃げるんだ。まぁ、逃げキレたらだけどね。きひひひ』