ー夏休み編ー技と力と策
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ともきが黙っていると稲葉は笑顔を崩していった。
「ノリが悪いわね。もっと「わーい、稲葉お姉さんだぁ」とかくらい言ってくれてもいいのに。パンツスーツじゃなくタイトスカートでストッキングのほうが女教師っぽかったかしら?」
稲葉はねぇ?っと側で辺りを警戒している卯天の肩を叩いた。どう反応していいのか分からなかったのか、困ったような笑顔でうなずいている。ともきがいった。
「いや、今はそういう冗談に乗ってる場合じゃないから」
「こういう場合だからリラックスは大切なのに……まぁ、いいわ。話を戻しましょう。」
脱線したのはお前だろうとツッコミを我慢して、そこまで出かかった言葉を飲みこんでともきはうなずいた。
「柏さんの狙いは悠、悠の狙いは柏さん。この方程式は変わらないにしても、柏さんの事だから全力で悠を潰そうとしてくるでしょうね。強固な守りと悪魔のような攻めで例えるならZ状態と必死」
Zとは将棋で言う、その瞬間絶対に詰まない状態。「Z」という名称の由来はもともと漢字の「是」=「完全な状態」からきている。そこから「絶対に詰まない」の「絶」から愛称のように「Z」となった。敵の大将(柏)はZ状態。そして必死は「次の手番に詰みを逃れられない」最強クラスの手。必死に勝てるのは即詰みだけ、だが必死に絶対詰まないのZ状態がプラスされると即詰みは無効。勝ちが確定する最高最強の組み合わせは「Z」と「必死」。この島は盤上、人は駒、柏と悠のDEATH将棋。
「待ってくれ、話しの腰を折るようで悪いけど悠に手駒なんて無いだろ。」
千夜や紅、宮塚や炎銃は確かにいる。だが、彼らが悠のいうことを聞いて動くわけがない、それに現在皆バラバラに散ってしまっている。
「そうよ。それが手だったんでしょうね。」
稲葉は淡々と説明した。
「柏さんにとってイレギュラー要素は万が一に、億が一にも団結を組まれること。だから……もう散りじりにさせられて悠が個人で居る時に襲撃をしたはずだわ。私の読みが当たって居ればだけど……。もちろん必死で」
「なんで、分かる?」
稲葉はタブレット端末をともきに向けた。液晶画面には、この島の全面地図とおぼしきものに「紅」「炎銃」「ともき」……自分の名前を含めて知り合いの名前が色んな場所で点滅している。目線でこれは?と聞く。意図を解して稲葉はいった。
「皆の携帯から位置を割りだしてマップに転送してあるの。私は禅君とこれの微調整や打ち合わせがあったから皆とは一緒に来れなかったんだけど……その間も、しっかりと様子は見てたのよ?」
「どうやって?」
「この島中には監視カメラが張り巡らされてるの気がつかなかった?それを禅君がハッキングして色んな場所を盗撮してるのよ。」
タブレットを突くと、稲葉の姿が斜め上から映された画像が表示される。
「ま、これもきっとやってることバレてるんだろうけどね。妨害もないし盗撮は続けてるけど……。それで、見て今全員がバラバラに散ってるでしょ?これはもう柏さんの思惑通りに動かされてるのよ。さっきもいったけど悠と組まれたら困るから適当にバラバラにした。そして、悠への集中攻撃をかけてると推理できるでしょ?ただ、見たところ悠の居場所が出て無いから携帯の電源が切れてるか壊れてるのね。」
「それって……悠はもう」
稲葉は微笑を浮かべて首を左右に振る。
「見て柏さんはここ、そして駒裡ちゃんがここに居るってことは目と鼻の先に……悠はまだ闘ってるってことよ。」
ひと安心してタブレット上のマップを眺めてると、妙なことに気がついた。居ない、ついさっきまで一緒にいたはずの人物の名前が映っていないのだ。
「あれ、稲葉、この端末に映ってるのって全員じゃないのか?」
自分と禅君のどちらかが電話番号を交換している相手は映ると答えた。ただ非戦闘員や普通の人らは消してあるとも、なら、やはりおかしい。ともきはいった。
「亮が映ってない。そこのホテルに居るはずなのに」
「電源を切ってあるとか壊れてるんなら悠と同じように映らないけど……気になるわね。卯天君」
名前を呼ばれて彼は振り向いた。
「はい、行ってみましょう。オレが先頭するので着いてきてください。」
