ー夏休み編ー悪と邪鬼・続
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汗を流すだけのつもりがついつい三十分もの長シャワーをしてしまった。
たぶん夕飯はもう始まってるだろう。
まぁ、念のためにコマリにメールは送って置いたしいいか。
グラウンドに出ると薄暗い空には月が浮かんでいた。もう夜の始まりだ。
海と森の薫りをのせた夏の風が吹いて髪が靡いた。
サラリと涼しくて火照った身体が柔らかく冷えていくのが気持ちいい。
「♪~♪~」
鼻唄混じりに歩きながらエクステポニテを結わえていると射撃場の方から音がした。
「ん?」
気のせいかと思ったが…ッ…ンッ…トンッ…と何かが当たる音が聞こえている。
誰か来たのかと射撃場の方を覗いた。
キキキッ……ダァンッ!
弓矢だ。
ロングウルフカットの上半身裸の男が重藤弓(しげとうゆみ)を軽々と引いて射っていた。
藁束に何本かの矢が刺さっている。
重藤弓は木材と竹を組み合わせ、それを「にべ」というニカワ質のもので接着し、補強のために藤を巻き付けて作られた世界最大級の大長弓だ。
複数の素材を組み合わせて作った複合弓の一種で、有効射程は100メートルを越え、最大飛距離は400メートル、殺傷距離は80メートル、装甲貫徹距離は30メートルと言われている。
俺は口笛を吹いた。
弓さばきもさながら男の肩甲骨から脇腹にかけての筋肉がすごかった。
ゴムのような物を胴から肩に巻いていて腕を下ろすだけでギュッギュッと絞り音が聞こえてきそうだ。
ウルフカットは弓を置くと、矢羽ねの柄がついた羽織を肩にかけた。
「やぁ、君も弓をやってるのかい?」
ニコっと爽やかに笑って俺を見た。
イケメンだ。
「いや、弓は…やらないかな。」
「そうなんだ。いい身体をしてこんな場所にいるから弓士かと思ってね。」
「弓は好きなんだけどな、ライジングガンダムとかシンプルだし…」
「あぁ、よくわかるよ。最近のガンダムはゴテゴテしてるからね。」
おおっと!まさかガンダム好きなのか!
目をキラキラさせながら話を掘り下げてみた。
ウルフカットの男はマニアックな話しにもついてきてくれて俺たちは意気投合してしばし話し込んだ。
気がつけば月がハッキリと昇っている。
「しっかしなんだな。こんなところで同好の士とランデブーするとは」
「はは、僕も驚きだよ。ところで悠君に一つだけ聞きたいことがあるんだけど…」
「おう?」
なんでも聞け、初代から全部わかるぞと俺は笑った。
「君は今誰のために闘ってる?」
「……ん…あーー…そういう話し?」
「僕は柏さんのために闘っている。あの人はこの国…そしてこれからの武道界全体にとって欠かすべからぬ人だ。」
固まった。
瞳孔が開いてるかもしれない。よくよく思い出してみたらまだ俺はまだ自己紹介をしてないのに名前を呼ばれていたのに今気がついた。
「だから……柏さんの障害(テキ)になりうる者を…僕は許すわけにはいかない」
「……新しいダチができたと…思ったんだけどなぁ。」
俺はポケットから手をだして首をゆっくりと回す。
「…なれるよ。君がこの先しばらくベッドの上で暮らしていくなら毎日お見舞いにいこう。」
俺は拳を放った。
風に舞っていた葉が粉々になるが男には当たっていない。
上半身を引いて避けながら肩に巻いていたゴムを左親指と小指に引っ掻けて右手で思いっきり弓引きした。矢では無くダートがセットされている。
俺の思考は恐怖硬直しながらとっさに伸ばしていた拳を解いて人差し指を弾いた。
イケメンの高鼻に当たる。
「っ…」
標準がずれたダートは俺の脇を抜けていく。
たぶん夕飯はもう始まってるだろう。
まぁ、念のためにコマリにメールは送って置いたしいいか。
グラウンドに出ると薄暗い空には月が浮かんでいた。もう夜の始まりだ。
海と森の薫りをのせた夏の風が吹いて髪が靡いた。
サラリと涼しくて火照った身体が柔らかく冷えていくのが気持ちいい。
「♪~♪~」
鼻唄混じりに歩きながらエクステポニテを結わえていると射撃場の方から音がした。
「ん?」
気のせいかと思ったが…ッ…ンッ…トンッ…と何かが当たる音が聞こえている。
誰か来たのかと射撃場の方を覗いた。
キキキッ……ダァンッ!
弓矢だ。
ロングウルフカットの上半身裸の男が重藤弓(しげとうゆみ)を軽々と引いて射っていた。
藁束に何本かの矢が刺さっている。
重藤弓は木材と竹を組み合わせ、それを「にべ」というニカワ質のもので接着し、補強のために藤を巻き付けて作られた世界最大級の大長弓だ。
複数の素材を組み合わせて作った複合弓の一種で、有効射程は100メートルを越え、最大飛距離は400メートル、殺傷距離は80メートル、装甲貫徹距離は30メートルと言われている。
俺は口笛を吹いた。
弓さばきもさながら男の肩甲骨から脇腹にかけての筋肉がすごかった。
ゴムのような物を胴から肩に巻いていて腕を下ろすだけでギュッギュッと絞り音が聞こえてきそうだ。
ウルフカットは弓を置くと、矢羽ねの柄がついた羽織を肩にかけた。
「やぁ、君も弓をやってるのかい?」
ニコっと爽やかに笑って俺を見た。
イケメンだ。
「いや、弓は…やらないかな。」
「そうなんだ。いい身体をしてこんな場所にいるから弓士かと思ってね。」
「弓は好きなんだけどな、ライジングガンダムとかシンプルだし…」
「あぁ、よくわかるよ。最近のガンダムはゴテゴテしてるからね。」
おおっと!まさかガンダム好きなのか!
目をキラキラさせながら話を掘り下げてみた。
ウルフカットの男はマニアックな話しにもついてきてくれて俺たちは意気投合してしばし話し込んだ。
気がつけば月がハッキリと昇っている。
「しっかしなんだな。こんなところで同好の士とランデブーするとは」
「はは、僕も驚きだよ。ところで悠君に一つだけ聞きたいことがあるんだけど…」
「おう?」
なんでも聞け、初代から全部わかるぞと俺は笑った。
「君は今誰のために闘ってる?」
「……ん…あーー…そういう話し?」
「僕は柏さんのために闘っている。あの人はこの国…そしてこれからの武道界全体にとって欠かすべからぬ人だ。」
固まった。
瞳孔が開いてるかもしれない。よくよく思い出してみたらまだ俺はまだ自己紹介をしてないのに名前を呼ばれていたのに今気がついた。
「だから……柏さんの障害(テキ)になりうる者を…僕は許すわけにはいかない」
「……新しいダチができたと…思ったんだけどなぁ。」
俺はポケットから手をだして首をゆっくりと回す。
「…なれるよ。君がこの先しばらくベッドの上で暮らしていくなら毎日お見舞いにいこう。」
俺は拳を放った。
風に舞っていた葉が粉々になるが男には当たっていない。
上半身を引いて避けながら肩に巻いていたゴムを左親指と小指に引っ掻けて右手で思いっきり弓引きした。矢では無くダートがセットされている。
俺の思考は恐怖硬直しながらとっさに伸ばしていた拳を解いて人差し指を弾いた。
イケメンの高鼻に当たる。
「っ…」
標準がずれたダートは俺の脇を抜けていく。