ー夏休み編ー技と力と策
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にじり寄り合う二人から離れて見ている三人。その中で楓子はさっきぶん殴られた痛みも忘れている様子でエールを送っていた。
「師匠ーー!最高っですやよ!瀕死からの復活っししょーはヒーローですやよーーーー!摩耶さんもパネェですやよ!!どっちも頑張れーーーっすやよ!!」
「うるせぇよ!」
影子は飛び出していきそうなデコを抑えるので必死だった。もしヘタに近づいてしまったら巻き込まれるあそこは暴風と同じだ。しかし、単純に力の強いデコに華奢な影子ひとりくらい背負っていても関係なかった。
「おい、雷果!この馬鹿抑えるの手伝え……」
影子は言葉を思わず止めた。雷果の顔は蒼白になっている。
「お、おい、大丈夫か?」
「大丈夫じゃ……ないです。いえ、大丈夫じゃ無くなっちゃいますよぉ……。」
泣出すんじゃないかというほどの震え声。駒裡雷果は見えていた。翠龍の「毒」に冒され続けながら喧嘩は悠の身体能力の極限化と引き換えに身体の限界を超える。今は研ぎ澄まされた日本刀のように動けても、折れて朽ち果ててしまう。既に悠は弩躬ととの闘いで「鬼状態」を使っている。それから間を置かずに「翠龍の毒」なんて使ってしまったらあと何か無い。どちらも本来なら一日に一度使うことも危険なのだ。雷果の耳には悠の身体の軋みが聞こえてくるようだった。
摩耶が攻める。まだ、互いに距離があるも地面を強く踏み付けるようなように踏み込んだ。八極拳は一撃の威力を極限まで高めるための発勁のために、この震脚を用いた動作を多用する傾向にある。 だが、摩耶はその踏み込むという動作を最小限にまで簡略化し、わずかな動きで震脚同様の爆発力を引き出していた。 一歩二歩とただ歩くだけでドンッドンッと太鼓を叩いたような衝撃を起こした。びりびりと気迫に怯みそうになる俺へ角打頂肘を仕掛けて来た。あの肘が当たるのは巨大な金づちで叩かれるのも同じ。俺は両手で空気の面を圧した。風のバリアー発動。肉の塊がぶつかる音。摩耶のハンマーは本当に皮膚一枚の距離で阻んだ。
「うおぉぉぉぉ!!」
ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!阻まれてもお構いなく小さな巨人は拳を、肘を、膝を、背中を風障壁(バリアー)にぶつける。空気の壁はぶ厚いゴムの塊りを叩くようなもの痛くないわけがない。攻撃は決して俺には届かない。しかし、おれも動けなかった。爆発風でなく無風からの障壁を張るためには常に空気の面を圧していなければならない。手のひらと空気が摩擦し続けて皮膚がへげていくのがわかった両手が焼けているのだ。攻撃の連打が急に止まり拳を解いて、摩耶はそっと空気の壁に手をつける。
「うん……凄い。本当にこの風のバリアーはもの凄い鉄壁で厄介だね。だけど……」
透明な壁に阻まれている摩耶の手がバジリッと音を立ててバリアーを破いた。空圧が変わって俺の鉄壁は完全に崩壊する。
「破られた?!」
驚いてるおれの手にひらと摩耶の手のひらがぴったりと重なった。これは、かつて俺の腕から肉を圧迫破壊した技、卯天の空掌だ。摩耶はこんなものまでマスターしていたという事と絶対不可侵の風障壁をいともたやすく打ち破った事実に俺は驚きを隠せなかった。彼はいう。
「引きこもってちゃ悠君らしくないよっ!!」
「ぐぁっ?!」
摩耶は、手のひらを重ねたまま腕を振り下ろした。磁石のS極とN極のように張り着き合って繋がる俺は顎から地面に倒された。首をあげて頭への衝撃を辛うじて避けた結果シャチホコみたいな恰好で地面に衝突する。耐久力がとっくに無くなっている胸に鈍い熱が広がって背中へ抜けた。歯を食いしばっていると、また腕が引っ張られる。俺と摩耶の手のひらは繋がり合ったままだ。上半身を無理矢理引き起こされ腹部の右上、ほぼ肋骨の下に靴のつま先が突き刺さった。それはさっき殴られた場所と寸分の狂いがない。
「ぐぇっ…!!」
体内もボロボロなのだろう胃液ものぼって来なくなった喉の奥から赤い汁が飛び出した。突き立つ足が抜ける。……っが、間髪いれずに痛みが走る。執拗に同じ場所を攻撃してくる摩耶。
そして右腕を自分の方へと引いた。当然俺は引っ張り込まれて頭から摩耶へと向かっていく。
「はあぁぁっ!!」
倒れ込む先には摩耶の膝が用意されていた。冗談じゃない。俺は両足で地面を蹴って腰を切った。体重差は歴然。当然摩耶の身体は俺に振り回されて地面に激突する。
「ぐ……ぁっ!」
