ー夏休み編ー命を燃やせ、今がその時だ
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「鬼状態と翠龍の毒使っても疲れるだけで勝てないんだ。だったら、使うだけそんじゃん。」
金剛はペッと唾を吐いていった。
「お前の本気状態で勝てないのに今のままで勝てると思ってんのか、っていうか自分で勝てないっていったな。」
「……いや、それはアレだ勝負に負けるとかじゃなくてエンジントラブル的なことが起こっちゃうって意味だよ。うん。」
「どうした。舌先八寸の癖にいい訳もいい訳になってないぞ」
「う、うるせぇっ!!おれは負けてないんだよ!悠ちゃん憲法第三条勝負の勝敗はおれが決める!」
「ふざけんなっ!」
またアレだ。下段から掬いあげてぶっ放してくるパンチ。金剛は警戒してるんだろうおれにゼロ距離で貼りつかれることを、散々蹴り飛ばしたしな……。それにしても身の丈からは想像できないスピードで間合いを詰めて真下から真上へ突きぬけていくこのパンチは普通にヤバい。後ろに飛んでもそれを凌駕するほどのびてくる腕、左右に避けても向こうからしたら簡単に軌道が変えられるので余裕で追撃される。膝で迎撃すればいいとかも思えそうだがヘタに足を出したら、その膝ごと骨を砕かれかねない。結局は単純にして威力のある行為こそが本当の必殺技なのだ。
幸いおおよその制空圏は把握している。全力で後ろに飛べばギリギリ避けられるのだが、おれはあえて前に出る。じり貧ではダメなんだ。殴られてやられる覚悟で相手の中に飛び込んでかないとコイツにはダメージが通らないのだから……。
「このっ!」
「うおおぉぉっ!」
頭から突っ込む。金剛の巨拳をギリギリッ、本当の皮膚一枚まで引きこんで首を右に振った。かすっていくだけで頬の肉が抉れそうに痛い。だがっ……突きぬけてしまえば怖いものはない。満を持しておれもこぶしを振った。強制クロスカウンターで金剛の顔面を打つ。人体を叩いているというか金属にぶ厚いゴムを巻いた物体を叩いているような音がさく裂した。そのまま押しつぶしてやろうと力と体重を前へ前へと押し――
「そぉ……くると思ってたぜ!」
「なっ?!」
おれの背後に影がかかる。金剛は両腕を広げて抱きつぶそうと仕掛けてきた。逃げようにも既にやつの胸の中に飛び込んでしまっている。なら、出来ることは潰される前にこの男を叩き伏せるしかない。右腕を引いて左こぶしで殴った。しかし「ぐっっ」と唸っただけで止まりはしない。
「オラァァっ!!」
「なっぁ!!」
バタバタとコマ送りみたいな速さで視界が一回転しておれは仰向けに抑え倒された。我が身に何が起こったのか一瞬で脳内にフラッシュバックする。抱き潰されるかと思ったとき、右方の腕がおれの首横から廻って、脇の下を通り、もう一方の腕とクラッチして回転しながら絞めこみながら倒れられた。
「こ、こいつは……ぐぅっ!!」
万力のような圧で首が締まる。金剛の声が背中のあたりから聞こえてくる。
「スピニングチョーク……英名ではアナコンダチョークとかいったかなっ。もがけばもがくほどキマってくぜ……!!」
「がっ…」
「野生動物じみた動きに限度を超えたバカだからこそだ出来る決断……お前が動物なら、ちゃんと調教しねーとしな……」
「だれ…っが、どーぶつだ……絞め技っ……なんぞ、使いやがっ…………て」
「フィニッシュまで……あと10秒だ」
「ふざ……けんっ……なっ!こ…ここから悠……ちゃんの…逆転劇…見せてやる…ぜ……!」
金剛はトドメとばかりに力を込めながら思っていた。スピニングチョークは苦し紛れにキメられた腕の方へ逃げようとすれば余計に首が締まる技だ。逃げ場はないと……。
「お前…っ……おれがっ、逃……げれないとか……思ってんだろ」
「……残り5秒、喋るな」
死のカウントダウン。
「かはっ……」
頭蓋骨が、喉が潰れる。息が出来なくなるっ。意識が飛ぶ。目のまえの風景が歪みだしたヤバい……。金剛は冷静に言い放った。
「お前がナメクジでもない限り……抜けるのは不可能だ!!」
「お……お、おれをナメクジと同列にあつかってんじゃねーぞっ!ふんぬっぁ!!」
