ー夏休み編ー技と力と策
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だが、顔を歪めたのはおれの方だった。野球選手がストライクゾーンに飛んで来たボールをジャストミートで打ち返したようにおれの拳は弾き飛ばされる。腕に走る激痛は龍剄によるものではない。ただ純粋に壁に打ち負けて骨と筋繊維が撃ち負けた結果なのだ。
あえて言葉にするならばマッスルカウンター。殴りかかった部位、いや、もっと細分化してその部分の筋肉を瞬時に硬化させる。その瞬間ただでさえ硬い筋肉の強度は金属よりも硬く鉛よりも衝撃吸収に優れ、ゴムのような柔軟性を誇る最強の鎧へと変貌を遂げる。弾針剄のときも、そうやって弾き返したに違いない。あれは間合いがあったから気がつかなかったが直接触れてしまった今だからわかる。防御が……そのまま攻撃に繋がるのだと……。それと同時に溜めの大きい氣の技は金剛には通じないのだと……。
気がつくのが少し遅かったかもしれない。おれの右手が自由を取り戻してもいないのに金剛の巨拳が向かってきている。
「ぐっ!!」
下腹が破裂する覚悟で力んだ。左腕を胸の前に添えて受け止める。拳が当たった瞬間、おれの身体を衝撃が突きぬける。ガードしているのに、ガードしていても関係ない。徹甲榴弾みたたいに装甲を物ともせず貫いてくれたのだ。さらに浮遊感が我が身に感じる。殴られて約100㎏の全身を打ち上げられた。
金剛は殴りきった腕を引かず、その勢いを遠心力にして身体を振った。次に襲ってきたのは蹴りだ。幼児二人が抱きあているくらい大きくて太い脚が振を振り叩きつけてくる。空中で方向転換も回避行動もとれる訳がなく、おれはその塊りにぶつかって吹き飛んだ。目に映る景色がコマ送りされて流れる。
「ガハッ!!?」
流れが止まった時には痛みが何処から発しているのか分からなくなるくらい全身が痛かった。とりあえず理解できていることは二つ。まず、ひとつは止まった理由。吹き飛ばされた先に立っていた電灯にぶつかったから、そして二つ目倒れているおれに向かってきている金剛の足だ。ゆっくれとじゃなくかけ足に近づいてきてドデカイブーツのつま先が腹に突き刺さった。
「ぐぇっ!!」
カエルを踏み潰したような声をだすおれ。蹴りも半端ないが、後ろへと吹き飛ばされずに電灯に遮られメキメキと背骨が悲鳴をあげた。なんという非道と容赦のなさ。金剛は同じ軌道でもう一度足を振った。
「がぇっ!!」
へその真上にさっきと同じ衝撃がぶつかって、また背中で骨が軋む。歪む視界とバグる脳みそ。次喰らうと意識が飛ぶことだけは分かっていた。だが、起き上る隙は与えてくれない。ならば起こしてもらえばいい。
おれを蹴った足が次装填の為引く、おれはそれに引きづられることにした。奴のブーツを抱き締めてざりりりっと地肌で身を削るも想定通り横倒しの体躯の向きが変わって、両足が地面に着く。無様な恰好で金剛の足を掴んだまま駄々をこねた子供がいきなり立ち上がった。
「うおっ?!」
いくらの巨神でも足をいきなり持ちあげられたらバランスを崩す。両手で丸太を担ぐように奴の右足を抱いて、左足を払ってやった。仰向けに倒れてく金剛。それからワンテンポ空けておれも身を落とした。もちろん足へは腕をまわしてロックをかけたまま全体重をかけて奴の足へ関節技をかける。普通なら足首からへし折れていてもおかしくないはずなのに金剛はその足一本でおれを支え切ったのだ。さらに腋を絞めて力を込めるが奴にはビクともしない。
上体をを僅かに起こして金剛はいった。
「ホント、器用なことしてくれるよなっ……!」
「テメェこそ……少しは痛がれよ。」
神に誓っていってもいいおれはへし折るつもりでロックを決めてる足首をひねりあげていた。それも全体重を乗せてだ。なのに……拮抗、それどころかだんだんと圧し負け始めている。
「そんなに離れて無いで……こっちに……こいよっ!」
抱えている右足から一瞬ふらゆる力みが消えた。だが、ゼロフレームでおれの身体が前へと振り落とされた。落ちた先は金剛の横だ。一夜をともにした男女が朝目覚めて互いの顔を見つあっているような体勢。
あらゆる人間の規格を超越せし者がいった。
「さぁ、仕切り直しだぜ。」
「上等だ。」