「が……あっ!」
初ダメージ。だが受け身を取れないのは俺も同じで二人仲良く大地にボディプレスをぶち込む間抜けな絵面だ。
「師匠ーー!最高っですやよ!瀕死からの復活っししょーはヒーローですやよーーーー!摩耶さんもパネェですやよ!!どっちも頑張れーーーっすやよ!!」
「うるせぇよ!」
影子は飛び出していきそうなデコを抑えるので必死だった。もしヘタに近づいてしまったら巻き込まれるあそこは暴風と同じだ。しかし、単純に力の強いデコに華奢な影子ひとりくらい背負っていても関係なかった。
「おい、雷果!この馬鹿抑えるの手伝え……」
影子は言葉を思わず止めた。雷果の顔は蒼白になっている。
「お、おい、大丈夫か?」
「大丈夫じゃ……ないです。いえ、大丈夫じゃ無くなっちゃいますよぉ……。」
泣出すんじゃないかというほどの震え声。駒裡雷果は見えていた。翠龍の「毒」に冒され続けながら喧嘩は悠の身体能力の極限化と引き換えに身体の限界を超える。今は研ぎ澄まされた日本刀のように動けても、折れて朽ち果ててしまう。既に悠は弩躬ととの闘いで「鬼状態」を使っている。それから間を置かずに「翠龍の毒」なんて使ってしまったらあと何か無い。どちらも本来なら一日に一度使うことも危険なのだ。雷果の耳には悠の身体の軋みが聞こえてくるようだった。
摩耶が攻める。まだ、互いに距離があるも地面を強く踏み付けるようなように踏み込んだ。八極拳は一撃の威力を極限まで高めるための発勁のために、この震脚を用いた動作を多用する傾向にある。 だが、摩耶はその踏み込むという動作を最小限にまで簡略化し、わずかな動きで震脚同様の爆発力を引き出していた。 一歩二歩とただ歩くだけでドンッドンッと太鼓を叩いたような衝撃を起こした。びりびりと気迫に怯みそうになる俺へ角打頂肘を仕掛けて来た。あの肘が当たるのは巨大な金づちで叩かれるのも同じ。俺は両手で空気の面を圧した。風のバリアー発動。肉の塊がぶつかる音。摩耶のハンマーは本当に皮膚一枚の距離で阻んだ。
「うおぉぉぉぉ!!」
ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!阻まれてもお構いなく小さな巨人は拳を、肘を、膝を、背中を風障壁(バリアー)にぶつける。空気の壁はぶ厚いゴムの塊りを叩くようなもの痛くないわけがない。攻撃は決して俺には届かない。しかし、おれも動けなかった。爆発風でなく無風からの障壁を張るためには常に空気の面を圧していなければならない。手のひらと空気が摩擦し続けて皮膚がへげていくのがわかった両手が焼けているのだ。攻撃の連打が急に止まり拳を解いて、摩耶はそっと空気の壁に手をつける。
「うん……凄い。本当にこの風のバリアーはもの凄い鉄壁で厄介だね。だけど……」
透明な壁に阻まれている摩耶の手がバジリッと音を立ててバリアーを破いた。空圧が変わって俺の鉄壁は完全に崩壊する。
「破られた?!」
驚いてるおれの手にひらと摩耶の手のひらがぴったりと重なった。これは、かつて俺の腕から肉を圧迫破壊した技、卯天の空掌だ。摩耶はこんなものまでマスターしていたという事と絶対不可侵の風障壁をいともたやすく打ち破った事実に俺は驚きを隠せなかった。彼はいう。
「引きこもってちゃ悠君らしくないよっ!!」
「ぐぁっ?!」
摩耶は、手のひらを重ねたまま腕を振り下ろした。磁石のS極とN極のように張り着き合って繋がる俺は顎から地面に倒された。首をあげて頭への衝撃を辛うじて避けた結果シャチホコみたいな恰好で地面に衝突する。耐久力がとっくに無くなっている胸に鈍い熱が広がって背中へ抜けた。歯を食いしばっていると、また腕が引っ張られる。俺と摩耶の手のひらは繋がり合ったままだ。上半身を無理矢理引き起こされ腹部の右上、ほぼ肋骨の下に靴のつま先が突き刺さった。それはさっき殴られた場所と寸分の狂いがない。
「ぐぇっ…!!」
体内もボロボロなのだろう胃液ものぼって来なくなった喉の奥から赤い汁が飛び出した。突き立つ足が抜ける。……っが、間髪いれずに痛みが走る。執拗に同じ場所を攻撃してくる摩耶。
そして右腕を自分の方へと引いた。当然俺は引っ張り込まれて頭から摩耶へと向かっていく。
「はあぁぁっ!!」
倒れ込む先には摩耶の膝が用意されていた。冗談じゃない。俺は両足で地面を蹴って腰を切った。体重差は歴然。当然摩耶の身体は俺に振り回されて地面に激突する。
「ぐ……ぁっ!」
「が……あっ!」
初ダメージ。だが受け身を取れないのは俺も同じで二人仲良く大地にボディプレスをぶち込む間抜けな絵面だ。