ー夏休み編ー命を燃やせ、今がその時だ
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俺は理解している。摩耶の時もそうだ。そして金剛も……コイツらはいつだって気づかってくれるているのだと……。だから、俺もその返事を返そう。礼を尽くそう「おれの今の本気」で……。
「金剛」
おれは手を伸ばす。金剛は一度しっかりと目を閉じて今までより一層に目に悲しみの色を濃くして手を伸ばしてくれる。コイツは分かりやすいんだ。おれを奮い立たせようとヘタなヒール(悪役)になったり。無理に口汚く罵声を浴びせてくる。なのに……今はどうだ、おれが手を差し伸ばすとこんなにも落胆している。
おれはきっと今、口が大きく裂けて笑っているだろう。
「まったく……ホイホイと中腰で手を差し出すなんて甘すぎるぜ。金剛ちゃん」
「なっ?!」
おれは倒れながら掴んだず太腕を掴んで引きこんだ、かぶさってくる奴の下に潜り込み、下腹部に足の裏を当てて自分の頭越しに投げ飛ばした。巴投げ。一本背負いと同様に、柔道の中では有名な技のひとつだが……この巨人にかけるだけで引っ張られて身体の芯が引き千切れそうになる。
「うおぉぉぉぉぉっ!!」
「なにぃぃぃぃぃぃ?!」
二人の叫び声がブレンドする。投げきるまで敵を掴んでおくべき技だが、とても無理だった。仕掛けている側のおれが弾き飛んでしまう。
「くっおおぉぉふっとべゃっ!!」
勢いで口を開いたので何をいってるのか自分でも分からなかったが、とにかく金剛を投げ飛ばしておれは泥沼の中から立ちあがった。
背後で泥土の中で巨体を転がして奴は立ちあがる。飛んでくる声には怒気……というより嬉々としているようにも感じられた。
「こんっの野郎!まだまだ余裕って……か?」
「ひゃひゃひゃっ!!」
おれは巨人を無視し腕を振り、腿を跳ねあがらせて全力で疾走した。目指すは柏の馬鹿野郎が待っている倉庫だかドームだかの扉。金剛が居ないならもはや障害は何一つないのだかな。
「お、おい、悠!」
「ひゃひゃっ!残念だが金剛お前の相手は後だ!先に柏をボッコボコにしてから後日あいてしてやらぁ!!」
金剛だろうとスピードが乗ったおれに追いつけることは絶対にない。ぐんぐんと近づいてくる扉に向かっておれは飛びこんだ。
「その扉……厚さ10センチの鋼鉄製だぞ」
どれだけ勢いをつけて突っ込んでも鉄の壁は打ち抜けない。そして柔らかいものが硬い物にぶつかるとどうなるか例えるまでもない。潰れたトマトのように、あるいは叩きつけられた蛙のようにおれは扉に身体をなすりつけながら崩れ落ちた。出血もしたらしいべっとりとした血のラインがおれを追ってできる。
小鳥遊悠
VS
鋼鉄の扉
勝者:鋼鉄の扉
「アホかお前ぇぇぇぇっ!!」
金剛の叫び声が遠く感じる……っか、あれ、おれなにしてたんだっけ。身体から力が抜けて、空でも飛べそうな気持になる。
「師匠、しっかりしてくださいやよ!師匠。」
「おい、マジか!お前本当にバッカじゃねーの!」
「うぅっ……」
突然、女の声がして身体をめちゃくちゃ揺らされる。急に浮遊感が消えて視界が開けてきた。二人の女が左右から必死の形相で見ている。たしかえーと、コイツらはデコ(楓子)とカゲコ(影子)だ。そうだ。
「うぉぉ……。デコ、カゲコ」
「ああ、良かったですやよ。映画で人が潰れて死ぬシーン見たいな突貫でしたよやよ。」
「うぅっ……。」
「しっかりしろよ!小鳥遊!」
「タカナシ……?いや、おれの名前は新田だが……」
「「だ、誰だ新田ってーーーー(やよ)!!」」
「あっ……違う新田じゃない……。おれの名前は……おれの名前は~ジョーじゃなくて」
中山ともき……でもなくて、えーと、たか、たかなし……頭の中で確かにあるんだけどぼやけて出て来ない。
頭を抱える悠と鋼鉄の壁になすりつけられたブラッティラインを見て楓子と影子は引きながらいった。
「今のショックで記憶障害が出た……やよ?」
「自業自得だけど何してるんだこのタイミングで……」
その二人のあいだを巨大な腕が割って悠の両肩を掴んだ。
