ー夏休み編ー技と力と策
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再起不能になりかけた拳二を無視してこのVIPルームに呼び出された中のひとり、新宿のとある学園島でスイッチボクサーとして有名な男が崇に聞いた。
「アンタ、このふたりを束ねてるってことは何いってるのかちゃんと分かってんだろ。だったらちゃんと訳して説明しろよ。色々とな」
西口のKINGに怯まず話す、右京山寅に本郷の視線が突きささる。室内でもサングラスをかけているがその眼力には関係なかった。それ越しに睨んでると分かる殺気。タカシはサッと手をあげる。それは「待て」か「止めろ」の合図なのだろう。殺気は一瞬にして霧散して本郷は両手を後ろ手に組んできをつけする。
「コイツらのいうことは雰囲気で理解するしかない。だが、もちろん正確に理解解読できる奴もいる。リッカ」
呼ばれたのはガブガブとミネラルウォーターを流し込んでいる歌姫。プハッと息を吐いて口元をひと拭いしていった。
「要するに、クーロンさんは普通に話してても無意識的に聞こえないの、聞こえないのは聞かなくていいことだと思いこんじゃってんの。」
パチパチと手を打つ音。
「理解できるナイフ仕込み流石。今度りっちゃん。つくってあげようか。靴好きよアナタは人だから(流石、りっちゃん。アナタは理解できる人だから好きよ。今度ナイフ仕込みの靴つくってあげようか。)」
「普通のカッコイイブーツが良いな」
「把握」
くるるとリッカはハイタッチを交わす。もはや英語とか中国語とかいうレベルでは無い、宇宙語会話だった。総括するように崇がいった。
「枢はクーロンは一定の分野こそスペシャリストだが殆ど会話が成り立たない。だから、S・ウルフ内でも扱い難い。」
個性派ぞろいのS・ウルフでもトップレベルの問題児。それでも王が手元に置いているのは、その「難点」を踏まえてもプラスになるのだということは皆一往に理解した。それを理解したうえで今宵の宴に招かれた兵(つわもの)のふたりがいった。
「「そうなると悠が死にかけてるのはマジか?」」
まったく別種の声がひとつの音になって耳に届いた。声の主は円卓ではなくバーカウンター側にふたり並んでスツールに座ってる。右の男は雷神が背中一面にプリントされ、左の男は風神がでかでかとプリントされていて、その姿は、まるで風神雷神の一枚絵。右京山寅と同じく呼び出された疾迅風太郎&疾迅雷太郎だ。本名は別にあるらしいが雷太郎も風太郎も疾迅の通り名を使っている。
寅、風太郎、雷太郎が此処に呼ばれ、共通することは悠と一度は拳を交えていることだ。ゆえに、いつもはふざけて馬鹿な男の本質を知っている。それは「殺しても死なない」こと。本気でぶつかりあった者だからこそわかる、その本質。だからこそ、クーロンの死ぬ発言に疑問を抱かずには居られなかったのだ。
「あの男は」
「どれだけ」
「殴っても」
「蹴っても」
「「起き上るぞ?」」
交互に言葉を紡いで話す雷太郎と風太郎。クーロンは一応は聞こえていたらしく、早口に喋った。
「この男たぶんもう今は痛みをほとんど感じてない。さっきの小さな男の子の剄撃のおかげ。体内で溜めに溜めて膿と化し出した翠龍もろとも吹き飛ばしたまでは良かった。けど、龍のアギトは簡単には取れない。ツケは必ずくる。本来なら全身の筋肉を雑巾みたいに絞られた軋みと関節と関節をすり合わせているような激痛が襲ってるはず。だけど、脳からあふれ出る脳内麻薬がそれをかき消してるから平気に動いてる。痛みが消えることは真の意味では恐怖だ。人間の行っちゃいけないその先に平気で踏み込む知らず知らずウチにいきなり。そして痛みが己の命に届くとき、この男は……死ぬ。絶対に」
言葉を切り終えたのを見計らって、寅がいった。
「待て、悠が死にかけててボロボロっで痛覚がなんか麻痺してるのは一応わかった。だが、それでも痛みを感じずに本調子なみで動けるならやられる前に勝つ可能性だってあるだろ。」
「負けるなんて言ってない。俺は遅かれ早かれ死ぬと言っているだけだ。今現在も確実に寿命は縮んでいる。むしろ、今あの男は命というガソリンで動いてるのと同じだ。この喧嘩がどういう結末に転ぼうと……奴は今後、良くて数年が限界だろう。」
皆が言葉を失う。今すぐに死ぬとかなら嘘だと否定もできたが、奴の語り口と数年内に死ぬというのであれば真実味がグッとあがった。しかし、王はハッキリといい捨てた。
