ー夏休み編ー悪と邪鬼・続
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ひとつ教えておいてやる。私はあらゆる格闘技をこの目で見て、この身体で体験してきた。お前の蹴りはサバットだろう?なら、無駄だ、無駄。遅すぎるんだよ。いくら拳より脚の方が威力があろうと当たる前に止めればそれまでなんだからな。それと…横のお前。テレフォンパンチに雑な動き…まるでダメだな。」
野郎は急に饒舌になった。
状況が自分に有利になると情報を小出しにして優越に浸ろうとする。
俺は別にその事にはなんの腹立ちも起こらなかったが戌塚は誰の目にも解るくらいにイライラを顔に出していた。
単純っかバカだ。
「千夜…あのオッサンぶっ飛ばすぞと。」
うっ~~と唸り今にも飛びかかりそうなバカ。
いや、バカっか獣だ。
俺はシャツの襟首を引っ張って戌塚を下がらした。
そして、一歩、二歩と前に歩いてコンクリートブロック顔の真正面で止まる。
拳を伸ばせば当たる。脚を上げれば蹴れる。そのくらいに互いにベストな間合い。
奴は動かないあくまでカウンターにこだわっている。自分は絶対に勝つと余裕なのか、これまでの経験から基づいたスタイルの手法なのかは俺には解らない。
だが、ひとつだけハッキリした事がある。
頭ひとつ分はデカイ癖にやたら機敏で繊細な動きをするこの男に恐怖もなにも感じないことだ。
俺は二秒か、三秒のあいだ、奴の顔を睨む。
そして…次の瞬間に……俺の脚はコンクリートブロックにめり込んでいた。
「が…ぱっ…ぁっ…?!」
抽象画のように赤い血飛沫と糸引く唾液と折れた歯が放物線を描く。
奴は何も無い空間でなにかを掴もうと手をのばしながら仰向けに倒れた。
俺は着地していった。
「あらゆる格闘技を見てきても、こんな技使う奴はいなかっただろ。っか、スタイルがいつ「サバット」ったよ?」
相手の間合いに自分から入り込んでいき、攻撃を誘いだし同時に顔面を蹴りとばす巧みな駆け引きの技。
ハイリスク&ハイリターンの超至近距離ソバット。
「……っーか、千夜、それアニキの技じゃないのかだぞと?」
戌塚のいうとおり、超至近距離ソバットは悠の得意技のひとつだ。
俺はふんっと鼻をならしていった。
「使いやすいからパクった。人の技を盗むのはアイツだけの特権じゃねぇだろ。」
「は、はぁ…そうかだぞど。」
戌塚はそう呟きながら心の中では、その技はぜんぜん使いやすくないと思った。
やっている事は、ただのソバット。
だが、実際にやろうとすれば助走をつけて、飛びかからなければできはしない。
それが、超至近距離ソバットとなれば、助走無しのノーモーションで相手の顔まで飛び上がり蹴る。
脚力だけでなく技術力も要するに決まっている。
戌塚はゴクリと生唾を飲んだ。
千夜はもの凄い勢いで強くなっているんだな…っと、友として嬉しく…。
そして、ほんの少しだけ、嫉妬しながら。
野郎は急に饒舌になった。
状況が自分に有利になると情報を小出しにして優越に浸ろうとする。
俺は別にその事にはなんの腹立ちも起こらなかったが戌塚は誰の目にも解るくらいにイライラを顔に出していた。
単純っかバカだ。
「千夜…あのオッサンぶっ飛ばすぞと。」
うっ~~と唸り今にも飛びかかりそうなバカ。
いや、バカっか獣だ。
俺はシャツの襟首を引っ張って戌塚を下がらした。
そして、一歩、二歩と前に歩いてコンクリートブロック顔の真正面で止まる。
拳を伸ばせば当たる。脚を上げれば蹴れる。そのくらいに互いにベストな間合い。
奴は動かないあくまでカウンターにこだわっている。自分は絶対に勝つと余裕なのか、これまでの経験から基づいたスタイルの手法なのかは俺には解らない。
だが、ひとつだけハッキリした事がある。
頭ひとつ分はデカイ癖にやたら機敏で繊細な動きをするこの男に恐怖もなにも感じないことだ。
俺は二秒か、三秒のあいだ、奴の顔を睨む。
そして…次の瞬間に……俺の脚はコンクリートブロックにめり込んでいた。
「が…ぱっ…ぁっ…?!」
抽象画のように赤い血飛沫と糸引く唾液と折れた歯が放物線を描く。
奴は何も無い空間でなにかを掴もうと手をのばしながら仰向けに倒れた。
俺は着地していった。
「あらゆる格闘技を見てきても、こんな技使う奴はいなかっただろ。っか、スタイルがいつ「サバット」ったよ?」
相手の間合いに自分から入り込んでいき、攻撃を誘いだし同時に顔面を蹴りとばす巧みな駆け引きの技。
ハイリスク&ハイリターンの超至近距離ソバット。
「……っーか、千夜、それアニキの技じゃないのかだぞと?」
戌塚のいうとおり、超至近距離ソバットは悠の得意技のひとつだ。
俺はふんっと鼻をならしていった。
「使いやすいからパクった。人の技を盗むのはアイツだけの特権じゃねぇだろ。」
「は、はぁ…そうかだぞど。」
戌塚はそう呟きながら心の中では、その技はぜんぜん使いやすくないと思った。
やっている事は、ただのソバット。
だが、実際にやろうとすれば助走をつけて、飛びかからなければできはしない。
それが、超至近距離ソバットとなれば、助走無しのノーモーションで相手の顔まで飛び上がり蹴る。
脚力だけでなく技術力も要するに決まっている。
戌塚はゴクリと生唾を飲んだ。
千夜はもの凄い勢いで強くなっているんだな…っと、友として嬉しく…。
そして、ほんの少しだけ、嫉妬しながら。