ー夏休み編ー悪と邪鬼・続
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拮抗していた弾き合いも徐々に黒い蛇が押されはじめた。
しかし、それでも宮塚の制空圏内に銀の蛇は一切潜入出来ていない。
ツナギの女は右手を巧みに振るいながら左手に新たな鎖を抜いて銀の蛇を増やした。
瞬時に宮塚も鞭の数を増やそうとしたが、銀の蛇が螺旋を描いて制空圏を抜けて向かってくる。
「ちっ…」
宮塚は振るっていた鞭を大きく渦巻くように回して銀の蛇を二つとも絡めとった。
ビンッと一筋の黒い糸から二又に分かれていく銀の糸が垂直に伸びる。
少しでも気を抜けばどちらが引っ張り困れてもおかしくない。
「やるわね」
「……」
宮塚は左の手でベルトにしているもう一本の鞭を引き抜いた。
だが、それと同時にガクンっと右手が軽くなった…。
鞭を引くが、鎖が絡まったままだ。女はそれを手放していた。
「私がいつ鎖が二本だといったかしら。」
女はそういって、どこから出したのか両手に新しい鎖を持ち、地面をゴリゴリと抉りながら向かってくる。
宮塚は冷静に左に持った鞭をナイキのマークを描くように振るった。
バシッとキレのある音が空を裂き女の足を狙う。
だが、それを避けながら女はぐんぐん距離を詰める。武器の特性からいえば近づきすぎな間合い。
それでも、宮塚は冷静だった。左手の鞭は常に攻めながらもう一本の鞭を小刻みに振るって絡まった鎖を解いていた。
右手を振り上げる。
女は感心したようにいった。
「へぇ、はずしたの。けど、これは…どうかしら!!」
アル・カルプ・アル・アスガル(小犬座アルファ星から)
女は急にその身を停止して後ろに跳んだ。
その背後から四本の鎖が飛び出してくる。
ラース・アル・ジャーシー(ヘラクレス座アルファ星へ)
うち二本が宮塚の鞭を握る両方の手を跳ねた。
弾かれた手から鞭が地面に落ち、同時に赤い液体も滴る。
鎖の先端には六角の鉄塊。
分銅のようなものがついていて少し触れただけでも皮膚くらいなら簡単に破いていく。
女が何かを紡ぐように手を振るうと宮塚を抜けていった四本の鎖の先端が木にぶつかりながら乱反射して宮塚の四方に結界を貼って捕らえ込んだ。
「繋げ星の道…。さぁ、チェックメイトよ。ボウヤ。」
隙間数センチもない鎖の結界に捕らえられた宮塚は観察するように上や下を眺める。
ランダムに張り巡らせているようで、鎖は星座を紡ぐ形で囲われていた。
女は鎖の束をゆっくりと引きながらいった。
ギリギリと結界が狭まっていく。
「下手に抵抗するなら…このままひき肉にするわよ。まぁ、それ以上はなにも出来ないでしょうけどね。」
頼みの鞭は結界の外、腕を伸ばせば届かない距離ではないがその前に女が鎖を絞り込むのが確実に早い。
「逃げるとかいって、あの娘から私を分断させて別れたのは失敗だったわね。格好つけすぎといったほうがいいかしら?まぁ、二人同時でも、きっと結果は変わらなかったでしょうけどね。なにより、操る技術に長けていても得物の差で勝敗がついてします。次からはアナタもチェーンにしたら?」
自分の言いたいことをいい終わると女は腰のポケットから手錠を取り出した。
どうやら、拘束するだけというのは本当らしい。
しかし、それでも宮塚の制空圏内に銀の蛇は一切潜入出来ていない。
ツナギの女は右手を巧みに振るいながら左手に新たな鎖を抜いて銀の蛇を増やした。
瞬時に宮塚も鞭の数を増やそうとしたが、銀の蛇が螺旋を描いて制空圏を抜けて向かってくる。
「ちっ…」
宮塚は振るっていた鞭を大きく渦巻くように回して銀の蛇を二つとも絡めとった。
ビンッと一筋の黒い糸から二又に分かれていく銀の糸が垂直に伸びる。
少しでも気を抜けばどちらが引っ張り困れてもおかしくない。
「やるわね」
「……」
宮塚は左の手でベルトにしているもう一本の鞭を引き抜いた。
だが、それと同時にガクンっと右手が軽くなった…。
鞭を引くが、鎖が絡まったままだ。女はそれを手放していた。
「私がいつ鎖が二本だといったかしら。」
女はそういって、どこから出したのか両手に新しい鎖を持ち、地面をゴリゴリと抉りながら向かってくる。
宮塚は冷静に左に持った鞭をナイキのマークを描くように振るった。
バシッとキレのある音が空を裂き女の足を狙う。
だが、それを避けながら女はぐんぐん距離を詰める。武器の特性からいえば近づきすぎな間合い。
それでも、宮塚は冷静だった。左手の鞭は常に攻めながらもう一本の鞭を小刻みに振るって絡まった鎖を解いていた。
右手を振り上げる。
女は感心したようにいった。
「へぇ、はずしたの。けど、これは…どうかしら!!」
アル・カルプ・アル・アスガル(小犬座アルファ星から)
女は急にその身を停止して後ろに跳んだ。
その背後から四本の鎖が飛び出してくる。
ラース・アル・ジャーシー(ヘラクレス座アルファ星へ)
うち二本が宮塚の鞭を握る両方の手を跳ねた。
弾かれた手から鞭が地面に落ち、同時に赤い液体も滴る。
鎖の先端には六角の鉄塊。
分銅のようなものがついていて少し触れただけでも皮膚くらいなら簡単に破いていく。
女が何かを紡ぐように手を振るうと宮塚を抜けていった四本の鎖の先端が木にぶつかりながら乱反射して宮塚の四方に結界を貼って捕らえ込んだ。
「繋げ星の道…。さぁ、チェックメイトよ。ボウヤ。」
隙間数センチもない鎖の結界に捕らえられた宮塚は観察するように上や下を眺める。
ランダムに張り巡らせているようで、鎖は星座を紡ぐ形で囲われていた。
女は鎖の束をゆっくりと引きながらいった。
ギリギリと結界が狭まっていく。
「下手に抵抗するなら…このままひき肉にするわよ。まぁ、それ以上はなにも出来ないでしょうけどね。」
頼みの鞭は結界の外、腕を伸ばせば届かない距離ではないがその前に女が鎖を絞り込むのが確実に早い。
「逃げるとかいって、あの娘から私を分断させて別れたのは失敗だったわね。格好つけすぎといったほうがいいかしら?まぁ、二人同時でも、きっと結果は変わらなかったでしょうけどね。なにより、操る技術に長けていても得物の差で勝敗がついてします。次からはアナタもチェーンにしたら?」
自分の言いたいことをいい終わると女は腰のポケットから手錠を取り出した。
どうやら、拘束するだけというのは本当らしい。