互いに寝ころんだまま足を出し合った。おれの足の裏と、そのひと回りは余裕で大きい足の裏をぶつけあってその反動で互いに立ちあがる。
さぁ……どうする、この化け物をおれはどうやって倒せばいいんだ……。
あえて言葉にするならばマッスルカウンター。殴りかかった部位、いや、もっと細分化してその部分の筋肉を瞬時に硬化させる。その瞬間ただでさえ硬い筋肉の強度は金属よりも硬く鉛よりも衝撃吸収に優れ、ゴムのような柔軟性を誇る最強の鎧へと変貌を遂げる。弾針剄のときも、そうやって弾き返したに違いない。あれは間合いがあったから気がつかなかったが直接触れてしまった今だからわかる。防御が……そのまま攻撃に繋がるのだと……。それと同時に溜めの大きい氣の技は金剛には通じないのだと……。
気がつくのが少し遅かったかもしれない。おれの右手が自由を取り戻してもいないのに金剛の巨拳が向かってきている。
「ぐっ!!」
下腹が破裂する覚悟で力んだ。左腕を胸の前に添えて受け止める。拳が当たった瞬間、おれの身体を衝撃が突きぬける。ガードしているのに、ガードしていても関係ない。徹甲榴弾みたたいに装甲を物ともせず貫いてくれたのだ。さらに浮遊感が我が身に感じる。殴られて約100㎏の全身を打ち上げられた。
金剛は殴りきった腕を引かず、その勢いを遠心力にして身体を振った。次に襲ってきたのは蹴りだ。幼児二人が抱きあているくらい大きくて太い脚が振を振り叩きつけてくる。空中で方向転換も回避行動もとれる訳がなく、おれはその塊りにぶつかって吹き飛んだ。目に映る景色がコマ送りされて流れる。
「ガハッ!!?」
流れが止まった時には痛みが何処から発しているのか分からなくなるくらい全身が痛かった。とりあえず理解できていることは二つ。まず、ひとつは止まった理由。吹き飛ばされた先に立っていた電灯にぶつかったから、そして二つ目倒れているおれに向かってきている金剛の足だ。ゆっくれとじゃなくかけ足に近づいてきてドデカイブーツのつま先が腹に突き刺さった。
「ぐぇっ!!」
カエルを踏み潰したような声をだすおれ。蹴りも半端ないが、後ろへと吹き飛ばされずに電灯に遮られメキメキと背骨が悲鳴をあげた。なんという非道と容赦のなさ。金剛は同じ軌道でもう一度足を振った。
「がぇっ!!」
へその真上にさっきと同じ衝撃がぶつかって、また背中で骨が軋む。歪む視界とバグる脳みそ。次喰らうと意識が飛ぶことだけは分かっていた。だが、起き上る隙は与えてくれない。ならば起こしてもらえばいい。
おれを蹴った足が次装填の為引く、おれはそれに引きづられることにした。奴のブーツを抱き締めてざりりりっと地肌で身を削るも想定通り横倒しの体躯の向きが変わって、両足が地面に着く。無様な恰好で金剛の足を掴んだまま駄々をこねた子供がいきなり立ち上がった。
「うおっ?!」
いくらの巨神でも足をいきなり持ちあげられたらバランスを崩す。両手で丸太を担ぐように奴の右足を抱いて、左足を払ってやった。仰向けに倒れてく金剛。それからワンテンポ空けておれも身を落とした。もちろん足へは腕をまわしてロックをかけたまま全体重をかけて奴の足へ関節技をかける。普通なら足首からへし折れていてもおかしくないはずなのに金剛はその足一本でおれを支え切ったのだ。さらに腋を絞めて力を込めるが奴にはビクともしない。
上体をを僅かに起こして金剛はいった。
「ホント、器用なことしてくれるよなっ……!」
「テメェこそ……少しは痛がれよ。」
神に誓っていってもいいおれはへし折るつもりでロックを決めてる足首をひねりあげていた。それも全体重を乗せてだ。なのに……拮抗、それどころかだんだんと圧し負け始めている。
「そんなに離れて無いで……こっちに……こいよっ!」
抱えている右足から一瞬ふらゆる力みが消えた。だが、ゼロフレームでおれの身体が前へと振り落とされた。落ちた先は金剛の横だ。一夜をともにした男女が朝目覚めて互いの顔を見つあっているような体勢。
あらゆる人間の規格を超越せし者がいった。
「さぁ、仕切り直しだぜ。」
「上等だ。」
互いに寝ころんだまま足を出し合った。おれの足の裏と、そのひと回りは余裕で大きい足の裏をぶつけあってその反動で互いに立ちあがる。
さぁ……どうする、この化け物をおれはどうやって倒せばいいんだ……。