両足に全血全肉の力を込めて起きあげた。もちろん腰から上だけだ。上半身には金剛という重しが巻きついてるのでビクともしない。
金剛はペッと唾を吐いていった。
「お前の本気状態で勝てないのに今のままで勝てると思ってんのか、っていうか自分で勝てないっていったな。」
「……いや、それはアレだ勝負に負けるとかじゃなくてエンジントラブル的なことが起こっちゃうって意味だよ。うん。」
「どうした。舌先八寸の癖にいい訳もいい訳になってないぞ」
「う、うるせぇっ!!おれは負けてないんだよ!悠ちゃん憲法第三条勝負の勝敗はおれが決める!」
「ふざけんなっ!」
またアレだ。下段から掬いあげてぶっ放してくるパンチ。金剛は警戒してるんだろうおれにゼロ距離で貼りつかれることを、散々蹴り飛ばしたしな……。それにしても身の丈からは想像できないスピードで間合いを詰めて真下から真上へ突きぬけていくこのパンチは普通にヤバい。後ろに飛んでもそれを凌駕するほどのびてくる腕、左右に避けても向こうからしたら簡単に軌道が変えられるので余裕で追撃される。膝で迎撃すればいいとかも思えそうだがヘタに足を出したら、その膝ごと骨を砕かれかねない。結局は単純にして威力のある行為こそが本当の必殺技なのだ。
幸いおおよその制空圏は把握している。全力で後ろに飛べばギリギリ避けられるのだが、おれはあえて前に出る。じり貧ではダメなんだ。殴られてやられる覚悟で相手の中に飛び込んでかないとコイツにはダメージが通らないのだから……。
「このっ!」
「うおおぉぉっ!」
頭から突っ込む。金剛の巨拳をギリギリッ、本当の皮膚一枚まで引きこんで首を右に振った。かすっていくだけで頬の肉が抉れそうに痛い。だがっ……突きぬけてしまえば怖いものはない。満を持しておれもこぶしを振った。強制クロスカウンターで金剛の顔面を打つ。人体を叩いているというか金属にぶ厚いゴムを巻いた物体を叩いているような音がさく裂した。そのまま押しつぶしてやろうと力と体重を前へ前へと押し――
「そぉ……くると思ってたぜ!」
「なっ?!」
おれの背後に影がかかる。金剛は両腕を広げて抱きつぶそうと仕掛けてきた。逃げようにも既にやつの胸の中に飛び込んでしまっている。なら、出来ることは潰される前にこの男を叩き伏せるしかない。右腕を引いて左こぶしで殴った。しかし「ぐっっ」と唸っただけで止まりはしない。
「オラァァっ!!」
「なっぁ!!」
バタバタとコマ送りみたいな速さで視界が一回転しておれは仰向けに抑え倒された。我が身に何が起こったのか一瞬で脳内にフラッシュバックする。抱き潰されるかと思ったとき、右方の腕がおれの首横から廻って、脇の下を通り、もう一方の腕とクラッチして回転しながら絞めこみながら倒れられた。
「こ、こいつは……ぐぅっ!!」
万力のような圧で首が締まる。金剛の声が背中のあたりから聞こえてくる。
「スピニングチョーク……英名ではアナコンダチョークとかいったかなっ。もがけばもがくほどキマってくぜ……!!」
「がっ…」
「野生動物じみた動きに限度を超えたバカだからこそだ出来る決断……お前が動物なら、ちゃんと調教しねーとしな……」
「だれ…っが、どーぶつだ……絞め技っ……なんぞ、使いやがっ…………て」
「フィニッシュまで……あと10秒だ」
「ふざ……けんっ……なっ!こ…ここから悠……ちゃんの…逆転劇…見せてやる…ぜ……!」
金剛はトドメとばかりに力を込めながら思っていた。スピニングチョークは苦し紛れにキメられた腕の方へ逃げようとすれば余計に首が締まる技だ。逃げ場はないと……。
「お前…っ……おれがっ、逃……げれないとか……思ってんだろ」
「……残り5秒、喋るな」
死のカウントダウン。
「かはっ……」
頭蓋骨が、喉が潰れる。息が出来なくなるっ。意識が飛ぶ。目のまえの風景が歪みだしたヤバい……。金剛は冷静に言い放った。
「お前がナメクジでもない限り……抜けるのは不可能だ!!」
「お……お、おれをナメクジと同列にあつかってんじゃねーぞっ!ふんぬっぁ!!」
両足に全血全肉の力を込めて起きあげた。もちろん腰から上だけだ。上半身には金剛という重しが巻きついてるのでビクともしない。