ー夏休み編ー悪と邪鬼・続
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カゲコは質問相手の矛先を変えた。
「……コマリ、どうなってんの?」
「これは…砂嵐と同じ現象です」
「砂嵐?」
アラビアの砂漠の民は砂嵐をハブーブ。
大地の風と呼ぶ。
秒速80mで襲い来る砂は、逃げ遅れたあらゆる物を呑み込み高速研磨器(グラインダー)のように削り取っていく。
大地の風
響きは美しいが、それは人間にとって大きな禍でしかない。
「初弾の弾針勁で舞い上がった砂を、二発目の回転を加えた弾針勁で撃ったんですよね。よく思い付きましたね」
悠は大きく深呼吸してからいった。
顔中に汗の玉が浮かんでいる。
「あぁ、もともと弾針勁は空気を叩く技だからな。最初に風の道を決めて打てば竜巻状に出来るんじゃ無いかと思ってたんだよ。あとは砂を巻き上げてバリ濃いめで撃てば…弾針勁(大地の風vre)って訳だな。おまけに破片の弾丸つきだし。」
へぇと感心するカゲコの隣でコマリはにっこりと笑っていった。
背後に黒い炎が見える。
「思ってた。…って事は確信が有ってやった訳じゃないんですね……?」
「え、あーそのなんだ…ほら、俺って本番に強いタイプだかさ。いっひっひ。」
「もう少し考えてください!いくら悠くん、だからって、何発でも撃てる訳じゃないんですよ!それと、両手を見せてください!」
「え、いや…平気っ…」
「いいから早く出して!」
「はい!」
悠はコマリの迫力に負けてキョンシーのように両手をピンッと伸ばす。人間災害を起こした男とは思えないほど従順だった。
カゲコは何なんだコイツは笑いながら、手を見ると表情が固まった。
「うっ…なんだそれ」
悠の両手の甲は皮膚が破けて焼きゴテを当てたような痕が出来ている。
しかも一度や二度ではなく何度も同じように傷が重なっているようだ。
コマリはいった。
「火傷と同じですよ。空気を叩くということは、手と空気の面が重なります。そこから生まれる摩擦でこうなるんです……。」
体育館やフローリングの床で擦れて火傷やシューズの底が溶けた経験はあるだろうか。
それは床などは摩擦率が高く滑り止めの役割があるからた。
空気は密度がきつくなればきつくなるほど、その摩擦力が高くなる。
それは音速で飛び交う飛行機ですら時おり空気の摩擦によって機体の一部が壊れたりするほどだ。
音速ほどは出ていなくとも人間の拳が空気の面を叩きながら押し潰すとしたら、どれだけ鍛えられていても柔らかい人間の皮膚などは簡単に巻き込んで切り裂き破いて焼き付けてしまう。
コマリが龍剄気孔を使うのを止めるのは何も剄力を使うからではなく、その際に生まれる二次被害に悠の手が本当に使えなくなってしまう可能性があるからだった。
傷つくと同時に火傷すると言うことは細胞が死んで治るものも治らなくなり、最悪、皮膚移植も考えなくてはいけなくなる。
「……コマリ、どうなってんの?」
「これは…砂嵐と同じ現象です」
「砂嵐?」
アラビアの砂漠の民は砂嵐をハブーブ。
大地の風と呼ぶ。
秒速80mで襲い来る砂は、逃げ遅れたあらゆる物を呑み込み高速研磨器(グラインダー)のように削り取っていく。
大地の風
響きは美しいが、それは人間にとって大きな禍でしかない。
「初弾の弾針勁で舞い上がった砂を、二発目の回転を加えた弾針勁で撃ったんですよね。よく思い付きましたね」
悠は大きく深呼吸してからいった。
顔中に汗の玉が浮かんでいる。
「あぁ、もともと弾針勁は空気を叩く技だからな。最初に風の道を決めて打てば竜巻状に出来るんじゃ無いかと思ってたんだよ。あとは砂を巻き上げてバリ濃いめで撃てば…弾針勁(大地の風vre)って訳だな。おまけに破片の弾丸つきだし。」
へぇと感心するカゲコの隣でコマリはにっこりと笑っていった。
背後に黒い炎が見える。
「思ってた。…って事は確信が有ってやった訳じゃないんですね……?」
「え、あーそのなんだ…ほら、俺って本番に強いタイプだかさ。いっひっひ。」
「もう少し考えてください!いくら悠くん、だからって、何発でも撃てる訳じゃないんですよ!それと、両手を見せてください!」
「え、いや…平気っ…」
「いいから早く出して!」
「はい!」
悠はコマリの迫力に負けてキョンシーのように両手をピンッと伸ばす。人間災害を起こした男とは思えないほど従順だった。
カゲコは何なんだコイツは笑いながら、手を見ると表情が固まった。
「うっ…なんだそれ」
悠の両手の甲は皮膚が破けて焼きゴテを当てたような痕が出来ている。
しかも一度や二度ではなく何度も同じように傷が重なっているようだ。
コマリはいった。
「火傷と同じですよ。空気を叩くということは、手と空気の面が重なります。そこから生まれる摩擦でこうなるんです……。」
体育館やフローリングの床で擦れて火傷やシューズの底が溶けた経験はあるだろうか。
それは床などは摩擦率が高く滑り止めの役割があるからた。
空気は密度がきつくなればきつくなるほど、その摩擦力が高くなる。
それは音速で飛び交う飛行機ですら時おり空気の摩擦によって機体の一部が壊れたりするほどだ。
音速ほどは出ていなくとも人間の拳が空気の面を叩きながら押し潰すとしたら、どれだけ鍛えられていても柔らかい人間の皮膚などは簡単に巻き込んで切り裂き破いて焼き付けてしまう。
コマリが龍剄気孔を使うのを止めるのは何も剄力を使うからではなく、その際に生まれる二次被害に悠の手が本当に使えなくなってしまう可能性があるからだった。
傷つくと同時に火傷すると言うことは細胞が死んで治るものも治らなくなり、最悪、皮膚移植も考えなくてはいけなくなる。