ー夏休み編ー悪と邪鬼・続
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ーホテル・シュバリェー
ホテルに着いたのは三時過ぎだった。
パークホテルな感じじゃなく真っ白いタワーを二つ並べたような近代的な建物。
中は見た目より広くまだ造られて日が浅いのか、新築の匂いがした。
ロビーには俺たちの以外の客は見当たらなかったがちゃんと泊まりの客が居るので羽目を外すなと柏と黒井先生がいった。
それと西、東館で男女に分かれるらしい。
修学旅行みたいな説明が終わって各自にカギが配られる。個室が用意されていたのは驚きだった。
ここからは自由時間で好きにしろと言われて部屋で休んでいたら、五分もしないうちにノックされた。
探検行こうぜ!っと紅の声がした、ドアを開けると各ランカー組の大半が動きやすい格好で集まっていた。着いてすぐなのに元気すぎだろ。
探検とか言いながら連れてこられたのは運動場。
ホテルからさほど遠くなく、海も近くにあって、まわりは森に囲まれているので騒いでも大丈夫なところに作ったのだろう。
広々としたグラウンドに射撃コース、更衣室とシャワールームはあるしいたせりつくせりとはこの事か。
他の奴等は興奮気味に騒いでるけど俺としては少し休んだらビブラートドームを見てみたかったのになぁ……。
ボーッとしてるとマツリがとんでもない事を提案した。
「よし、さっそくスパーリングやろうぜ。まずは…小鳥遊お前な。それと、鈴猫やれ!」
炎銃はドッチボール用のラインが引かれた場所に俺たちを引っ張っていき中央に放置して離れていく。
どーゆう流れか、俺と鈴猫が闘う事になった。
「え、マジで?」
「ったりめぇだろ。うちでやり合ってねぇのはお前らだけだろ。」
確かに紅、宮塚、炎銃とは一戦を交えてはいるけど…なんの理由も何しに闘るのは気が引ける。
俺はチラッと鈴猫の顔を見た。
けど、そこにあったのは想像していた顔色とは違っていた。
嫌なそうでも呆れた様子でも無くてなにか迷ってるような悲しそうな表情。
「おい、鈴猫」
「あ、うん、なに?」
「どうした、なんか……」
「え、何でも無いよ。悠とスパーリングかぁ。手加減してよね。」
「あ、おぅ。」
いつもの笑顔に戻った鈴猫と握手をして、俺たちは互いを見合うように間合いを開けた。
右足を前に出して膝を軽く曲げる。
右手は膝の頭に添えるように伸ばし、左手は胸元で拳にして身体の重心を大地に据えるような八極拳の構えだ。
俺は喉をコクりと鳴らした。理由は一つの動作が息を呑むほどに美しく完成された形にだ。
八極拳士は修行の第一歩に馬歩站椿(まほたんとう)(馬に跨がるような姿勢で深く腰を落として立つ鍛練法)を重要視する。
その鍛練を続けることで強い脚力と正しい姿勢を身に付けるのだ。
鈴猫の引き締まった魅力的な腹もきっと馬歩站椿で培われた強靭な足腰から得たものだろう。
ホテルに着いたのは三時過ぎだった。
パークホテルな感じじゃなく真っ白いタワーを二つ並べたような近代的な建物。
中は見た目より広くまだ造られて日が浅いのか、新築の匂いがした。
ロビーには俺たちの以外の客は見当たらなかったがちゃんと泊まりの客が居るので羽目を外すなと柏と黒井先生がいった。
それと西、東館で男女に分かれるらしい。
修学旅行みたいな説明が終わって各自にカギが配られる。個室が用意されていたのは驚きだった。
ここからは自由時間で好きにしろと言われて部屋で休んでいたら、五分もしないうちにノックされた。
探検行こうぜ!っと紅の声がした、ドアを開けると各ランカー組の大半が動きやすい格好で集まっていた。着いてすぐなのに元気すぎだろ。
探検とか言いながら連れてこられたのは運動場。
ホテルからさほど遠くなく、海も近くにあって、まわりは森に囲まれているので騒いでも大丈夫なところに作ったのだろう。
広々としたグラウンドに射撃コース、更衣室とシャワールームはあるしいたせりつくせりとはこの事か。
他の奴等は興奮気味に騒いでるけど俺としては少し休んだらビブラートドームを見てみたかったのになぁ……。
ボーッとしてるとマツリがとんでもない事を提案した。
「よし、さっそくスパーリングやろうぜ。まずは…小鳥遊お前な。それと、鈴猫やれ!」
炎銃はドッチボール用のラインが引かれた場所に俺たちを引っ張っていき中央に放置して離れていく。
どーゆう流れか、俺と鈴猫が闘う事になった。
「え、マジで?」
「ったりめぇだろ。うちでやり合ってねぇのはお前らだけだろ。」
確かに紅、宮塚、炎銃とは一戦を交えてはいるけど…なんの理由も何しに闘るのは気が引ける。
俺はチラッと鈴猫の顔を見た。
けど、そこにあったのは想像していた顔色とは違っていた。
嫌なそうでも呆れた様子でも無くてなにか迷ってるような悲しそうな表情。
「おい、鈴猫」
「あ、うん、なに?」
「どうした、なんか……」
「え、何でも無いよ。悠とスパーリングかぁ。手加減してよね。」
「あ、おぅ。」
いつもの笑顔に戻った鈴猫と握手をして、俺たちは互いを見合うように間合いを開けた。
右足を前に出して膝を軽く曲げる。
右手は膝の頭に添えるように伸ばし、左手は胸元で拳にして身体の重心を大地に据えるような八極拳の構えだ。
俺は喉をコクりと鳴らした。理由は一つの動作が息を呑むほどに美しく完成された形にだ。
八極拳士は修行の第一歩に馬歩站椿(まほたんとう)(馬に跨がるような姿勢で深く腰を落として立つ鍛練法)を重要視する。
その鍛練を続けることで強い脚力と正しい姿勢を身に付けるのだ。
鈴猫の引き締まった魅力的な腹もきっと馬歩站椿で培われた強靭な足腰から得たものだろう。