ー夏休み編ー悪と邪鬼・続
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マツリは膝を折り曲げて地面すれすれまで身を屈め、手裏剣を避けた。
頭上を通りすぎトットッと釘を軽く打ち立てるような音をうしろに両足の裏で力一杯地面を蹴りつける。
「おっ…」
マツリは地面を飛び抜ける。
その姿はさならが水上のアメンボウの様に早く、蛇行しながら距離を詰めていく。
「避けるねぇ。なら、これはどうかな。」
颯天は右に一本、左に一本の手裏剣を握った。
だが、両の手を振るうと羽が広がるように数十枚の刃の扇が表れる。
二本ではない。
二つの束にマツリの顔色が変わる。
指揮者のように力強く、巧みに腕を振るうと地面に銀の雨が降り注いだ。
「うっおぉぉ!!」
マツリは叫んだ。
上半身を左側へと無理矢理にひねり、右足の側刀部を地面に擦り付けた。
舞い上った砂ぼこりを切り裂きながら銀の鱗が落ちてくる。
スライディングブレーキで身体が止まると同時、左足で地面を蹴り、身体を曲げたまま海老のように跳んで後ろに下がった。
不安定な体勢から片手をついて、背中から一回転し、立ち上がる。
「っ…」
だが、すぐに片膝をついた。視線を違和感のある左足に向けると脹ら脛や太ももにマーカーで引いたような線が出来ていて、そこから赤いしずくが滴っている。
ブレーキをかけた一瞬に浴びた刃の雨は直撃こそ無かったもののしっかりと爪痕を残していた…。
目線をあげると、さっきまで居た場所には銀の鱗が無数に突き立って、未来的なアートにも見えた。
マツリは奥歯を食い縛り立ち上がると、熱が走る左足からは涙のように赤い液体が流れ出る。
颯天がシャラシャラと手の中で鱗を鳴らしながらいった。
「止めなって、その足じゃもう同じようなことはできないだろ。」
「ちっ…」
炎銃は舌を打った。
爆発的な機動力の正体は筋肉ではなく…柔らかさと股関節にある。
膝より上にある関節それは…股関節。
女の骨盤は男のそれより広く足が外側についている。
その分柔らかく可動域が広い。
人間の重心はその骨盤のほんの少し上にある。動きの基点が膝よりもずっと重心に近いなら……スムーズかつスピーディーな動きを生む。
それに加えた筋肉という重みは、マツリにあらゆる体勢からダッシュ(突撃)を行える力となった…。
だが、その骨盤を支える足にダメージがある場合…スピードは激減する。
「俺の目的は時間稼ぎだし、ここで終わろうぜ。姉さんのガッツは大したモンだよ。だけど、現実は一進一退…結局、俺とアンタの状況は変わらずだよ。」
敵が止めといっていて、立てるのも辛いダメージを受けている炎銃。
勝敗を見るならもうついていた。
だが、炎銃に火口祭には敵に情けをかけられて退くなどということは敗北よりも認めれない行為でしかなかった。
「はっ…はは、あははは!モジャ毛!ざけんじゃねぇぞ!テメェは絶対ここでぶっ潰す!」
「はぁ…こっちも仕事だ。アンタが立てれなくなる程度までやらせてもらおう。」
再び、否、三度目の銃を構えるマツリに颯天は手裏剣を飛ばした。
頭上を通りすぎトットッと釘を軽く打ち立てるような音をうしろに両足の裏で力一杯地面を蹴りつける。
「おっ…」
マツリは地面を飛び抜ける。
その姿はさならが水上のアメンボウの様に早く、蛇行しながら距離を詰めていく。
「避けるねぇ。なら、これはどうかな。」
颯天は右に一本、左に一本の手裏剣を握った。
だが、両の手を振るうと羽が広がるように数十枚の刃の扇が表れる。
二本ではない。
二つの束にマツリの顔色が変わる。
指揮者のように力強く、巧みに腕を振るうと地面に銀の雨が降り注いだ。
「うっおぉぉ!!」
マツリは叫んだ。
上半身を左側へと無理矢理にひねり、右足の側刀部を地面に擦り付けた。
舞い上った砂ぼこりを切り裂きながら銀の鱗が落ちてくる。
スライディングブレーキで身体が止まると同時、左足で地面を蹴り、身体を曲げたまま海老のように跳んで後ろに下がった。
不安定な体勢から片手をついて、背中から一回転し、立ち上がる。
「っ…」
だが、すぐに片膝をついた。視線を違和感のある左足に向けると脹ら脛や太ももにマーカーで引いたような線が出来ていて、そこから赤いしずくが滴っている。
ブレーキをかけた一瞬に浴びた刃の雨は直撃こそ無かったもののしっかりと爪痕を残していた…。
目線をあげると、さっきまで居た場所には銀の鱗が無数に突き立って、未来的なアートにも見えた。
マツリは奥歯を食い縛り立ち上がると、熱が走る左足からは涙のように赤い液体が流れ出る。
颯天がシャラシャラと手の中で鱗を鳴らしながらいった。
「止めなって、その足じゃもう同じようなことはできないだろ。」
「ちっ…」
炎銃は舌を打った。
爆発的な機動力の正体は筋肉ではなく…柔らかさと股関節にある。
膝より上にある関節それは…股関節。
女の骨盤は男のそれより広く足が外側についている。
その分柔らかく可動域が広い。
人間の重心はその骨盤のほんの少し上にある。動きの基点が膝よりもずっと重心に近いなら……スムーズかつスピーディーな動きを生む。
それに加えた筋肉という重みは、マツリにあらゆる体勢からダッシュ(突撃)を行える力となった…。
だが、その骨盤を支える足にダメージがある場合…スピードは激減する。
「俺の目的は時間稼ぎだし、ここで終わろうぜ。姉さんのガッツは大したモンだよ。だけど、現実は一進一退…結局、俺とアンタの状況は変わらずだよ。」
敵が止めといっていて、立てるのも辛いダメージを受けている炎銃。
勝敗を見るならもうついていた。
だが、炎銃に火口祭には敵に情けをかけられて退くなどということは敗北よりも認めれない行為でしかなかった。
「はっ…はは、あははは!モジャ毛!ざけんじゃねぇぞ!テメェは絶対ここでぶっ潰す!」
「はぁ…こっちも仕事だ。アンタが立てれなくなる程度までやらせてもらおう。」
再び、否、三度目の銃を構えるマツリに颯天は手裏剣を飛ばした。