ー夏休み編ー悪と邪鬼・続
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夜風に葉がかすれあう音と海のさざ波。
リーリーと鳴く虫の声が占めている森のなかに、異質な騒音が響いていた。
「あっ…あっひゃ、あひゃひゃひゃひゃ!や、やめっ…あひゃひゃっ」
コマリは絡み付くように粘着質な指使いで少女の首筋や耳たぶをいじりまわしている悠を呆れて見ていた。
さっきまでとは別人なんじゃないかと思ってしまうほどに悠の顔に締まりはない。
「ほーれ、さっさと質問に答えないとR指定かかっちゃうようなところにも手がいっちゃうぞ。」
「あひゃひゃ…ひぅ、ひぅかひゃら、ひゃめへくひゃふぃ(いう、いうから、止めてください)!」
悠は指を動かすのをピタリと止めた。
少女は頬を赤く染めてハァハァと肩で息をしている。
悠はひと指し指と親指で耳たぶの先を軽くつまんでいった。
それだけで少女はビクッと肩を震わせた。
「まず、名前?」
呟くように少女は口をもごつかせた。
「音無影子(おとなしえいこ)…」
「影子(かげこ)か」
「影子(えいこ)よ!」
悠はカゲコの訴えを無視していった。
「それで、カゲコ。お前はいつから俺を見張ってた?」
「エイコってるでしょ……ずっとよ。アンタは気がつかなかったでしょうけど、あたいはずっと見張ってた。アンタが十神将一派達と修行してる時からね…もうこの際だから教えてあげるわ。いまこのやり取りもすべて柏さんに筒抜けよ。」
カゲコは開き直ったように胸のポケットにつけているアクセみたいな物を指差した。
よくみたら、小型のマイクとカメラだ。
「あとはアンタの読み通りよ…後をつけながら居場所を報告して指示を待つ。まさか、バレるとは思わなかったけどね……だけど、今ごろ何人もの兵がここに向かってるわよ。逃げなくていいの?」
少女はさっきとは打って代わり、クスクスと強気に笑う。
悠はカゲコの胸ぐらをつかんで自分の方へ引き寄せた。
「っ…」
カゲコは殴られると目を閉じる覚悟を決めたように表情を強張らせたが、悠は胸のマイクに向かっていった。
「あー、あー、聞こえてるか?くそ柏、こんな娘まで利用するのがお前のやり口なら…覚悟しとけ、俺はいまからテメェのくそウザイタレ目面をぶん殴りにいってやる。」
言い終わると、悠はカゲコのポケットからマイクとカメラを引き抜いて地面に落とし、踏み潰した。
景気のいい機械の壊れる音が鳴る。
「よし、これでこっちの情報は流れないだろう……それで、カゲコ」
「な、なによ」
悠は右手ではカゲコの耳たぶをつまんだまま、左手でVサインをつくり、目の前に突きつけていった。
「選ばせてやる。今すぐここから消えるか、俺を柏の所に案内するかの二択だ。」
リーリーと鳴く虫の声が占めている森のなかに、異質な騒音が響いていた。
「あっ…あっひゃ、あひゃひゃひゃひゃ!や、やめっ…あひゃひゃっ」
コマリは絡み付くように粘着質な指使いで少女の首筋や耳たぶをいじりまわしている悠を呆れて見ていた。
さっきまでとは別人なんじゃないかと思ってしまうほどに悠の顔に締まりはない。
「ほーれ、さっさと質問に答えないとR指定かかっちゃうようなところにも手がいっちゃうぞ。」
「あひゃひゃ…ひぅ、ひぅかひゃら、ひゃめへくひゃふぃ(いう、いうから、止めてください)!」
悠は指を動かすのをピタリと止めた。
少女は頬を赤く染めてハァハァと肩で息をしている。
悠はひと指し指と親指で耳たぶの先を軽くつまんでいった。
それだけで少女はビクッと肩を震わせた。
「まず、名前?」
呟くように少女は口をもごつかせた。
「音無影子(おとなしえいこ)…」
「影子(かげこ)か」
「影子(えいこ)よ!」
悠はカゲコの訴えを無視していった。
「それで、カゲコ。お前はいつから俺を見張ってた?」
「エイコってるでしょ……ずっとよ。アンタは気がつかなかったでしょうけど、あたいはずっと見張ってた。アンタが十神将一派達と修行してる時からね…もうこの際だから教えてあげるわ。いまこのやり取りもすべて柏さんに筒抜けよ。」
カゲコは開き直ったように胸のポケットにつけているアクセみたいな物を指差した。
よくみたら、小型のマイクとカメラだ。
「あとはアンタの読み通りよ…後をつけながら居場所を報告して指示を待つ。まさか、バレるとは思わなかったけどね……だけど、今ごろ何人もの兵がここに向かってるわよ。逃げなくていいの?」
少女はさっきとは打って代わり、クスクスと強気に笑う。
悠はカゲコの胸ぐらをつかんで自分の方へ引き寄せた。
「っ…」
カゲコは殴られると目を閉じる覚悟を決めたように表情を強張らせたが、悠は胸のマイクに向かっていった。
「あー、あー、聞こえてるか?くそ柏、こんな娘まで利用するのがお前のやり口なら…覚悟しとけ、俺はいまからテメェのくそウザイタレ目面をぶん殴りにいってやる。」
言い終わると、悠はカゲコのポケットからマイクとカメラを引き抜いて地面に落とし、踏み潰した。
景気のいい機械の壊れる音が鳴る。
「よし、これでこっちの情報は流れないだろう……それで、カゲコ」
「な、なによ」
悠は右手ではカゲコの耳たぶをつまんだまま、左手でVサインをつくり、目の前に突きつけていった。
「選ばせてやる。今すぐここから消えるか、俺を柏の所に案内するかの二択だ。」