ー夏休み編ー悪と邪鬼・続
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海は腰に手を当てて仁王立ちするようなポーズで俺を見上げる。
幼い顔に真剣な色が見えた。
「大事なって…どんくらい?やっぱり好きなん?」
小さな少女に身を屈めて視線を合わせた。
「なんだ、どうしてそんなこと聞く?」
「……」
海は黙ったままだ。
後ろには島が見えてきた。あと数十分もしたら到着するだろう。
「どーなん?」
「はぁ…………隠しても無駄みたいだな……好きだよ、けどな……。」
俺と海はこの時、気がつかった。
誰かが後ろに居たことに、そして、盛大な勘違いをしたまま遠ざかっていくことに……
小さなズレが大きな歪に変わってしまう、それは悲劇で喜劇。
人生ってのはいつだって親切には出来てないって訳だよな。
ー甲板(船頭)ー
島が目に見えてくると大半の奴らが集まっていた。
海を肩車したままコマリを探した。
あのヘアピン頭なら一度見ればすぐにわかるはずなんだが……
「うわ~アレが日乃本アイランドかぁ。」
「アンタ落ちるわよ。」
「上空から島を見ると日本の形をしてるそうだよ。」
ポールから身を乗り出してるこなたの肩をかがみが掴んでいた。
まゆはパンフレット片手に落ちないかと心配ぎみに話している。
コマリはその騒ぎとは反対側にいた。
目的地を見てる訳じゃなく小雪と優日も居てなにか話してるみたいだった。
俺はそっと近づいた。
「おーい、なにしてる?」
「あ、小鳥君に夏喜ちゃん…ちょっと困ってるかな。」
三人は首を傾げた。
なにがあったのかと思って輪のなかに入ると、見るからに顔色の悪い火口(妹)が座り込んでいた。
わかりやすい船酔ってる。一応聞いてみた。
「コマリさん。火口は…」
「船酔いですね。事前にわかってれば酔い止め持ってたんですけど…これとかこれとか。」
コマリは薄いグリーンのミニワンピにポケットの多いボトムズボンっとスタイリッシュな格好だけどポケットから次々に錠剤や粉薬が出てくる。
目が点になってる小雪と俺の貴女は手品師か八意永琳さんですか?って疑問を軽く無視して優日がいった。
動じて無いんだからある意味強者。
「ライカちゃん。酔いざましは無いのかな。」
コマリは出していた薬を終い込むと別のポケットからジャラジャラとチェーンを引いた。
ワイルドなアクセかと見るとピルケースが数珠なりに連なっている。
携帯電話を三分の一くらいにカットしたようなケースを開けてヒグチに差し出した。
白い錠剤が見える。
「これが酔いざましです。胃薬も一緒になってますから一粒で大丈夫と思いますよ。」
燃え尽きたジョーよろしく、ヒグチはヨロヨロと薬を飲んだ。
優日は背中を擦っている。
ただ、失礼ながら俺はコマリに釘付けだった。
あのピルケースチェーンは自家製何だろうか、それに他にはどんな薬が入っているのか気になって仕方なかったのだ。
幼い顔に真剣な色が見えた。
「大事なって…どんくらい?やっぱり好きなん?」
小さな少女に身を屈めて視線を合わせた。
「なんだ、どうしてそんなこと聞く?」
「……」
海は黙ったままだ。
後ろには島が見えてきた。あと数十分もしたら到着するだろう。
「どーなん?」
「はぁ…………隠しても無駄みたいだな……好きだよ、けどな……。」
俺と海はこの時、気がつかった。
誰かが後ろに居たことに、そして、盛大な勘違いをしたまま遠ざかっていくことに……
小さなズレが大きな歪に変わってしまう、それは悲劇で喜劇。
人生ってのはいつだって親切には出来てないって訳だよな。
ー甲板(船頭)ー
島が目に見えてくると大半の奴らが集まっていた。
海を肩車したままコマリを探した。
あのヘアピン頭なら一度見ればすぐにわかるはずなんだが……
「うわ~アレが日乃本アイランドかぁ。」
「アンタ落ちるわよ。」
「上空から島を見ると日本の形をしてるそうだよ。」
ポールから身を乗り出してるこなたの肩をかがみが掴んでいた。
まゆはパンフレット片手に落ちないかと心配ぎみに話している。
コマリはその騒ぎとは反対側にいた。
目的地を見てる訳じゃなく小雪と優日も居てなにか話してるみたいだった。
俺はそっと近づいた。
「おーい、なにしてる?」
「あ、小鳥君に夏喜ちゃん…ちょっと困ってるかな。」
三人は首を傾げた。
なにがあったのかと思って輪のなかに入ると、見るからに顔色の悪い火口(妹)が座り込んでいた。
わかりやすい船酔ってる。一応聞いてみた。
「コマリさん。火口は…」
「船酔いですね。事前にわかってれば酔い止め持ってたんですけど…これとかこれとか。」
コマリは薄いグリーンのミニワンピにポケットの多いボトムズボンっとスタイリッシュな格好だけどポケットから次々に錠剤や粉薬が出てくる。
目が点になってる小雪と俺の貴女は手品師か八意永琳さんですか?って疑問を軽く無視して優日がいった。
動じて無いんだからある意味強者。
「ライカちゃん。酔いざましは無いのかな。」
コマリは出していた薬を終い込むと別のポケットからジャラジャラとチェーンを引いた。
ワイルドなアクセかと見るとピルケースが数珠なりに連なっている。
携帯電話を三分の一くらいにカットしたようなケースを開けてヒグチに差し出した。
白い錠剤が見える。
「これが酔いざましです。胃薬も一緒になってますから一粒で大丈夫と思いますよ。」
燃え尽きたジョーよろしく、ヒグチはヨロヨロと薬を飲んだ。
優日は背中を擦っている。
ただ、失礼ながら俺はコマリに釘付けだった。
あのピルケースチェーンは自家製何だろうか、それに他にはどんな薬が入っているのか気になって仕方なかったのだ。