ー夏休み編ー技と力と策
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「それからの生活は?」
「色々あったわ。でも、基本的に私に構ってはくれなかったわね。現在進行形で」
「寂しくないんですか?」
「そうねぇ……。全然っていっちゃえば嘘になるけど……あの人は、光臣さんはそういうことに気にかけれない人だし私は気にしないことにしてるの。仕事は出来るけど家庭を顧みないタイプを完全版みたいな人よ。」
鈴猫は聞けば聞くほど分からなくなっていた。どうしてそんな人のそばで居られるのだろうか……。そんな気持ちが表情に出てしまっていたらしく、吉継はいった。
「惚れた男だもの、一方的でも好きってなっちゃったら自分ではどうしようもなくなっちゃうの」
「そ……うですか。」
「一番心配なのは……ご飯食べてるかどうかなのよ。」
「仕事と一筋だと食事は偏りそうですもんね。」
彼女は首を横に振った。違うらしい。やせて細い首筋が動くたびに、か細い線がピンっと張りを見せる。
「そうじゃないのよ。あの人ね、ご飯を食べないの……。ご飯だけじゃなくてお肉もお魚も野菜も……」
何を食べて生きてるんだろうその人……。
「私がいえる事じゃないんだけど、不健康に輪をかけてるのよね。気を抜いてると水の一口も入れない様な人だし。」
「何かアレルギーとか?」
「ううん。食べることに欲がないの。」
人間の三大欲求にして生きるための摂取行為を欲が無いで済ませる彼女。
「食べることだけじゃなく、他の事にも無欲なんだけどね。趣味仕事、生きがい仕事、存在意義仕事……テレビ見ない、雑誌読まない、タバコ、ギャンブル、女その他諸々一切合財が諸行無常って感じ。」
「即身仏かなにかですか?」
思いっきり失礼な事いっているが、相手は別に気にしていない様子だった。むしろそんな感じとクスリっと笑っているくらいだった。
「あらゆる一切の娯楽欲がまったくないのってある意味すごいでしょ。お金だって使い道が分からないから全部私が管理しているんだけど……貯金とかいくらだったと思う?」
仕事マンで一切の欲がない……でも、婚約指輪を見る限りテレビで見る大富豪クラスの貯金があるんじゃないだろうか。冗談まじりにいってみた。
「数千万……とか?」
彼女はふふっと笑った。違うらしい。
「まさか、数億?」
「千円」
聞き間違がったと思った。ここまで話を振っておいて小学生の財布の中身より少ない額をいうわけがない。聞き直そうと思ったが彼女は普通に話を進める。気はついていだが彼女は相手の相槌や正確な答えなど気にすることなく次々と話を進めていく性分らしい。ただの推測だが旦那と話していてもきっと向こうがなんのアクションもしないので、好きに話を進めていく癖みたいなものがついてしまったんだと思った。
「お給金とかでたら必要最低限の物だけかって、あとは全額寄付してたの。もちろん本人がじゃなくて同僚の方がね……最初は仕事場の自分の席に積み重ねてたそうだけど上司の方がそれは止めろと注意して止めたらしいんだけど無頓着っていうか、もう無茶苦茶過ぎる人でしょ?寄付が悪いとはいわないけど。」
「で、ですね。」
なんと答えていいものやら分からなかった。ただ、鈴猫は感じていた。話しだしてもう大分立つがまだ解放されない……このまましばらく捕まったままだという事。ふと窓の外に目をやった。真っ暗な闇のなかで雨はいつの間にかより一層激しさを増して風に舞い嵐のようになっていた。
「色々あったわ。でも、基本的に私に構ってはくれなかったわね。現在進行形で」
「寂しくないんですか?」
「そうねぇ……。全然っていっちゃえば嘘になるけど……あの人は、光臣さんはそういうことに気にかけれない人だし私は気にしないことにしてるの。仕事は出来るけど家庭を顧みないタイプを完全版みたいな人よ。」
鈴猫は聞けば聞くほど分からなくなっていた。どうしてそんな人のそばで居られるのだろうか……。そんな気持ちが表情に出てしまっていたらしく、吉継はいった。
「惚れた男だもの、一方的でも好きってなっちゃったら自分ではどうしようもなくなっちゃうの」
「そ……うですか。」
「一番心配なのは……ご飯食べてるかどうかなのよ。」
「仕事と一筋だと食事は偏りそうですもんね。」
彼女は首を横に振った。違うらしい。やせて細い首筋が動くたびに、か細い線がピンっと張りを見せる。
「そうじゃないのよ。あの人ね、ご飯を食べないの……。ご飯だけじゃなくてお肉もお魚も野菜も……」
何を食べて生きてるんだろうその人……。
「私がいえる事じゃないんだけど、不健康に輪をかけてるのよね。気を抜いてると水の一口も入れない様な人だし。」
「何かアレルギーとか?」
「ううん。食べることに欲がないの。」
人間の三大欲求にして生きるための摂取行為を欲が無いで済ませる彼女。
「食べることだけじゃなく、他の事にも無欲なんだけどね。趣味仕事、生きがい仕事、存在意義仕事……テレビ見ない、雑誌読まない、タバコ、ギャンブル、女その他諸々一切合財が諸行無常って感じ。」
「即身仏かなにかですか?」
思いっきり失礼な事いっているが、相手は別に気にしていない様子だった。むしろそんな感じとクスリっと笑っているくらいだった。
「あらゆる一切の娯楽欲がまったくないのってある意味すごいでしょ。お金だって使い道が分からないから全部私が管理しているんだけど……貯金とかいくらだったと思う?」
仕事マンで一切の欲がない……でも、婚約指輪を見る限りテレビで見る大富豪クラスの貯金があるんじゃないだろうか。冗談まじりにいってみた。
「数千万……とか?」
彼女はふふっと笑った。違うらしい。
「まさか、数億?」
「千円」
聞き間違がったと思った。ここまで話を振っておいて小学生の財布の中身より少ない額をいうわけがない。聞き直そうと思ったが彼女は普通に話を進める。気はついていだが彼女は相手の相槌や正確な答えなど気にすることなく次々と話を進めていく性分らしい。ただの推測だが旦那と話していてもきっと向こうがなんのアクションもしないので、好きに話を進めていく癖みたいなものがついてしまったんだと思った。
「お給金とかでたら必要最低限の物だけかって、あとは全額寄付してたの。もちろん本人がじゃなくて同僚の方がね……最初は仕事場の自分の席に積み重ねてたそうだけど上司の方がそれは止めろと注意して止めたらしいんだけど無頓着っていうか、もう無茶苦茶過ぎる人でしょ?寄付が悪いとはいわないけど。」
「で、ですね。」
なんと答えていいものやら分からなかった。ただ、鈴猫は感じていた。話しだしてもう大分立つがまだ解放されない……このまましばらく捕まったままだという事。ふと窓の外に目をやった。真っ暗な闇のなかで雨はいつの間にかより一層激しさを増して風に舞い嵐のようになっていた。