うなずいて小柄ながらに素早い卯天の背中を追って着いていく。
「ノリが悪いわね。もっと「わーい、稲葉お姉さんだぁ」とかくらい言ってくれてもいいのに。パンツスーツじゃなくタイトスカートでストッキングのほうが女教師っぽかったかしら?」
稲葉はねぇ?っと側で辺りを警戒している卯天の肩を叩いた。どう反応していいのか分からなかったのか、困ったような笑顔でうなずいている。ともきがいった。
「いや、今はそういう冗談に乗ってる場合じゃないから」
「こういう場合だからリラックスは大切なのに……まぁ、いいわ。話を戻しましょう。」
脱線したのはお前だろうとツッコミを我慢して、そこまで出かかった言葉を飲みこんでともきはうなずいた。
「柏さんの狙いは悠、悠の狙いは柏さん。この方程式は変わらないにしても、柏さんの事だから全力で悠を潰そうとしてくるでしょうね。強固な守りと悪魔のような攻めで例えるならZ状態と必死」
Zとは将棋で言う、その瞬間絶対に詰まない状態。「Z」という名称の由来はもともと漢字の「是」=「完全な状態」からきている。そこから「絶対に詰まない」の「絶」から愛称のように「Z」となった。敵の大将(柏)はZ状態。そして必死は「次の手番に詰みを逃れられない」最強クラスの手。必死に勝てるのは即詰みだけ、だが必死に絶対詰まないのZ状態がプラスされると即詰みは無効。勝ちが確定する最高最強の組み合わせは「Z」と「必死」。この島は盤上、人は駒、柏と悠のDEATH将棋。
「待ってくれ、話しの腰を折るようで悪いけど悠に手駒なんて無いだろ。」
千夜や紅、宮塚や炎銃は確かにいる。だが、彼らが悠のいうことを聞いて動くわけがない、それに現在皆バラバラに散ってしまっている。
「そうよ。それが手だったんでしょうね。」
稲葉は淡々と説明した。
「柏さんにとってイレギュラー要素は万が一に、億が一にも団結を組まれること。だから……もう散りじりにさせられて悠が個人で居る時に襲撃をしたはずだわ。私の読みが当たって居ればだけど……。もちろん必死で」
「なんで、分かる?」
稲葉はタブレット端末をともきに向けた。液晶画面には、この島の全面地図とおぼしきものに「紅」「炎銃」「ともき」……自分の名前を含めて知り合いの名前が色んな場所で点滅している。目線でこれは?と聞く。意図を解して稲葉はいった。
「皆の携帯から位置を割りだしてマップに転送してあるの。私は禅君とこれの微調整や打ち合わせがあったから皆とは一緒に来れなかったんだけど……その間も、しっかりと様子は見てたのよ?」
「どうやって?」
「この島中には監視カメラが張り巡らされてるの気がつかなかった?それを禅君がハッキングして色んな場所を盗撮してるのよ。」
タブレットを突くと、稲葉の姿が斜め上から映された画像が表示される。
「ま、これもきっとやってることバレてるんだろうけどね。妨害もないし盗撮は続けてるけど……。それで、見て今全員がバラバラに散ってるでしょ?これはもう柏さんの思惑通りに動かされてるのよ。さっきもいったけど悠と組まれたら困るから適当にバラバラにした。そして、悠への集中攻撃をかけてると推理できるでしょ?ただ、見たところ悠の居場所が出て無いから携帯の電源が切れてるか壊れてるのね。」
「それって……悠はもう」
稲葉は微笑を浮かべて首を左右に振る。
「見て柏さんはここ、そして駒裡ちゃんがここに居るってことは目と鼻の先に……悠はまだ闘ってるってことよ。」
ひと安心してタブレット上のマップを眺めてると、妙なことに気がついた。居ない、ついさっきまで一緒にいたはずの人物の名前が映っていないのだ。
「あれ、稲葉、この端末に映ってるのって全員じゃないのか?」
自分と禅君のどちらかが電話番号を交換している相手は映ると答えた。ただ非戦闘員や普通の人らは消してあるとも、なら、やはりおかしい。ともきはいった。
「亮が映ってない。そこのホテルに居るはずなのに」
「電源を切ってあるとか壊れてるんなら悠と同じように映らないけど……気になるわね。卯天君」
名前を呼ばれて彼は振り向いた。
「はい、行ってみましょう。オレが先頭するので着いてきてください。」
うなずいて小柄ながらに素早い卯天の背中を追って着いていく。