「数年あるなら頂点を決める期間は生きている。それに悠が参加できるのなら問題ないだろう。アイツは命を捨てていいと覚悟してる。長生きがしたいかどうかは俺達の関与することじゃない。」
「アンタ、このふたりを束ねてるってことは何いってるのかちゃんと分かってんだろ。だったらちゃんと訳して説明しろよ。色々とな」
西口のKINGに怯まず話す、右京山寅に本郷の視線が突きささる。室内でもサングラスをかけているがその眼力には関係なかった。それ越しに睨んでると分かる殺気。タカシはサッと手をあげる。それは「待て」か「止めろ」の合図なのだろう。殺気は一瞬にして霧散して本郷は両手を後ろ手に組んできをつけする。
「コイツらのいうことは雰囲気で理解するしかない。だが、もちろん正確に理解解読できる奴もいる。リッカ」
呼ばれたのはガブガブとミネラルウォーターを流し込んでいる歌姫。プハッと息を吐いて口元をひと拭いしていった。
「要するに、クーロンさんは普通に話してても無意識的に聞こえないの、聞こえないのは聞かなくていいことだと思いこんじゃってんの。」
パチパチと手を打つ音。
「理解できるナイフ仕込み流石。今度りっちゃん。つくってあげようか。靴好きよアナタは人だから(流石、りっちゃん。アナタは理解できる人だから好きよ。今度ナイフ仕込みの靴つくってあげようか。)」
「普通のカッコイイブーツが良いな」
「把握」
くるるとリッカはハイタッチを交わす。もはや英語とか中国語とかいうレベルでは無い、宇宙語会話だった。総括するように崇がいった。
「枢はクーロンは一定の分野こそスペシャリストだが殆ど会話が成り立たない。だから、S・ウルフ内でも扱い難い。」
個性派ぞろいのS・ウルフでもトップレベルの問題児。それでも王が手元に置いているのは、その「難点」を踏まえてもプラスになるのだということは皆一往に理解した。それを理解したうえで今宵の宴に招かれた兵(つわもの)のふたりがいった。
「「そうなると悠が死にかけてるのはマジか?」」
まったく別種の声がひとつの音になって耳に届いた。声の主は円卓ではなくバーカウンター側にふたり並んでスツールに座ってる。右の男は雷神が背中一面にプリントされ、左の男は風神がでかでかとプリントされていて、その姿は、まるで風神雷神の一枚絵。右京山寅と同じく呼び出された疾迅風太郎&疾迅雷太郎だ。本名は別にあるらしいが雷太郎も風太郎も疾迅の通り名を使っている。
寅、風太郎、雷太郎が此処に呼ばれ、共通することは悠と一度は拳を交えていることだ。ゆえに、いつもはふざけて馬鹿な男の本質を知っている。それは「殺しても死なない」こと。本気でぶつかりあった者だからこそわかる、その本質。だからこそ、クーロンの死ぬ発言に疑問を抱かずには居られなかったのだ。
「あの男は」
「どれだけ」
「殴っても」
「蹴っても」
「「起き上るぞ?」」
交互に言葉を紡いで話す雷太郎と風太郎。クーロンは一応は聞こえていたらしく、早口に喋った。
「この男たぶんもう今は痛みをほとんど感じてない。さっきの小さな男の子の剄撃のおかげ。体内で溜めに溜めて膿と化し出した翠龍もろとも吹き飛ばしたまでは良かった。けど、龍のアギトは簡単には取れない。ツケは必ずくる。本来なら全身の筋肉を雑巾みたいに絞られた軋みと関節と関節をすり合わせているような激痛が襲ってるはず。だけど、脳からあふれ出る脳内麻薬がそれをかき消してるから平気に動いてる。痛みが消えることは真の意味では恐怖だ。人間の行っちゃいけないその先に平気で踏み込む知らず知らずウチにいきなり。そして痛みが己の命に届くとき、この男は……死ぬ。絶対に」
言葉を切り終えたのを見計らって、寅がいった。
「待て、悠が死にかけててボロボロっで痛覚がなんか麻痺してるのは一応わかった。だが、それでも痛みを感じずに本調子なみで動けるならやられる前に勝つ可能性だってあるだろ。」
「負けるなんて言ってない。俺は遅かれ早かれ死ぬと言っているだけだ。今現在も確実に寿命は縮んでいる。むしろ、今あの男は命というガソリンで動いてるのと同じだ。この喧嘩がどういう結末に転ぼうと……奴は今後、良くて数年が限界だろう。」
皆が言葉を失う。今すぐに死ぬとかなら嘘だと否定もできたが、奴の語り口と数年内に死ぬというのであれば真実味がグッとあがった。しかし、王はハッキリといい捨てた。
「数年あるなら頂点を決める期間は生きている。それに悠が参加できるのなら問題ないだろう。アイツは命を捨てていいと覚悟してる。長生きがしたいかどうかは俺達の関与することじゃない。」