ー夏休み編ー悪と邪鬼・続
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「っ……。」
何を投げたのかは知らないが俺は両の手で耳を押さえながら、周りを確認した。
見えたのは出入り口の近くにいたガードマンを蹴散らしながら突っ走っていく炎銃達。
他の奴等はうまく逃げたのか見えなかった。
まぁ…どーでもいいか。
「…どこまでやれっかな…。」
音の衝撃から立ち直った数名の男が形相を変えて出入り口に向かって走り出す。
俺はテーブルをひっくり返して蹴り飛ばした。
先頭をきっていた男に直撃したが片手で叩き落としてコッチを見た。
「無視してんなよ。テメェラの相手はコッチだ。」
「「「……」」」
目配りし合う三人の男達はネクタイを捨ててシャツのボタンを外す。
清潔と規律の象徴みたいだった制服から迷彩柄の軍服に一変した。
洒落たホテルの景観にこれ以上浮いた服は無い。
「…まさか、軍人か?」
三十代後半ぐらいでコンクリートブロックみたいた顔の男がいった。
「退役のな…。少年。ケガをしたくなかったらおとなしくして貰おうか。抵抗するのなら…」
コンクリートブロックの後ろから革のナックルグラブを着けながら若い男が出てくる。
「はっ……ざけんなよ!」
俺の返答がゴングの代わりになった。
name:和辰千夜
Style:喧嘩サバット
vs
name:軍人
Style:総合格闘技
俺は先に仕掛けた、二歩踏み出し勢いをつけて左足を振り上げる。
コンクリートブロックの横面に爪先が刺さる直前に片側の男が脇を締めてガードを固めた腕で受けた。
「っ?!」
庇った男は衝撃に耐えかねて横にフッ飛ぶ。
油断していたのか、なめてたのかは知らないが先ずは一人仕留めた。
俺は勢いを止めずに、振り上げた足を床に落として、逆の足でもう一人いた若い男の腹に踵をめり込ました。
ガードが間に合わず、ぐぶっと身体を曲げて倒れ込む。
三人目と…弧を描くように退役軍人にも蹴りを仕掛けた。
だが、先の二人と違い機敏なバックステップで避けた。
「ちっ…」
「ほぉ…いい蹴りだ。だが、抵抗したな。ΔA(デルタエー)、ΔB、C(デルタビー、シー)囲め!」
号令とともに二人がレストランの方から、一人が階段から銀色に光る特殊警棒を振りかざしてこっちに向かってくる。
グングンと距離が埋まっていくが俺は階段の奴に向かって走り出した。
「うらぁ!」
特殊警棒の横振りを避け、俺は床を蹴り、飛び上がって男の顔面をぐしゃりと踏みつけた。
それを踏み台にして、空中で身体をひねり、後ろの二人の頭を踵で打ち付けた。
止めに仰向けに倒れたおとこ達の顔面に着地、ブシュッと鼻か口から出た鮮血が吹き上がり白い床に赤い模様ができあがる。
これで五人目…
歩き出すとピキリッと右足から電気が走ったような痛み。
どうやら三角跳び蹴りは、今の足の状態では負担が大きかったらしい…。
俺は今って時の技なのに使えねぇ…と口の中で毒づく。
「ちっ……残りは…」
「キサマら何をしてる!相手はガキだぞ!囲んで潰せ!」
紅の野郎…なにが十三人だ。俺は特殊警棒なんかで武装した男、二十人以上に囲まれた。