ー夏休み編ー悪と邪鬼・続
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半歩反応が遅れてカゲコは眉間にシワを寄せた。
目付きも険しくなり、悠を睨みあげて早口にいった。
「ふざけないで!!このッ…」
悠の頬めがけて、左手を振るった。
しかし、簡単に手は掴まれしまう。
カゲコは反射的に右の手も振り上げたが同じように掴まれて、無理矢理にバンザイさせられた子供のように悠に捕まった。
カゲコは苦々しくいった。
「くそ、離せ!」
「離してもやるし、案内したくないならしなくてもいいから暴れるな。俺は別にお前に興味はない。ただ柏の居場所が知りたかっ……」
それは後ろから飛んできた。
頬をかすめて鋭利なナイフが飛んできた。
悠が視野に捉えれたのはカゲコの顔とナイフの距離が残り数センチになったときだった。
「えっ…」
それは前から飛んできた。
悠の頬をかすめて鋭利なナイフが飛んできた。
ハッキリと自分の顔へと向かってくる切っ先が恐ろしくスローモーションで流れてくる。
そして、カゲコの目の前は真っ赤になった。
「っ…なっ…んでっ…アンタ…」
「あ、あぁ…悠さんっ!?」
コマリは叫び、カゲコは顔に付着する血を拭わずに目の前数ミリでナイフの刃を握りしめている悠の手と痛みに歯を喰い縛っている表情を見つめた。
「くっ…」
悠は口のなかで小さく声を漏らして掌中の腹をザックリと切り開いている刃を地面に投げ捨てた。傷口からは炭酸飲料のプルタブを開けたように霧状の赤い飛沫が散る。
手を開らいため、よりいっそうに深く傷が抉れて湧き水のように赤黒い液体が止めどなく溢れでる。
手首から腕へと滴り落ちていく。
止血代わりに拳を握りしめた。
しかし、指と指の隙間からブチュチュと気持ちの悪い音がしながら血泡がにじみ出ている。
悠はコマリとカゲコを背中に隠すように振り返りながら叫んだ。
「誰だっ!」
「クク、まさか本当に会えるとは……久しぶりだなァ。エェ?小鳥遊悠」
喉が潰れたようなダミ声でフルネームを呼んできたのは外国人だった。
ソイツが喋り始めると同時に四方からライトが一斉に光り。
悠とその男が照らされる。
目測換算で身長は二メートルくらいだろう。
頭は丸坊主で口元にボツボツと生えた無精髭がどこか厭らしい感じの男だった。
「ふぅーっ…ふぅーっ…」
興奮しきっているのか肩で息をしている。
しかし、この熱帯夜に平然とボディアーマーを着込んでいられるのはどういう神経をしているのだろう。
だが、そんなことより気になったのは筋肉のつきかたが異常だったことだ。
金剛や拳二みたいに肉体にあわせて育んだものでもビルトアップのし過ぎ等で得た身体でははない。
あきらかに……ステロイド系の薬物を投与している筋肉の造りだ。
目付きも険しくなり、悠を睨みあげて早口にいった。
「ふざけないで!!このッ…」
悠の頬めがけて、左手を振るった。
しかし、簡単に手は掴まれしまう。
カゲコは反射的に右の手も振り上げたが同じように掴まれて、無理矢理にバンザイさせられた子供のように悠に捕まった。
カゲコは苦々しくいった。
「くそ、離せ!」
「離してもやるし、案内したくないならしなくてもいいから暴れるな。俺は別にお前に興味はない。ただ柏の居場所が知りたかっ……」
それは後ろから飛んできた。
頬をかすめて鋭利なナイフが飛んできた。
悠が視野に捉えれたのはカゲコの顔とナイフの距離が残り数センチになったときだった。
「えっ…」
それは前から飛んできた。
悠の頬をかすめて鋭利なナイフが飛んできた。
ハッキリと自分の顔へと向かってくる切っ先が恐ろしくスローモーションで流れてくる。
そして、カゲコの目の前は真っ赤になった。
「っ…なっ…んでっ…アンタ…」
「あ、あぁ…悠さんっ!?」
コマリは叫び、カゲコは顔に付着する血を拭わずに目の前数ミリでナイフの刃を握りしめている悠の手と痛みに歯を喰い縛っている表情を見つめた。
「くっ…」
悠は口のなかで小さく声を漏らして掌中の腹をザックリと切り開いている刃を地面に投げ捨てた。傷口からは炭酸飲料のプルタブを開けたように霧状の赤い飛沫が散る。
手を開らいため、よりいっそうに深く傷が抉れて湧き水のように赤黒い液体が止めどなく溢れでる。
手首から腕へと滴り落ちていく。
止血代わりに拳を握りしめた。
しかし、指と指の隙間からブチュチュと気持ちの悪い音がしながら血泡がにじみ出ている。
悠はコマリとカゲコを背中に隠すように振り返りながら叫んだ。
「誰だっ!」
「クク、まさか本当に会えるとは……久しぶりだなァ。エェ?小鳥遊悠」
喉が潰れたようなダミ声でフルネームを呼んできたのは外国人だった。
ソイツが喋り始めると同時に四方からライトが一斉に光り。
悠とその男が照らされる。
目測換算で身長は二メートルくらいだろう。
頭は丸坊主で口元にボツボツと生えた無精髭がどこか厭らしい感じの男だった。
「ふぅーっ…ふぅーっ…」
興奮しきっているのか肩で息をしている。
しかし、この熱帯夜に平然とボディアーマーを着込んでいられるのはどういう神経をしているのだろう。
だが、そんなことより気になったのは筋肉のつきかたが異常だったことだ。
金剛や拳二みたいに肉体にあわせて育んだものでもビルトアップのし過ぎ等で得た身体でははない。
あきらかに……ステロイド系の薬物を投与している筋肉の造りだ。