ー夏休み編ー悪と邪鬼・続
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「~~?」
「~~!」
音の爆発の中、俺たちは何とかエレベーターの中に避難した。
隣でともきが金魚みたいに口をパクパクしている。
喋ってるみたいだが……まだ、耳がバカになっていて何をいっているかわからない。
「…てる…ょう。聞こえてるか亮?」
「あ、ああ、聞こえた。それより、ともき。なんでエレベーターなんかに逃げ込んだんだ?」
皆が四方に散るなか俺はともきを連れて逃げる振りをしながら外に出て悠の所に行くつもりだった。
だが、ともきは俺の腕をつかんで一目散にこの中に飛び込んだ。
「亮、問題だ。」
「こんなときになんだよ。」
「こっち側のホテルは偽物(偽装用)なんだよな。レストランやトイレに各部屋があるのは当然だけど……地下に続くエレベーターなんか必要かな。それに、ホテルから出た様子のない、小鳥遊柏さんはいったい何処にいると思う?」
俺はともきの顔を見つめていった。
「いつから気がついたんだ?」
「オカシイなって思ったのはこのホテルについたときかな。部屋の鍵をもらっただろ。あのとき金剛さんと柏さんは貰ってなかった、それなのに金剛さんは部屋にいくっていったきり食事の時も顔を出さなかった。つまり、あの二人はこのホテル内の別なところにいるって思ったんだ。」
俺はともきの推理に聞き入っていた。
そんな小さな不自然を見逃さないのは抜け目がないのか驚きだ。
もしかしたら、将来名探偵になるんじゃないかな。
一分くらいしてエレベーターが止まった。
静かにドアが開く、シルバープレートで作られた正方形の廊下が現れた。
「なんか……バイオハザードの研究所とかってこんなかんじゃないか?」
ともきが苦笑いした。
「妙なこといわないでくれよ…。ゾンビは出ないだろう。」
「まさか…居るのはゾンビじゃなくて…悪魔と金剛の鬼だろ。」
「その方が怖いな…」
確かに怖い。
もし、この先にどちらか片方しかいなくても俺にどうにかできるのだろうか…。今さら不安になるんだから…情けない。
ともきがいった。
「亮、どーする?」
「……もし、俺が柏さん…いや、柏をぶっ飛ばしたら。悠はどんな顔するかな。見てみたいよな。」
俺はニッと歯を見せて笑った。
ともきはフゥっとため息をついていった。
「そーゆー事を言えるところが悠やお前らの喧嘩根性なんだよな。」
「ともきはここで退いてもいいんだぞ。っていうか、しばらく隠れてた方が安全だろうし。」
友達思いな奴は首を横に振った。
「この際だからとことん付き合わせてもらうよ。」
「よし…わかった。行こう。」
俺たちは地下に隠れる悪魔を目指し始めた。