ー夏休み編ー悪と邪鬼・続
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銀の廊下を歩き続けること数分。
幸か不幸か俺たちは未だに誰とも遭遇(あ)わずにいた。
もしかしたら、ここに居た人たちは、みんなフロアにあがっていったのかもしれない。
だとしたら……この先に柏さんはもう居ないかもっと少し不安になってくる。
グルグルと思考を回転させながらいると、俺の前を歩いてた亮が止まった。
どうかしたのかと聞く前に気がついた。
横を見ると水族館のようにデカイガラスがはめ込まれていて中を覗ける。
俺は聞いてみた。
「なぁ……亮、あの器具はなんに使うもんだ?」
「身体を鍛える物だな……ただし、常人に使えるかは不明だけどな。」
その意味はよくわかった。俺だってベンチプレスやバーベルなんかは知っている。
だが、それは少なくても持つ部分が子供の腕くらい太かったり、重りの部分に昔の囚人なんかが足に着けさせられる鉄球が連結してついていたりはしない。
そこにある物は全部サイズが違っていた。
いや、規格外といったほうがいい。
あんなもの俺と亮の二人でも持ち上がる気がしない。
「……あれを使って身体を鍛える生き物なんかいるのか?」
亮は片方だけ眉をあげていった。
苦笑いとも余裕の笑みともとれる不思議な表情だ。
「居るさ、いや、一人しか居ないだろ。ともきだって気がついてるんだろ。」
金剛さん…すぐにその名前が浮かんだ。けど、俺は何も答えなかった。
口にだした途端に目の前に現れてしまいそうで怖かったから。
亮は俺の肩を叩いた。
明るい声でいう。
「大丈夫だ。行こう。」
「あぁ、そ…」
真横でカシャとWCのプレートが着いたドアが開いた。出てきたダークグリーン迷彩の軍服姿の黒人と目が合う。
「What?!」
驚いたのは相手も同じだったらしくワンテンポ遅れて腰のホルダーに手を伸ばす。
だが、ソレが抜き取られる事はなかった。
一陣の風が軍服男にぶつかったのだ。
「ごがっ……」
亮の拳が深々と腹を貫いている。
多分、鳩尾って部分だ。
被さるようにズズッと崩れる男を担いで出てきたトイレの中に押し戻す。
「ふぅ、間一髪だった。」
拳を解いて手を振る亮に俺は唖然とした。
周りの評価を聞く限りでは亮は他の人らに比べたら弱い部類。
だが、そうは思えなかった。
自分より大柄な男、しかも外人を一撃で沈めたのだ。素人目に見ても腕は伸びていて綺麗な型をつくっていた。
「ん?ともき、大丈夫か?」
名前を呼ばれてハッとなる。
「あ、あぁ、少し驚いただけだ。大丈夫だ。」
「そうか、なら伸びてる奴が目を醒ます前に行くぞ。」
返事をするまえに人の声がした。
角から誰かが近づいてきてる。一人じゃない数人の足音。
俺たちはとっさにトイレの中に隠れた。
だが、亮は何があっても声を出すなといって止める間もなく出ていってしまう。
俺は転がってる男を押しのけてドアの隙間から様子を見る。
幸か不幸か俺たちは未だに誰とも遭遇(あ)わずにいた。
もしかしたら、ここに居た人たちは、みんなフロアにあがっていったのかもしれない。
だとしたら……この先に柏さんはもう居ないかもっと少し不安になってくる。
グルグルと思考を回転させながらいると、俺の前を歩いてた亮が止まった。
どうかしたのかと聞く前に気がついた。
横を見ると水族館のようにデカイガラスがはめ込まれていて中を覗ける。
俺は聞いてみた。
「なぁ……亮、あの器具はなんに使うもんだ?」
「身体を鍛える物だな……ただし、常人に使えるかは不明だけどな。」
その意味はよくわかった。俺だってベンチプレスやバーベルなんかは知っている。
だが、それは少なくても持つ部分が子供の腕くらい太かったり、重りの部分に昔の囚人なんかが足に着けさせられる鉄球が連結してついていたりはしない。
そこにある物は全部サイズが違っていた。
いや、規格外といったほうがいい。
あんなもの俺と亮の二人でも持ち上がる気がしない。
「……あれを使って身体を鍛える生き物なんかいるのか?」
亮は片方だけ眉をあげていった。
苦笑いとも余裕の笑みともとれる不思議な表情だ。
「居るさ、いや、一人しか居ないだろ。ともきだって気がついてるんだろ。」
金剛さん…すぐにその名前が浮かんだ。けど、俺は何も答えなかった。
口にだした途端に目の前に現れてしまいそうで怖かったから。
亮は俺の肩を叩いた。
明るい声でいう。
「大丈夫だ。行こう。」
「あぁ、そ…」
真横でカシャとWCのプレートが着いたドアが開いた。出てきたダークグリーン迷彩の軍服姿の黒人と目が合う。
「What?!」
驚いたのは相手も同じだったらしくワンテンポ遅れて腰のホルダーに手を伸ばす。
だが、ソレが抜き取られる事はなかった。
一陣の風が軍服男にぶつかったのだ。
「ごがっ……」
亮の拳が深々と腹を貫いている。
多分、鳩尾って部分だ。
被さるようにズズッと崩れる男を担いで出てきたトイレの中に押し戻す。
「ふぅ、間一髪だった。」
拳を解いて手を振る亮に俺は唖然とした。
周りの評価を聞く限りでは亮は他の人らに比べたら弱い部類。
だが、そうは思えなかった。
自分より大柄な男、しかも外人を一撃で沈めたのだ。素人目に見ても腕は伸びていて綺麗な型をつくっていた。
「ん?ともき、大丈夫か?」
名前を呼ばれてハッとなる。
「あ、あぁ、少し驚いただけだ。大丈夫だ。」
「そうか、なら伸びてる奴が目を醒ます前に行くぞ。」
返事をするまえに人の声がした。
角から誰かが近づいてきてる。一人じゃない数人の足音。
俺たちはとっさにトイレの中に隠れた。
だが、亮は何があっても声を出すなといって止める間もなく出ていってしまう。
俺は転がってる男を押しのけてドアの隙間から様子を見る。