ー夏休み編ー悪と邪鬼・続
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「足止め…か」
宮塚はマツリのタンクトップの襟首を掴んで自分の方に引き寄せた。
情緒不安定の猿みたいに暴れようとするので早口に耳打ちして、すぐに突き放した。
同時にマツリは勝手にしろと不機嫌そうに啖呵を切る。
「あぁ、勝手にする。付き合いきれん。俺は逃げさせて貰う。」
そういって、次の瞬間には宮塚は三人を残して全力で走り出した。
わざとジャリを蹴散らしていき、砂ぼこりがまきあがる。
ぽかんっとするくせ毛頭を他所に金髪はまるでわかっていたようにマツリの事を素通りして、逃げた宮塚を追って走り出す。
マツリも金髪には目もくれなかった。
「……いいの?お友だち追わなくて。けっこう強いよ…彼。」
「逃げた奴なんか知るか。それより、俺とやるんだろモジャ毛」
右手の銃を頭部に、左手の銃を腹部の位置で停止して、マツリはトリガーにかかった指に力を込める。
「モジャ毛って…それに、いきなり銃口向けるのはどうなんだろう…なっ?」
くせ毛男は挙手するように右腕を振り上げると、銀光が一直線に放たれる。
空気を切り裂いた音はキュッと何かが鳴いたようにも聞こえた。
反対側ではダスッとぐもった発砲音。
指の先くらいの大きさの弾が真っ直ぐに発射された。
二人の間で銀光と弾がぶつかるのが始まりだった。
男はあげていた腕を振り下ろと、今度は三つの銀光が飛んでいく。
マツリはそれを撃ち落としながら一番近い樹の後ろに身を隠した。
そして、撃ちたモノの正体を確認する。
月明かりを反射して光るそれは十五センチ定規くらいの鉄板。
ただ定規と決定的に違うのは頂点と底辺が流線型になっている両刃の鱗。
マツリはつぶやいた。
「ナイフ……じゃねぇな。」
「投刃…かな。姉さんの銃弾と俺の刃どっちの数が多いかな?」
声は後ろから聞こえていたが、左右から鱗が二本飛んできた。
それが樹にぶつかって跳ね返りマツリに襲いかかる。
前に飛び込み刃を避け、二度三度と地面を転がりつけて、別の樹に張り付いた。
「野郎…ワンクッションで狙って来やがった……」
反射(リフレクトスナイプ)で狙ってくるということはそうとう投擲に自信があるのだろう。
しかも一本じゃなく左右から二本。
マツリはマガジンのストックを確認する。
ケツのポケットに一本、ベルトに一本の計二本…。
このまま長期戦で闘るのは不利。
それにちまちまとやるのが性にあわない性格が、マツリから隠れるという選択肢を消し去った。
若草を踏みつけてゆっくりと追ってきた奴の前に堂々と対面する。
扇のように鱗を広げてもじゃ毛はいった。
「諦めてくれた…って感じじゃないよな。」
「寝言は寝ていえもじゃ毛。今からテメェの面にぶちこんでやるよ。」
「ソイツは…勘弁だね。あと俺の名前は颯天(はやて)だ。女嫌いに拍車をかけないでくれよっ。」
斜め下に腕を振り下ろすと鱗が二本放たれた。
宮塚はマツリのタンクトップの襟首を掴んで自分の方に引き寄せた。
情緒不安定の猿みたいに暴れようとするので早口に耳打ちして、すぐに突き放した。
同時にマツリは勝手にしろと不機嫌そうに啖呵を切る。
「あぁ、勝手にする。付き合いきれん。俺は逃げさせて貰う。」
そういって、次の瞬間には宮塚は三人を残して全力で走り出した。
わざとジャリを蹴散らしていき、砂ぼこりがまきあがる。
ぽかんっとするくせ毛頭を他所に金髪はまるでわかっていたようにマツリの事を素通りして、逃げた宮塚を追って走り出す。
マツリも金髪には目もくれなかった。
「……いいの?お友だち追わなくて。けっこう強いよ…彼。」
「逃げた奴なんか知るか。それより、俺とやるんだろモジャ毛」
右手の銃を頭部に、左手の銃を腹部の位置で停止して、マツリはトリガーにかかった指に力を込める。
「モジャ毛って…それに、いきなり銃口向けるのはどうなんだろう…なっ?」
くせ毛男は挙手するように右腕を振り上げると、銀光が一直線に放たれる。
空気を切り裂いた音はキュッと何かが鳴いたようにも聞こえた。
反対側ではダスッとぐもった発砲音。
指の先くらいの大きさの弾が真っ直ぐに発射された。
二人の間で銀光と弾がぶつかるのが始まりだった。
男はあげていた腕を振り下ろと、今度は三つの銀光が飛んでいく。
マツリはそれを撃ち落としながら一番近い樹の後ろに身を隠した。
そして、撃ちたモノの正体を確認する。
月明かりを反射して光るそれは十五センチ定規くらいの鉄板。
ただ定規と決定的に違うのは頂点と底辺が流線型になっている両刃の鱗。
マツリはつぶやいた。
「ナイフ……じゃねぇな。」
「投刃…かな。姉さんの銃弾と俺の刃どっちの数が多いかな?」
声は後ろから聞こえていたが、左右から鱗が二本飛んできた。
それが樹にぶつかって跳ね返りマツリに襲いかかる。
前に飛び込み刃を避け、二度三度と地面を転がりつけて、別の樹に張り付いた。
「野郎…ワンクッションで狙って来やがった……」
反射(リフレクトスナイプ)で狙ってくるということはそうとう投擲に自信があるのだろう。
しかも一本じゃなく左右から二本。
マツリはマガジンのストックを確認する。
ケツのポケットに一本、ベルトに一本の計二本…。
このまま長期戦で闘るのは不利。
それにちまちまとやるのが性にあわない性格が、マツリから隠れるという選択肢を消し去った。
若草を踏みつけてゆっくりと追ってきた奴の前に堂々と対面する。
扇のように鱗を広げてもじゃ毛はいった。
「諦めてくれた…って感じじゃないよな。」
「寝言は寝ていえもじゃ毛。今からテメェの面にぶちこんでやるよ。」
「ソイツは…勘弁だね。あと俺の名前は颯天(はやて)だ。女嫌いに拍車をかけないでくれよっ。」
斜め下に腕を振り下ろすと鱗が二本放たれた。