ー夏休み編ー悪と邪鬼・続
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「っ…あぁぁ!ムチャクチャウルセェ!八番め!アホみたいな物つくりやがって!」
木々の生い茂る道で炎銃は叫んだ。
デカイバックを背負ってるのにかなりのスピードで走りながら。
それに横並びした宮塚がいった。
「…一応聞くが八番から使用方法の注意とか聞かなかったのか。」
「あぁ?使うなら耳栓しろとか言われたな。」
「アホはお前だ。俺たちの鼓膜を破る気か…二度と使うな。それでも使いたいなら、お前一人でいるときに使って勝手にのびてろ。」
「ンだと、こら!」
俺は口喧嘩しながら走り続ける二人に少し止まるようにいった。
後ろの方でコマリの嬢ちゃんが息切れしてる。
きっと、このまま走り続けたらもう一分ともたない。
炎銃がイラついた声でいった。
「おい、なにもうバテてんだよ。」
「はぁはぁ…す、すいません…」
ひたいに汗をためて頬を紅潮させる嬢ちゃんはなんなだか色っぽかった。
なんていうか…夜の闇に栄える緑色の髪がなんともいえない。
状況が今じゃなかったらもう少し見ていたかったが俺はいった。
「落ち着けて炎銃やミヤの体力には会わせられないって。」
炎銃はロコツに顔をしかめて、まだ、全力の半分も出してないといった。
ミヤは黙って木に背を預けている。
こーゆうとき何にも否定しないが肯定もしない。
だから、扱いにくいし扱いやすい不思議な奴。
ふと、顔をあげた。
「……紅、炎銃、追っ手だ。」
いわれるまで気がつかなかったがシャッ、シャッと落ち葉を踏み潰しながら走ってくる音が近づいてきている。
「ちっ…もう来たか。和辰の奴。やられたんじゃねぇだろうな…。」
「あれ、珍しい。炎銃、心配してんのか?」
「黙れ!」
ブーツの先でケツを蹴られた。マジでいたい…。
ミヤがため息をついていった。
「おい、ふざけてる場合かどうする。このまま走るか?」
俺は嬢ちゃんを見た。
だいぶ息は整ってきているが、走ってもまたすぐにバテてしまうだろう。
炎銃はコブシを突き出していった。
「おい、ジャンケンだ。負けた奴は追っ手をぶっ倒してから走る。勝った奴はソイツを背負って先にいく文句はねぇな?」
嬢ちゃんを荷物扱いして、俺たちはいっせいに手を出しだ。
二人はチョキ、俺はグーだった。ひとりがちだ。
恨めしそうに睨む炎銃の視線に耐えながら、俺は腰を折って背中を差し出した。
コマリの嬢ちゃんは小動物のようにまごついていたが炎銃がさっさと行けと怒鳴ると俺の背中に飛び乗った。
華奢な身体だと思ってたが結構胸が…ある。
「んじゃ、いってくる。あとでな。」
俺は二人に手を振って夜の林道を走り出した。
「……ちっ、ミヤ速攻だ。いいな?」
炎銃は背負っていたバックから銀色の銃を一丁、左手にもち、腰のホルスターの銃を右手に握る。
宮塚も鞭を両手にとる。
「ふん……命令するな。」
双銃と双鞭を構える二人は…微かに笑った。