ー夏休み編ー悪と邪鬼・続
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「あ、悠。ちょっといいか?」
匂いの元にたどり着く前に亮に声をかけられた。
「あん?食い物を寄越すなら聞いてやらんこともないぞ。」
「お前はいつから野党になったんだ。」
「半分は冗談だ。それでどした?」
「あぁ。足指先蹴りってできるか?」
「出来るかアホ。」
『足指先蹴り』といえば空手家の新垣安吉が得意とした技のひとつで。
足の人差し指に親指を重ねて足先を叩き込む蹴りで常人が行えば自身の足指が折れる。
新垣は山中を足指三本で歩くなどの鍛練を繰り返し、強靭な足指を手に入れたって話だ。
「足指先蹴りは、蹴るってより刺すって表現が正しいかもしれないな。頭を狙えば頭蓋骨陥没、腕ならへし折れる。まぁ、いわざ必殺技だな。」
「頭蓋骨陥没って…死なないのか?」
「うーん…わりと高い確率でデ~ッ~ド~。」
俺は親指の先で頚を掻ききるジェッチャーをした。
「おぃおぃ。」
「空手家なら別に足指先蹴りでなくても十分威力のある蹴りをだせるだろ。それに足技なら俺に聞かず千夜にでも聞いた方がぜったいにいいぞ。」
亮は弱った顔をした。
それだけでなにが言いたいかわかった。
多分同じように話しかけたら超不機嫌に突っ返されたんだな。
千夜なんか怖かったし。
「っか、それこそまゆが居るんだか聞けよ。」
「コホン、岡崎くん練習熱心なのもいいが、少しは勉学の方も頑張ればどうだい。そうだ、せっかくだから僕が見てあげるよ。……って逃げてきたんだが?」
うーむ、物真似はまったくというほど似てないがまゆらしい言い方だ。
っか、もしかして彼奴バスの中でも勉強してるのか?
気になって椅子によじ登って後ろを見てみたら、こなた達と話しているみたいだったのはホッとした。
「なぁ、悠。こんなのんびりしてるけど大丈夫なのか?」
「お前もか…」
どいつもこいつも人の心配ばっかりしやがって嬉しいじゃないか。
だけどまっすぐに、誉められたり心配されたりするのが苦手な俺はつい適当にいってしまう。
「大丈夫だっての。カシワだっていきなり襲いかかってきてねぇだろ。お前らには迷惑かけねぇっての。」
亮は俺の首に腕を回して引きずり降ろしてきた。
よじ登っていたのでひっくり返ったカエルみたいに体勢になった。息苦しい…。
ガッチリと人の首にロックを決めたまま分かりやすいくらいに口調を尖らしていった。
「あのなぁ、迷惑とか迷惑じゃないとか。そんな事はどうでもいいんだよ。いっちゃ悪いかも知れないけどな……あの柏さんが普通に勝負を挑んだりするわけないだろ。もし、多人数で囲まれたらどうする気だよ。」
なるほど、一度やられてるだけあってカシワの底意地の悪さがよくわかっているみたいだった。
俺は逆さまに亮の顔を見ながらいった。
「そうだな。確かにカシワは性根の腐ったスベスベマンジュウガ二みたいな奴だ。」
「例えの意味がわからん。」
「けどな、亮。彼奴は多人数で囲むなんて真似はしないさ。」
そう…カシワなら逃げ場をなくして、四方八方から囲んで絨毯爆撃でも仕掛けてくるだろう。
卑怯とかじゃなく確実に、念入りに、用心深く、必要以上に息の根を止めにくるだろうからな…。
匂いの元にたどり着く前に亮に声をかけられた。
「あん?食い物を寄越すなら聞いてやらんこともないぞ。」
「お前はいつから野党になったんだ。」
「半分は冗談だ。それでどした?」
「あぁ。足指先蹴りってできるか?」
「出来るかアホ。」
『足指先蹴り』といえば空手家の新垣安吉が得意とした技のひとつで。
足の人差し指に親指を重ねて足先を叩き込む蹴りで常人が行えば自身の足指が折れる。
新垣は山中を足指三本で歩くなどの鍛練を繰り返し、強靭な足指を手に入れたって話だ。
「足指先蹴りは、蹴るってより刺すって表現が正しいかもしれないな。頭を狙えば頭蓋骨陥没、腕ならへし折れる。まぁ、いわざ必殺技だな。」
「頭蓋骨陥没って…死なないのか?」
「うーん…わりと高い確率でデ~ッ~ド~。」
俺は親指の先で頚を掻ききるジェッチャーをした。
「おぃおぃ。」
「空手家なら別に足指先蹴りでなくても十分威力のある蹴りをだせるだろ。それに足技なら俺に聞かず千夜にでも聞いた方がぜったいにいいぞ。」
亮は弱った顔をした。
それだけでなにが言いたいかわかった。
多分同じように話しかけたら超不機嫌に突っ返されたんだな。
千夜なんか怖かったし。
「っか、それこそまゆが居るんだか聞けよ。」
「コホン、岡崎くん練習熱心なのもいいが、少しは勉学の方も頑張ればどうだい。そうだ、せっかくだから僕が見てあげるよ。……って逃げてきたんだが?」
うーむ、物真似はまったくというほど似てないがまゆらしい言い方だ。
っか、もしかして彼奴バスの中でも勉強してるのか?
気になって椅子によじ登って後ろを見てみたら、こなた達と話しているみたいだったのはホッとした。
「なぁ、悠。こんなのんびりしてるけど大丈夫なのか?」
「お前もか…」
どいつもこいつも人の心配ばっかりしやがって嬉しいじゃないか。
だけどまっすぐに、誉められたり心配されたりするのが苦手な俺はつい適当にいってしまう。
「大丈夫だっての。カシワだっていきなり襲いかかってきてねぇだろ。お前らには迷惑かけねぇっての。」
亮は俺の首に腕を回して引きずり降ろしてきた。
よじ登っていたのでひっくり返ったカエルみたいに体勢になった。息苦しい…。
ガッチリと人の首にロックを決めたまま分かりやすいくらいに口調を尖らしていった。
「あのなぁ、迷惑とか迷惑じゃないとか。そんな事はどうでもいいんだよ。いっちゃ悪いかも知れないけどな……あの柏さんが普通に勝負を挑んだりするわけないだろ。もし、多人数で囲まれたらどうする気だよ。」
なるほど、一度やられてるだけあってカシワの底意地の悪さがよくわかっているみたいだった。
俺は逆さまに亮の顔を見ながらいった。
「そうだな。確かにカシワは性根の腐ったスベスベマンジュウガ二みたいな奴だ。」
「例えの意味がわからん。」
「けどな、亮。彼奴は多人数で囲むなんて真似はしないさ。」
そう…カシワなら逃げ場をなくして、四方八方から囲んで絨毯爆撃でも仕掛けてくるだろう。
卑怯とかじゃなく確実に、念入りに、用心深く、必要以上に息の根を止めにくるだろうからな…。