「バカ!本当に馬鹿野郎!!しっかりしろお前の名前は小鳥遊悠だっ!小鳥遊悠!!いいか、しっかりと自分の口で言え!小鳥遊悠だと!!」
「えっ、あっ……そ、そうだ!おれは小鳥遊悠だ!」
「金剛」
おれは手を伸ばす。金剛は一度しっかりと目を閉じて今までより一層に目に悲しみの色を濃くして手を伸ばしてくれる。コイツは分かりやすいんだ。おれを奮い立たせようとヘタなヒール(悪役)になったり。無理に口汚く罵声を浴びせてくる。なのに……今はどうだ、おれが手を差し伸ばすとこんなにも落胆している。
おれはきっと今、口が大きく裂けて笑っているだろう。
「まったく……ホイホイと中腰で手を差し出すなんて甘すぎるぜ。金剛ちゃん」
「なっ?!」
おれは倒れながら掴んだず太腕を掴んで引きこんだ、かぶさってくる奴の下に潜り込み、下腹部に足の裏を当てて自分の頭越しに投げ飛ばした。巴投げ。一本背負いと同様に、柔道の中では有名な技のひとつだが……この巨人にかけるだけで引っ張られて身体の芯が引き千切れそうになる。
「うおぉぉぉぉぉっ!!」
「なにぃぃぃぃぃぃ?!」
二人の叫び声がブレンドする。投げきるまで敵を掴んでおくべき技だが、とても無理だった。仕掛けている側のおれが弾き飛んでしまう。
「くっおおぉぉふっとべゃっ!!」
勢いで口を開いたので何をいってるのか自分でも分からなかったが、とにかく金剛を投げ飛ばしておれは泥沼の中から立ちあがった。
背後で泥土の中で巨体を転がして奴は立ちあがる。飛んでくる声には怒気……というより嬉々としているようにも感じられた。
「こんっの野郎!まだまだ余裕って……か?」
「ひゃひゃひゃっ!!」
おれは巨人を無視し腕を振り、腿を跳ねあがらせて全力で疾走した。目指すは柏の馬鹿野郎が待っている倉庫だかドームだかの扉。金剛が居ないならもはや障害は何一つないのだかな。
「お、おい、悠!」
「ひゃひゃっ!残念だが金剛お前の相手は後だ!先に柏をボッコボコにしてから後日あいてしてやらぁ!!」
金剛だろうとスピードが乗ったおれに追いつけることは絶対にない。ぐんぐんと近づいてくる扉に向かっておれは飛びこんだ。
「その扉……厚さ10センチの鋼鉄製だぞ」
どれだけ勢いをつけて突っ込んでも鉄の壁は打ち抜けない。そして柔らかいものが硬い物にぶつかるとどうなるか例えるまでもない。潰れたトマトのように、あるいは叩きつけられた蛙のようにおれは扉に身体をなすりつけながら崩れ落ちた。出血もしたらしいべっとりとした血のラインがおれを追ってできる。
小鳥遊悠
VS
鋼鉄の扉
勝者:鋼鉄の扉
「アホかお前ぇぇぇぇっ!!」
金剛の叫び声が遠く感じる……っか、あれ、おれなにしてたんだっけ。身体から力が抜けて、空でも飛べそうな気持になる。
「師匠、しっかりしてくださいやよ!師匠。」
「おい、マジか!お前本当にバッカじゃねーの!」
「うぅっ……」
突然、女の声がして身体をめちゃくちゃ揺らされる。急に浮遊感が消えて視界が開けてきた。二人の女が左右から必死の形相で見ている。たしかえーと、コイツらはデコ(楓子)とカゲコ(影子)だ。そうだ。
「うぉぉ……。デコ、カゲコ」
「ああ、良かったですやよ。映画で人が潰れて死ぬシーン見たいな突貫でしたよやよ。」
「うぅっ……。」
「しっかりしろよ!小鳥遊!」
「タカナシ……?いや、おれの名前は新田だが……」
「「だ、誰だ新田ってーーーー(やよ)!!」」
「あっ……違う新田じゃない……。おれの名前は……おれの名前は~ジョーじゃなくて」
中山ともき……でもなくて、えーと、たか、たかなし……頭の中で確かにあるんだけどぼやけて出て来ない。
頭を抱える悠と鋼鉄の壁になすりつけられたブラッティラインを見て楓子と影子は引きながらいった。
「今のショックで記憶障害が出た……やよ?」
「自業自得だけど何してるんだこのタイミングで……」
その二人のあいだを巨大な腕が割って悠の両肩を掴んだ。
「バカ!本当に馬鹿野郎!!しっかりしろお前の名前は小鳥遊悠だっ!小鳥遊悠!!いいか、しっかりと自分の口で言え!小鳥遊悠だと!!」
「えっ、あっ……そ、そうだ!おれは小鳥遊悠だ!」