ー夏休み編ー悪と邪鬼・続
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宮塚はゆっくりと右手を自分の顔の高さまであげた。それを見た女は歩みをピタリっと、止めていった。
「なにかしら?」
「……エジプトの手品にはロープを使った物が多い。その中には、人に絡み付いて遥か上空に舞い上げられたりする物もある」
「なに?こんな状況でマジックでも見せてくれるつもり」
「それに……あと、ロープがひとりでに動いたりするとかな…」
宮塚は口の端だけを軽くつり上げて笑った。
突如、地面に落ちていた黒い鞭がのたうった。
大きく波を打つと女の真上一直線に振り降りてくる。
「なっっ…!」
得意の鎖でのガードが間に合わず、避けようと半円を描くように身を翻した。
されど突然の出来事に反応が遅れが招じ、黒蛇が左肩の服を抉り取っていく。
「ふざけたまねを絞め…っ!?」
鎖の束を引っ張るがギヂヂヂっと何か砂でも噛んだような音がしていっこうに動かない。
結界を見てみると、中にいるはずの宮塚は脱出して、黒蛇(鞭)をゆっくりと拾い上げている。
女は驚いたようにいった。
「ど、どうやって…」
「……鎖は鞭と違って鉄の輪を繋ぎ合わせてある。なら、そこの繋ぎ目の間に楔をいれれば…どうだ?」
そういわれて、女はさっきと今で宮塚の格好の違いに気がついた。
上服がポロシャツのようなものからタンクトップに変わっている。
「まさか…」
さっきの一瞬の隙に鎖と鎖が重なりあってる場所に服を擦り付けて布の楔をカマシて動かなくした。
当然、絞り込まなくなった結界など、いくらでも隙間をつくって、雑作もなく脱出できる。
女は手にしている鎖の束を捨てて、つぎの鎖を抜いた。
「動くな。」
「?!」
一喝されて動きが止まった……訳ではない。
動かないじゃなく、動けない。
手や足が透明のナニかに巻き付かれて束縛されているような感覚に女は目を凝らして動かせない腕の部分を見た。
「これは…糸?」
手首だけではない、二の腕、胸元、足元……その辺りに無数の黒糸が張り巡らされている。
「こんな…いつのまに…」
いくら夜で黒色が溶け込むといっても、気がつけば肉眼で確認できる糸を一瞬で仕掛けれる訳がない。
宮塚は手にしている、鞭の先をつまんで見せた。
蛇頭の形になっていた先端部が解れて無数の糸の束を吐き出していた。
「馬尾鞭は駿馬にのみ生える美しく長い尾毛を何千何万も編み込み作られている。それが絡まってしまえば人間の力でどうこう出来るわけがない」
宮塚はヒュンッと鞭を空中で踊らせると女に絡まっていた黒色が締まり、ボンレスハムのようになって、地面に倒れた。
さながら、蜘蛛の糸に捕まった芋虫のようだ。
女は唯一自由のきく首を必死に持ち上げて宮塚を睨み付けた。
「貴様!」
「借りるぞ…。」
「な、こら!やめろ!!」
宮塚は女が落とした手錠を拾って、後ろ手にした右腕と左足首の片方づつに手錠をかけた。
手と足が繋がれて不格好なシャチホコみたいな形に完全に拘束の決まった女はもうのたうつことも出来なくなる。
「なにかしら?」
「……エジプトの手品にはロープを使った物が多い。その中には、人に絡み付いて遥か上空に舞い上げられたりする物もある」
「なに?こんな状況でマジックでも見せてくれるつもり」
「それに……あと、ロープがひとりでに動いたりするとかな…」
宮塚は口の端だけを軽くつり上げて笑った。
突如、地面に落ちていた黒い鞭がのたうった。
大きく波を打つと女の真上一直線に振り降りてくる。
「なっっ…!」
得意の鎖でのガードが間に合わず、避けようと半円を描くように身を翻した。
されど突然の出来事に反応が遅れが招じ、黒蛇が左肩の服を抉り取っていく。
「ふざけたまねを絞め…っ!?」
鎖の束を引っ張るがギヂヂヂっと何か砂でも噛んだような音がしていっこうに動かない。
結界を見てみると、中にいるはずの宮塚は脱出して、黒蛇(鞭)をゆっくりと拾い上げている。
女は驚いたようにいった。
「ど、どうやって…」
「……鎖は鞭と違って鉄の輪を繋ぎ合わせてある。なら、そこの繋ぎ目の間に楔をいれれば…どうだ?」
そういわれて、女はさっきと今で宮塚の格好の違いに気がついた。
上服がポロシャツのようなものからタンクトップに変わっている。
「まさか…」
さっきの一瞬の隙に鎖と鎖が重なりあってる場所に服を擦り付けて布の楔をカマシて動かなくした。
当然、絞り込まなくなった結界など、いくらでも隙間をつくって、雑作もなく脱出できる。
女は手にしている鎖の束を捨てて、つぎの鎖を抜いた。
「動くな。」
「?!」
一喝されて動きが止まった……訳ではない。
動かないじゃなく、動けない。
手や足が透明のナニかに巻き付かれて束縛されているような感覚に女は目を凝らして動かせない腕の部分を見た。
「これは…糸?」
手首だけではない、二の腕、胸元、足元……その辺りに無数の黒糸が張り巡らされている。
「こんな…いつのまに…」
いくら夜で黒色が溶け込むといっても、気がつけば肉眼で確認できる糸を一瞬で仕掛けれる訳がない。
宮塚は手にしている、鞭の先をつまんで見せた。
蛇頭の形になっていた先端部が解れて無数の糸の束を吐き出していた。
「馬尾鞭は駿馬にのみ生える美しく長い尾毛を何千何万も編み込み作られている。それが絡まってしまえば人間の力でどうこう出来るわけがない」
宮塚はヒュンッと鞭を空中で踊らせると女に絡まっていた黒色が締まり、ボンレスハムのようになって、地面に倒れた。
さながら、蜘蛛の糸に捕まった芋虫のようだ。
女は唯一自由のきく首を必死に持ち上げて宮塚を睨み付けた。
「貴様!」
「借りるぞ…。」
「な、こら!やめろ!!」
宮塚は女が落とした手錠を拾って、後ろ手にした右腕と左足首の片方づつに手錠をかけた。
手と足が繋がれて不格好なシャチホコみたいな形に完全に拘束の決まった女はもうのたうつことも出来なくなる。