ー夏休み編ー悪と邪鬼・続
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「フロアにおった人らは全滅みたいです。いやぁプロ相手に凄いです。」
「なんだ、まだ耐えてたのか…なら、予定より時間は稼げてるな。ん?」
角を曲がってきたのは白衣姿の夏喜空と知らない外人女性。
それと…小鳥遊柏。
亮はすぐに拳を握り構えた。
「アララ、ミスター柏。こんなところで誰かと会うのもアナタの計画通りなのかしら。」
流暢(りゅうちょう)な日本語で外人女は亮を見定めるように視線を上から下へと泳がせる。
柏は嫌味を無視してタバコに火をつけた。
廊下にフローラルな甘い香りが広がる。
「どうして此処にいる?」
「……ホテルの謎を解いた。男子側は偽物でこのエレベーターが怪しいと、ともきが教えてくれた。」
煙草をふかしながら悪魔は低く笑った。納得したように何度かうなずく。
亮は柏の動きひとつひとつに警戒する。
「そうか、そうか。中山か…なるほど。それで、お前はどうしたい?まさか、その構えてる拳……俺と闘(や)る気か?」
表情をいっさい変えず淡白に問う柏。
亮は何もいわない。
だが、拳を納めることもしない。
不意に口の端をつり上げて煙を吐き出しながら悪魔は取引を持ちかけてきた。
亮を包む甘く優しい芳香がまるで洗脳するように蠱惑的な演出を思わせる。
「よし、お前の勇気と中山の勘のよさに敬意を表して……見逃してやる。この先にある部屋にいろ。そこで大人しくしていれば安全を保証する。」
亮はいった。
「バカにしてるのか?」
「何をいってる。これは最初で最後の安全保証だぞ。これを蹴ればもう終わりだ。さぁ、手をとれ誰もお前を恨まんさぁ。」
「……」
亮は動かない。
それどころか目にはさっきよりも強く闘志の火が燃えている。
柏は伸ばした手を引いていった。
「……仕方ない。なら、来い。この煙草を吸い終わるまでは手を出さないでやる…それが本当の最後のチャンスだ。」
あと、ひと息かふた息で吸い終わる煙草をくわえて柏は両手をポケットにしまう。
亮は怒鳴った。
「ふざけるな!構えろ!」
「……」
悪魔は動かない。
本当にただ突っ立ているだけだ。
その行動に亮は躊躇する。今なら何処にでも打ち込めるだが、無防備な相手に攻撃するということができない。
それにこの男のいうことを鵜呑みにできない一度タマを潰されかけているんだから。
警戒し慎重に仕掛けるタイミングを見謀るが…煙草は吸い終わりパラパラと灰がこぼれ落ちる。
吸い口を吐き捨てると同時に亮は拳を放った。
「…お前はバカダナァ」
ボギュ……
形容しがたい音がした亮の目に映る光景がすべて90度曲がった。
音が消える重力が消える。
そして次に見えたのは誰かの靴と銀色だった。
そして少し遅れて赤い液体がボタボタと落ちてくる……。
「なんだ、まだ耐えてたのか…なら、予定より時間は稼げてるな。ん?」
角を曲がってきたのは白衣姿の夏喜空と知らない外人女性。
それと…小鳥遊柏。
亮はすぐに拳を握り構えた。
「アララ、ミスター柏。こんなところで誰かと会うのもアナタの計画通りなのかしら。」
流暢(りゅうちょう)な日本語で外人女は亮を見定めるように視線を上から下へと泳がせる。
柏は嫌味を無視してタバコに火をつけた。
廊下にフローラルな甘い香りが広がる。
「どうして此処にいる?」
「……ホテルの謎を解いた。男子側は偽物でこのエレベーターが怪しいと、ともきが教えてくれた。」
煙草をふかしながら悪魔は低く笑った。納得したように何度かうなずく。
亮は柏の動きひとつひとつに警戒する。
「そうか、そうか。中山か…なるほど。それで、お前はどうしたい?まさか、その構えてる拳……俺と闘(や)る気か?」
表情をいっさい変えず淡白に問う柏。
亮は何もいわない。
だが、拳を納めることもしない。
不意に口の端をつり上げて煙を吐き出しながら悪魔は取引を持ちかけてきた。
亮を包む甘く優しい芳香がまるで洗脳するように蠱惑的な演出を思わせる。
「よし、お前の勇気と中山の勘のよさに敬意を表して……見逃してやる。この先にある部屋にいろ。そこで大人しくしていれば安全を保証する。」
亮はいった。
「バカにしてるのか?」
「何をいってる。これは最初で最後の安全保証だぞ。これを蹴ればもう終わりだ。さぁ、手をとれ誰もお前を恨まんさぁ。」
「……」
亮は動かない。
それどころか目にはさっきよりも強く闘志の火が燃えている。
柏は伸ばした手を引いていった。
「……仕方ない。なら、来い。この煙草を吸い終わるまでは手を出さないでやる…それが本当の最後のチャンスだ。」
あと、ひと息かふた息で吸い終わる煙草をくわえて柏は両手をポケットにしまう。
亮は怒鳴った。
「ふざけるな!構えろ!」
「……」
悪魔は動かない。
本当にただ突っ立ているだけだ。
その行動に亮は躊躇する。今なら何処にでも打ち込めるだが、無防備な相手に攻撃するということができない。
それにこの男のいうことを鵜呑みにできない一度タマを潰されかけているんだから。
警戒し慎重に仕掛けるタイミングを見謀るが…煙草は吸い終わりパラパラと灰がこぼれ落ちる。
吸い口を吐き捨てると同時に亮は拳を放った。
「…お前はバカダナァ」
ボギュ……
形容しがたい音がした亮の目に映る光景がすべて90度曲がった。
音が消える重力が消える。
そして次に見えたのは誰かの靴と銀色だった。
そして少し遅れて赤い液体がボタボタと落ちてくる……。